はなは、まだ家にいるようだ。亡くなった直後、洗面台の辺りにおしっこの臭いが漂った。今は、はなのシャンプーのいい匂いが家中のあちこちで瞬間的に感じられる。
はなは、小さな頃から体を洗われるのが嫌いだった。母さんは、洗面台でシャンプーするときはいつも手ばやく終わらせた。ところが、身体が弱ってからは、シャンプーより嫌いだったドライヤーをかけても、暴れるどころか、されるがままだった。
はなは、小さな頃から体を洗われるのが嫌いだった。母さんは、洗面台でシャンプーするときはいつも手ばやく終わらせた。ところが、身体が弱ってからは、シャンプーより嫌いだったドライヤーをかけても、暴れるどころか、されるがままだった。
はなは、痩せて小さくなったお尻に新しいおしめをつけられると、疲れたのかぐったりして見えたが、ほんとうはきれいになって気持ちがよかったのかもしれない。一言、いい気持だよ、と言ってくれたなら、父さんと母さんは泣き崩れただろう。
そんな父さん母さんを思いやって、はなは、いまだにシャンプーの匂いを振りまいているのだと勝手に解釈している。(2023.2.9)
そんな父さん母さんを思いやって、はなは、いまだにシャンプーの匂いを振りまいているのだと勝手に解釈している。(2023.2.9)