黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

はなの仕業

2015年07月27日 17時12分23秒 | ファンタジー

 はなは、そうとう、やんごとない身分のお方だ。身のまわりのことはすべて人にやってもらう。気に入らなければ、命令調にニャーと鳴いて、鋭い牙をキラッと光らせ、父さんを震え上がらせる。母さんにはしない。
 はなは、昼間からのんびりくつろいでいるので、たいがい朝早く目が覚める。父さんはまだ寝てる。いちおう目覚まし時計が鳴るまで待ってみる。鳴ったら、ベルの音より大きな声で鳴く。それでも起きなかったら、父さんが起き上がるまで次々とパンチをお見舞いする。父さんは、はなの朝飯当番なのだから仕方がない。
 はなは、そうとう寂しがり屋だ。父さん母さん二人して、何かの用事で、居間から別の部屋に行っただけで追いかけてくる。実は、はなは、眠っているとき以外、一人(匹)で部屋にいられない。父さん母さんが寝るときも、決まって寝室についてきて、何も始まらないのを確認して自分の寝床に引っ込む。このことは、はなと一家の名誉がかかっているので、口伝てでも公表されては困る。
 はなは、そうとう分からず屋だ。みんなが寝静まった真夜中、ソファーの縫い目に爪を立て引っ掻くのを止めようとしない。はなと会話できる母さんが、朝、問い詰めても知らんぷり。自分の悪事をぜったい認めない。ほんとに、にゃんごとないお方だ。(2015.7.27)
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