ようやく8日に行ってきた東京国立博物館(東博)のことを書きます。
恒例の新春展示に加えて、今年は本館リニューアル記念として「特別展なみのラインナップ」と豪語する特別公開も楽しみ
本館に入ると、ほんわかと花の香りが漂っていました。
新春らしく、東博の正門脇や、噴水池の前や、本館入り口や、上の写真のように本館ロビーにも立派な正月花が飾られていました(真生流の方々の作品でした)。
東博に行くたびに、その奥が気になって仕方のない、ロビーの大階段の踊り場にある扉のところにも
立派な正月花ですが、このディスプレイの奥にはどんな世界が広がっているか、ますます関心が高まります
さて、
―― これは特別展か? ――
本館のリニューアルを記念して、東博(トーハク)の所蔵作品のなかから選りすぐりの名品を期間限定で公開します。「特別展」なみのラインナップを、どうかお見逃しなく!
の期間限定の公開作品からまいりましょう。
この日の東博で最も観客が密集していたのはこちらの作品の前でした。
尾形光琳の「風神雷神図屏風」です(携帯電話で撮影するシャッター音が耳障り)。
すぐ隣りに、伊藤若冲の「松梅群鶏図屏風」が展示されているのですが、観客の関心の度合いはこんな具合。
おかげで「松梅群鶏図屏風」をじっくりと拝見することができました。この屏風のことは、また後日。
光琳の「風神雷神図屏風」に話を戻しますと、この作品のオリジナルに相当する俵屋宗達の「風神雷神図屏風」との顔合わせが、2年半前に東博で開催された特別展「対決 巨匠たちの日本美術」で実現しています(それ以前にも実績あり)。
この展覧会には私も行ったのですが(右の画像はその時のフライヤーから拝借)、両作品の展示は2008年8月11~17日のわずか1週間で、7月31日に行ってきた私は残念ながら観られませんでした
宗達の「風神雷神」は、京都・建仁寺から京都国立博物館(京博)に寄託されているのですが、京博の平常展示館が建替工事の真っ最中だそうで、2013年秋に予定されている完成まで平常展示はお休みです。
平常展示が再開されても、「風神雷神」が展示されている保証はありませんので、建仁寺でレプリカを鑑賞するのが安全策かもしれません。
次にご紹介するのは狩野永徳の「檜図屏風」。
まさしく安土桃山時代の金碧障壁画の代表作ですな(いまでこそ屏風になっていますが、もともとは襖絵だったらしい)。
離れたところから観てもすさまじい迫力ですが、近づいて観ると筆致がこれまた凄い勢いです。
もっとも、「持って帰りたいか」と聞かれると、それほどでもありません…
逆に、いただけるものなら喜んでもらって帰りたかったのはこちらでした。
国宝「古今和歌集(元永本)」です。
なんときれいな料紙、なんときれいな筆蹟、なんときれいなレイアウトなのでしょうか
ただ、筆蹟が流麗すぎて、まるっきし読めないのが悲しい…
最後にご紹介するのは、日本史の教科書には必ず載っているといっても過言ではない雪舟等楊の「秋冬山水図」。
こんな斜に構えた写真で申しわけありません。
でも、よく本や雑誌で見かける作品ですし、もともとがモノクロームですからご勘弁を。
でも、表装された状態で観られるのは、レアといえばレアかも…。
以上ご紹介した作品のうち、「風神雷神図屏風」「檜図屏風」「古今和歌集(元永本)」の展示は今度の日曜日、1月16日までです(葛飾北斎の「富嶽三十六景」も)。ご興味のある方はお急ぎください
「その2」では「新春特別展示 博物館に初もうで」のことを書く予定です。