goo

▲トーヨーボールアスベスト除去工事で、市民団体が業者に「協定書案」を提示し、締結を求めました

■「トーヨーボールのアスベスト飛散を防ぐ会」が、マルコー紹介とエヌエステックに対して、協定書締結を求めた文書を提出しました。

 民間建築物においても、地元と解体業者との間で、協定が結ばれるようになってきました。各地の協定書を参考に、防ぐ会で案が練られ、関係者に提出されました。公害問題という視点から考えれば、協定書が結ばれることは、ごく自然のことと思います。

内容は、以下の通りです。

旧トーヨーボールの吹き付けアスベスト除去およびアスベスト含有建材撤去工事における協定書(案)


 甲、乙、丙は、旧トーヨーボール解体工事における吹き付けアスベスト除去およびアスベスト含有建材撤去工事に関して下記のとおり協定を結ぶ。

1. ア.乙または丙は、当該作業を施工するにあたり「施工計画書」を甲に提出する。
  イ.丙は、アの施工計画書を遵守して施工する。
  ウ.施工計画書等の協議すべき事項が生じた場合には、甲乙丙は、連絡協議会を開催し、協議する。

2. 丙は、当該作業への甲の立入りを以下の条件で認める。
  ア.甲は丙と帯同し、作業着工前       1回
    作業中         協議
    作業終了後(養生撤去前)1回/各エリア  とする。
  イ.作業中の回数については、甲丙協議する。人数に関しては妨げないことを原則として3人以内/1回とする。
  ウ.保護衣一式は、丙が用意するものとする。

3. 丙は、当該作業中の以下の資料を甲に公開および閲覧する。
尚、公開資料においては、甲の代表者および下記の団体に、各日にFAXする。

(公開資料)アスベスト粉塵量測定結果(掲示も含む)
(閲覧資料)工事日報、作業中のポラロイド写真、マニフェスト伝票
FAX送付先:中皮腫・じん肺・アスベストセンター   FAX:03-3683-9766
トーヨーボールのアスベスト飛散を防ぐ会 FAX:

4. 丙は、アスベスト除去作業に於いて、当該工事の周辺のアスベスト粉塵濃度を基準値内におさめるよう努力するが、アスベスト粉塵濃度測定に於いて基準値を超える値が測定された場合、甲に連絡し、作業を中断する。尚、原因が解明し、正常になるまで当該作業は再開しない。ただし、養生内の負圧機は稼動を継続する。
なお、周辺アスベスト粉じん濃度の基準値は、1f/lとする。

5. 作業終了方法は、甲は養生撤去前に(2-ア)により、アスベスト除去の状況を確認することができる。ただし、未だ不十分と認められた部分については、再度除去作業を行い、甲丙協議の上、確認する。

6. 本作業に明らかに起因して将来アスベストによる疾病が発生したと証明できる場合には、乙および丙が責任を持って補償する。


 本合意の証として、本書3通を作成し、甲・乙・丙記名押印のうえ、各1通を保有する。

以上

平成19年11月  日


甲 トーヨーボールのアスベスト飛散を防ぐ会
代表者住所
氏名

乙 株式会社 マルコー商会
住所:
代表:

丙 株式会社 エヌエステック
住所:
代表:

上記文書を2社に提出すると同時に、愛知県・愛西市・稲沢市にも、協定書案と下記の文書を添えて、提出されました。

平成19年11月12日

愛知県知事  神 田 真 秋  殿

トーヨーボールのアスベスト飛散を防ぐ会
代 表  林  金 男

旧トーヨーボール解体工事施工業者(株式会社マルコー商会、株式会社エヌエステック)と協定締結について(お願い)

旧トーヨーボール解体工事において、トーヨーボールのアスベスト飛散を防ぐ会では、周辺住民の安全を守る見地より、解体工事施工業者(株式会社マルコー商会、株式会社エヌエステック)との間で、吹き付けアスベスト除去およびアスベスト含有建材撤去工事に関して、別添協定書(案)を交わしたいと考えています。
 つきましては、この趣旨をご理解くださいまして、愛知県からも業者へ協定を結ぶようご指導、ご配慮くださいますようよろしくお願い申し上げます。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

▲鉄鋼スラグを使った人口干潟(三河湾)について

■長いメールが届きました。ご紹介!

 鉄鋼スラグについて、情報が届きましたので、ご紹介します。

 私も、このことは、以前より承知していましたが、なかなか手が回らない状況です。鉄鋼スラグの有効利用なのか、鉄鋼スラグの捨て場なのか、よく見極める必要があるでしょう。

 また、今回起きた鉄鋼スラグから有害物質が出た原因究明がされていません。高炉スラグや製鋼スラグ、そして、製造過程で出るものも「鉄鋼スラグ」とひとくくりにされているのは、問題です。もし仮に、最初の実験は、安全担保のされたもので実験されたとしても、実験後に使用されるであろう大量の企業からの鉄鋼スラグがすべて安全とは言い切れません。

 ご意見などあれば、お寄せいただけると助かります。以下、いただいたメールより、抜粋しました。

★どうして、鉄鋼スラグを使うのか? → 干潟造成に必要な砂の入手が困難となっているため、鉄鋼スラグ利用を進める

 三河湾の人工干潟造成に鉄鋼スラブを使用することは、以前から検討されていました。たとえば、愛知県西三河農林水産事務所はHPでこう書いています。
http://www.pref.aichi.jp/nourin-nishimikawa/chiiki-plan/chiiki-plan-15-sec3-11.pdf

《干潟造成に必要な良質な砂の入手が困難となっているため、造成材としての利用の可能性が高い鉄鋼スラグについて、浚渫土砂と効果的に混合する手法の開発と、鉄鋼スラグを活用した干潟造成の実証事業にも取り組みます。》

《干潟造成材としての鉄鋼スラグを利用する手法の開発を進める。》


★砂の代わりとして鉄鋼スラグに目をつけた

 また、「エコキャンペーン GO!地球のおそうじ隊」のHPにもこう書かれています。
http://www.tv-aichi.co.jp/eco/campaign/umi_fukei/sp_04.html

《(愛知県水産試験場の)石田さんたちは、失われた三河湾の浄化機能を取り戻そうと、人工干潟をつくって研究を進めてきました。しかし今、問題に直面しています。干潟に使う土砂が、来年以降確保できないのです。そこで、砂の代わりとして鉄鉱スラグに目をつけました。鉄を精製する際に生まれる残りかすです。成分は砂とほとんど変わらず、入手も簡単です。》

《巨大な水槽に天然の砂と鉄鉱スラグを敷き詰め、違いを見ることにしました。》

《実験開始から1ヶ月。鉄鋼スラグの干潟にも、天然の砂の干潟と同じように、アサリの赤ちゃんが住んでいました。成功です。》


 以下は、中日新聞や愛知県西三河農林水産事務所HPなどの記事です。

----------------------------
《『中日新聞』11月7日夕刊》
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2007110702062594.html


  三河湾に人工干潟 名古屋港しゅんせつ土活用


 国土交通省三河港湾事務所(愛知県豊橋市)は12月から、同県蒲郡市沖の三河湾で、名古屋港でしゅんせつした土などを使い、人工干潟を造成する試験を開始する。毎年のように赤潮が発生する三河湾の浄化が目的。増え続けるしゅんせつ土の行き場を探している名古屋港関係者も歓迎しており、両者の利害が一致した形だ。

 人工干潟が計画されているのは、蒲郡市三谷町の沖合約200メートル付近。名古屋港の土は粘土質のため、製鉄時に生じたスラグ(かす)などを混ぜてアサリやトリガイなどの貝類が生息できるよう粒を粗くする。水質や貝類の生息などの効果を調べるため4種類の干潟を造成。しゅんせつ土にそれぞれ、製鋼スラグ10%、同20%、水砕スラグ20%、矢作ダムしゅんせつ砂40%──を混ぜる。

 1種類の広さは約20メートル四方で深さは1メートル前後。全体の埋め立て量は計1300立方メートルとなり、来年度までデータを集める。本年度の事業費は約1億円。

 三河湾は、外海との開口部が狭く、河川からの生活排水などによる汚染物質が滞留しやすく、ヘドロが海底に蓄積。年間20回以上の赤潮が発生し、漁業に悪影響を与えている。人工干潟でヘドロを覆うとともに、貝類のすみやすい環境をつくって水質を浄化させる。

 一方、名古屋港ではコンテナターミナル整備が進み、しゅんせつ土は名古屋港沖にある広さ約260ヘクタールの埋め立て地「ポートアイランド」に山積みになっている。土は毎年100万立方メートル以上、増え続けており、10年以内に満杯になる見込みという。名古屋港湾事務所の岡崎稔彦副所長は「漁業者への配慮からこれ以上の埋め立ては困難。土の新たな活用につながる三河湾の事業に期待している」と話す。

 三河港湾事務所の塩田昌弘所長は「まずは試験を成功させ、継続的な事業で三河湾の浄化に役立てていきたい。またしゅんせつ土の活用のモデルケースになる可能性もある」と意気込んでいる。

 三河湾では、国交省三河港湾事務所が1999年度から五年間で愛知県田原市・伊良湖沖の砂を活用し、同湾各地に人工干潟を造成。蒲郡市西浦町沖では、水質の汚濁度を示す化学的酸素要求量(COD)が半減し、貝類が増えるなどの一定の成果が出ている。

 写真:人工干潟をつくる三河湾の現場。後方はラグーナ蒲郡=愛知県蒲郡市三谷町沖で、本社ヘリ「おおづる」から
----------------------------
《愛知県西三河農林水産事務所のHP》

http://www.pref.aichi.jp/nourin-nishimikawa/chiiki-plan/chiiki-plan-15-sec3-11.pdf


   干潟造成により有用貝類の漁場を保全します
    ~青く豊かな三河湾の再生のために~

*現状と課題

〇 古くから有用魚介類の宝庫として知られる三河湾も、水質等の環境悪化に伴い、漁業生産や海のレクリエーション活動に大きな影響を及ぼしているため、三河湾の海域浄化が求められています。

〇 三河湾は有用貝類などの成育場であり、天然干潟の保全と併せて人工干潟を造成する必要があり、平成12 年度から管内漁業協同組合の共同漁業権漁場内に干潟・浅場の造成事業を実施してきましたが、漁場生産力の回復と浄化機能の向上を図るため、引き続き実
施していく必要があります。

〇 また干潟造成に必要な良質な砂の入手が困難となっているため、造成材としての利用の可能性が高い鉄鋼スラグについて、浚渫土砂と効果的に混合する手法の開発と、鉄鋼スラグを活用した干潟造成の実証事業にも取り組みます。

*目標項目及び目標値

〇 干潟・浅場造成事業による干潟造成

〈現況〉2005年度  2 ha
    2006年度  7 ha
    2007年度 12 ha
    2008年度 17 ha
    2009年度 22 ha
〈目標〉2010年度 27 ha


 (注)上記計画は三河湾(第1種共同漁業権漁場区域内)における造成目標数値。


*目標を達成するための手段・方法

〇 「干潟・浅場造成事業計画」による計画的な実施を図る。
〇 干潟造成に不可欠な土砂の確保に努める。
〇 干潟造成材としての鉄鋼スラグを利用する手法の開発を進める。
〇 実証干潟での有用貝類の成育に関する有効性を実証する。


 

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )