黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

はなが様子をうかがいに

2020年09月28日 23時58分29秒 | ファンタジー
 机の向きを左へ90度振ったら、真ん前に窓が来た。日中、日がささなくても、本を読むにはちょうどいい明るさ。この写真は、はなが、はしゃいでいる父しゃんの様子を見に来たところ。
 最近読んだ本の紹介。
 道立、市立図書館で、瀬川拓郎氏の「アイヌと縄文」(ちくま新書)のほか、東北史、蕨手刀に関する本や、岩波新書の「飛鳥の都」「飛鳥」を拾い読みした。飛鳥本2冊は残念だった。紀記神話の呪縛から未だに脱していない。
 自宅に戻り、書棚の奥にあった瀬川氏の「アイヌ学入門」(講談社現代新書)を取り出して再読。なんということか。北海道の末期古墳のことが書かれていた。2015年初版なので、読んでからそれほど経過していないのに、このことが頭から抜け落ちているとは。記憶力低下? それとも無意識に飛ばして読んでいた?
 氏は、7世紀後葉から9世紀にかけて、東北北部から札幌、恵庭などの石狩低地帯に移住した人々がいたことが今や定説になったこと、彼らは古代アイヌとは別の勢力であり、道央のアイヌと親和的に暮らしていたことなど、踏み込んだ見解を展開している。ここまで書けるなら、その奥には従来の歴史理論を変えるくらいの確信がきっとあるはずだ。
 直接聞いてみたい。エミシとは、律令国家に逐われて東遷した倭国人であり、はるか昔に半島からやって来た弥生人の末裔である、という私の思い込みが正しいかどうか。(2020.9.29) 


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こんなふうになってました

2020年09月16日 20時25分29秒 | ファンタジー
 先週の土曜日、近所の郷土資料館でもらったパンフの写真の衝撃が冷めやらぬうちにと思い、写真の現地を見に行ってきました。
<発掘当時の写真です。今は高規格道路の下に眠っています。>

<倭国の末期古墳、いわゆる北海道式古墳の今の姿です。開発を免れた円墳は、発掘調査後、数メートルの盛り土によって保存されています。>

<副葬されていた蕨手刀のレプリカ、本物は北海道大学が所持しています。>

 奈良から平安時代にかけて、この地は縄文系の人々の擦文文化一色だったはずなのですが、そんな蝦夷地のど真ん中にどうして倭人系の墳墓があるんでしょうか。(2020.9.16)
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雨中の黒い運び屋

2020年09月08日 14時26分02秒 | ファンタジー
 数日前の大雨の日、台所の小窓から一瞬見えた情景。当然写真は撮り損ねた。
 雨にかすんだ路上を猛スピードで、黒い物体が通過した。人力の自転車に乗った黒ずくめの若者が、何か大きな黒い箱を背負っていた。弁慶たち修験道の行者が背負っていたような四角い箱で、今では歌舞伎などの演劇の舞台でしか見られない。
 私は思わず、「あっ、ウーパールーパーだ」と口走って、すぐ、なんだか語呂が違うと思った。最近の都会では、元気な若者たちが自転車を漕いで、年寄り組に食料品を届けていると聞いていたが、近くの都会から20キロ以上も離れた、こんな田舎にも彼らが進出してきたんだろうか。家人に聞くと、それはウーバーイートというらしい。交通事故と風邪に気をつけて。(2020.9.8)
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ウポポイ

2020年09月02日 14時31分56秒 | ファンタジー
 ここは、ちょっと前までポロトコタンと言われたところ。子ども時代から何度も訪れているアイヌの集落。学生のころ、ポロト湖のほとりで観光客相手に清涼飲料水売りのアルバイトをしたことがある。そのとき、学校の所在地に住む顔見知りの学生にばったり出くわした。千五百キロも離れたこんな辺鄙なところで‥‥と呆然とした面持ちで見つめ合った記憶がある。

 名前も施設も施設内の職員の姿かたちも、何もかも変わった。湖の雰囲気さえ、昨日はあいにく小雨模様だったのに明るかった。施設内の展示物は大半が古いものだったが、古臭くなかった。現代作家の制作になる、蕨手文を施した作品もたくさん陳列されていた。チセ(住居)は建物の芯にコンクリートが塗り込まれたように頑丈そうだった。内部はもちろん明るく、動物や魚類を燻したにおいもしなかった。
 
 窓の外には森との境界に立てられた祭壇が見えたが、そこにはすでに祭りの名残は感じられなかった。アイヌはもうここにはいないのかもしれない。多くは自分の国に帰ったのだ。(2020.9.2)
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