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インターメッツォ: エリクソンの叡智 : 信頼のはじめ辺野古の風 やり取りの大切さ さあ今日から、エリクソンはどうしようかしらね。ルターに戻ろうかな? それとも、また浮気しちゃおうかな? 今日のフロ......
今朝は,もう一本。
エリクソンの神髄中の神髄。ニッポンの学会のお偉方は,ほぼことごとく,無視しているポイントです。
Identity youth and crisis. p.218. 第3パラグラフ。
人が本気で言うべきことは,≪私≫とは,端から端まで意識的であるということですし,私どもが本当に意識的であるのは,私どもが,≪私≫と言いうる時,しかも,本気で≪私≫と言える時だけだ,ということですね。(酔っぱらいも,≪私≫と言いますけれども,その2つの目は裏腹で,後で酔った勢いで言ったことを覚えていないでしょ。)様々なことをしている自分も,ほとんどが意識せずにいるもので,つまり,それは,様々な自分が意識できるようになるのは,その≪私≫が,そのいろんなことをしている自分を意識させるわけで,しかも,自我がそれに賛成な時だけです。自我は,しかしながら,無意識です。私どもは,自我の働きは自覚がありますが,自我そのものはには自覚がありません。あらゆる点で,ひとりびとりの自我が無意識だと考えることを犠牲にすれば,私どもが全く「理解」してないことも,意識的に計画してないことも,心臓や脳がやってくれているみたいに,無意識な自我が何とかやってくれているのに,一つの道具として精神分析を捨ててしまうことになるでしょうし,(スコラ哲学風に言えば)精神分析によってしか,見ることができない美を,捨てることにもなるでしょう。反対に,意識的な≪私≫が,今ここで≪私≫が生きていることとの関係の中にあることを無視すれば(精神分析は,意識的な≪私≫を無視してきましたが),人間が自分自身を自覚する核である≪私≫を,結局は,自己分析を可能にしてくれる能力があるのに,消し去ることになります。
…
しかし,≪私≫は,私が意識の中心であり,その私の意識が経験世界の中にあると感じていることを,言葉で確かにされることに他ならないのですが,その経験の中で,私は≪私≫が確かにされることが一貫するわけですし,自分の鋭い感性を身に着けたり,見て分かったことや考えたことを話すこともできるわけです。こうした経験をいくら積み重ねても,≪私≫が放つ厳粛で気高い雰囲気を十分に示すことには,全くなりません。≪私≫とは,私がイキイキ,ピチピチ生きていることですし,そのように,イキイキ,ピチピチ生きている私こそが,人生である,ということに他なりません。その≪私≫の遊び相手は,ですから,厳密にいえば,神様だけしかいません。その神様が,死んでいくひとりびとりの≪私≫にも,厳粛で気高い雰囲気をお与え下さるのですし,この恵みを自覚した全ての≪私≫が認める,畏れに近い驚きと歓びに満ち溢れた永遠なるヌミノースを神ご自身に与えるのです。ですから,神様は,モーセが「私のことを呼ぶ,そのあなたは誰ですが?」と訊いた時に,「いまここで,私はイキイキ,ピチピチ生きている者だ」とお応えになったんですね。…
ここが,エリクソンのライフサイクルの神髄中の神髄です。
岩瀬庸理(のぶただ)さんの翻訳は,まあまあ,5段階評価で「3」程度です。