小言コウベイN

日々感じた風刺等について書いています。

紫陽花

2021-05-23 21:30:36 | 日記

  

   03.05.24      紫  陽  花      NO.3029

紫陽花の花になんの罪もないけれど、大嫌いだった。

蒸し暑い梅雨の時期、夜中に首筋に虫が這っていると気付いて目をさますと、それは

虫ではなくて流れ出る汗でした。  限りなく紫陽花の花に音を立てて降り注ぐ雨、

そうなるとまた眠れない。  悶々として寝返りをうち、やっと明け方になってまど

ろむ頃に、決まって夢に出てくるのは、父親が出征した日の光景だった。

石炭箱の上に乗っかって「お国のために尽くします」みたいなことを言ってた。  

その時オレ6歳。  近所の女たちが、手に手に日の丸の旗を持って見送った。

オイ女 お前らだ! お前らが俺の父を殺したんだ!

あの時なんで戦争反対!と言わなかったんだ。 徴兵反対のスクラムを組んで、国民

を無益な戦争に狩りださなかったら、俺だって、こんなに貧乏にならなくてよかった

んだ!  あの時に戻れるものならば、大声を出してそう叫びたい。

梅雨の時期、紫陽花が咲くと苦い思いがやってくる。