銀座のうぐいすから

幸せに暮らす為には、何をどうしたら良い?を追求するのがここの目的です。それも具体的な事実を通じ下世話な言葉を使って表し、

大量の塩で、死体を埋める・・・・・2(本編)

2009-07-14 12:05:04 | Weblog
 昨日、前半をお話をしました。60才ぐらいの裕福な主婦に出会った後で、お若い方たち二人とであったのですが、・・・・・午前と午後では、話題の傾向が全く異なっていました。午前中の人たちはある意味で取り澄ましていて、午後の若い人は真剣極まりない恋愛(それも、電車の中でセックスの話にまで行ってしまうもの)についてです。あからさまに過ぎるといえば、過ぎます。

 でも、こちらの若い人を、軽蔑などしませんよ。そうではなくて、心配しきってしまったのです。これから、彼女は殺されるのではないかと思って。では、以下にその本編を記します。

~~~~~~~~~~

 内回り線を利用して、東京駅を池袋に向かって過ぎたあたりで、目の前に二人の若い女性が立ちました。その顔と体格のいたいけで、可愛らしいこと、まさに昔の言葉で言う『番茶も出花』の年頃です。二十才前後でさわやかです。ただ、今時

(二〇〇五年)の典型的なお嬢さんで、白い木綿のカーディガンの下は、ヨーロッパのヒトが「日本人は下着で歩いている」とよく言うらしい、キャミソールと言う形のブラウスで・・・・・
下は、ジーンズ、午前中の主婦族と比べれば圧倒的に、安物・・・・と言ってはあまりにも失礼だが、並の金額で買える並の品質・・・・・の服装です。

 普通のヒト、普通の階級のお嬢さん。大学生ではありません。大学生だと、もっと遊んでいる傲慢な感じを受けます。既に働き始めた人たち、それも、スーツをびしっと決めてはたらく大企業のひとたちではない。ブティックでお洋服を売っていたりする、そう言う感じのお嬢さんたち。

 しかし、乗ってきてつり革につかまった途端、カレシ(恋人)のパンツの話です。それが、先ほどから繰り返し説明をしているように、決してすれっからしではない、しかもお化粧も濃くはない、普通の純情そうなお嬢さんが話すのですから『いかに今の若者が、手早くセックスの段階まで入ってしまうのか』と言う点に、まず驚いちゃったのですが・・・・・

 「カレシは、クレヨンしんちゃんのキャラクターが一番好きなのだけど、パンツが、すべて、キャラクターデザインのもので、・・・・・・でも、それって、前の彼女がすべて、買ったんだって」と右の子が言います。
 左側の子は、いじわるでもなく、嫉妬するでもなく、たんたんと、相槌を打ってあげています。
 右側の子は、結構、自己分析の能力もある子で「その日は、喧嘩っぽくなく、別れたんだけど、後で、だんだん腹がたって<捨てて。全部捨てて>って、電話で言ったの」とか、なんとか・・・・・延々と、その手の話題が続くのです。

 で、何回かセックスをした後で、段々身元調査にも入って行ったらしいのですが、そのカレシは、「マンションを三つ持っていて、両親は父、母、別々に会社を経営していて、そこからも幽霊社員として、カレシには給料が出ていて、だから金持ちで、でも、ご本人はギター教室の先生で、土日もないほど、忙しいんだ」とのこと。

 すると、今まで、ほとんど相槌だけだった左側の女の子が「結婚願望はどうなの?」と質問をしました。すると右側の子が「ないみたい。でも、四十才でしょう。だから、<今までどれだけのひとと、付き合ってきたか、人数を教えて?>と、言うと<待ってて、よく考えてみるから>なんて言って教えてくれないの」と応えます。

 ここまで聞いただけだって、私としては相当心配で『このお嬢さんの親は、この交際を知ってるのだろうか? 知らないんだろうな?(後注1) 大丈夫かしら? ああ、うちの娘が、変な男にひっかからないうちに無事に結婚を出来て、良かったなあ』なんて、心の中で考えていたのですよ。

 ところがね、私がとうとう、口を挟まざるを得ないエピソードが出て来ました。心底ぞっとするようなエピソードが。なんと、カレシは、「大量の塩を買って来た」と彼女に言うんだそうです。「カレシは医者じゃあないんだ。だから何に使うんだろうって、思うの。だから、聞いているんだけれど、使う目的を言ってくれないんだ」そうです。

 その用途を、ある時とうとう、じれた彼女が問うと「あ、しまった。塩を買った事を言うんじゃあなかった」と言う顔をするのだそうです(後注2)。彼女自身、非常に、不審に思い。かつ怪訝にも思っていて、だからこそ、この件を友達に話したかったようです。普通ならセックスを含む恋愛の話を、電車の中では、しないですよね。せめて、ドトールかスターバックスに入ってから話す話題でしょう。

∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹ 

 私は、ここに来てたまらず、口を挟みました。「あなた、その男の人と、これから先も付き合うのなら、彼の実家に行ってみて、彼の両親を見ないと駄目よ。もしかしたら、その塩で、死体を漬けるのかも知れないから、用心をなさい」と言いました。

 いえ、まさかと思うけれど、三つもマンションを持っているなんて、普通の若い人ならできない生活です。それに、会社を両親が経営をしていると言ったって、まともなビジネスなら、この不況(二〇〇五年の六月の話だから)下、たとえ息子と言えども、幽霊社員用の給料など払っていられない筈なのです。

 どう考えても『カレシと言うのが、非常におかしい人物である』事を、この話は示唆しています。もし、彼の言う三つのマンションが、今まで付き合ってきた女性を殺しては、手に入れたものだったりしたら、どうなります? しかもそのマンションをまた貸しして、その家賃収入で遊んで暮らしている男性だったらどうなります? 彼が、もし、次から次へと新たな犠牲者を探している真のワルモノだったら、この若いお嬢さんはこれから、どうなりますか?

 この前の鎌倉の事件(由比ガ浜で、若い美形のサラリーマンが、不倫相手が妊娠をしたので、殺害し、自分の家の庭に埋め、さらに偽装工作を重ねていた。正妻はスッチーで、しかも主犯の両親も同居の二世帯住宅内での犯行だから、驚くべき犯罪として世間を巻き込む大騒ぎとなった。その主犯が、息子と高校が同期だったので、それもあって、我が家では重大な関心事となった)ではないが、

 普通の顔をして、ワイシャツを着てネクタイを締めていながら、すごい事をする人間さえ、いるのです。危ない、危ない。 

 それに、北九州の松永と言う悪(ワル)は、普通のマンションで、何人もの人間をあとかたもないように、抹殺して行ったのですよ。誰も気がつかず、誰も抵抗できない形でそれをやり抜いたのです。ご近所様の話では、後から、思えばえば、マンションの階段に生臭い・におい・が漂っていた事があるそうです。血の・におい・でしょう。

 でも、松永の処理が、あまりに巧妙ですばやかったために、死体特有の腐敗臭までは、発生をしていなかったので、ご近所さまでは誰も、そんな恐ろしい事が同じマンション内で行われていることには、気がつかなかったのです。

 犯罪が遠いことだった昔の日本ではないのです。日本はとても、変わってしまいました。

∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹

 私は、その一瞬に、カレシが本当にやりたい事を想像しました。目の前にいる、さわやかで可愛い(しかも自分・・・・・と言うのはその塩を買った男性のこと・・・・を信じている)彼女を殺し、死体の一部を塩漬けにして腐敗をしないように押入れに隠し、別の一部分を冷蔵庫に入れ、少しずつ、・・・・・つまり、500グラム程度の、料理の際、使わなかった肉の塊として、・・・・・ごみ収集日に捨てて行ったら、誰にも気が付かれないで、死体を処理できます。

 猟奇的な事件って、その発見をされる当日まではだれにもわからない形で、進行するのです。

 (この文章を書いた、だいぶ後で、平塚で、自分の子供と見られる白骨三体を押し入れのダンボールに入れ、布団の上には、殺害した自分の娘の遺体を放置して寝かせており、

 別の部屋には自殺した・・・前夫の息子・・・が吊り下がっていたと言う、恐るべき事件が起こったのです。

 それは殺すべくして殺したのではなく、愛情の行き違いとかもつれとか、育てるのが面倒だとか、いろいろ理由はあったのでしょうが、いずれにしろ面積が大変狭いアパートの中で起こった事件なので、猟奇的と言ってよいでしょう。数ヶ月発見をされなかったのです)

∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹∻∹

 でも、その数秒後に、電車は池袋駅に着いてしまいました。が、私は、自分の忠告が、二人に受け入れられたのを感じました。

 普通、こう言う若い女性が、私の事を『変なおばさん。おせっかいめ』と思った時は、お互いに目配せなどをして、私を排除するものなのです。それが全くなくて、唖然として私を見つめながら、二人とも声もなく、でも、決して嫌がってはいない顔で、私を見つめていました。

 本当は、右側の女性は、この男性(カレシ)に、既に相当な胡散臭さを感じていて、「ちょっと、変だな」と思っていたところでしょう。昔なら、こう言う男は結婚詐欺師として、警察につかまるところでしょうが、今の女性と言うか(社会全体の風潮が)・・・・・簡単にセックスまで走ってしまって、それが結婚とは結びつかなくても、それで、良い・・・・・と言う感覚があるために、あぶない、あぶない、話が出て来るのだと思います。

 そして、この年齢では女性の方が損をしてしまいます。あたら、若い花の時間を、たいせつなパートナーを見つられずに浪費して、損をしてしまいます。

 いずれにしろ、本当に、会社経営をしている両親が揃っているのなら、息子が四十才になっているのに、結婚をしないなどと言う事を、心配しないわけはないのです。跡取りですから。で、当然、恋愛か見合いのどちらかで、カレシは、すでに、身を固めているはずなのです。

 男の話はすべて嘘でしょう。が、まるで、アガサ・クリスティか、コナン・ドイルの世界を、山手線の車内で聞くとは、思いませんでした。

 でも、この華奢で細身で現代風な女性が、午前中、東横線の車中で出会ったような、たくましくも上品で、かつ、安定した女性になるまでは、前途遼遠だと考えたものです。あぶない、あぶない、

・・・・・お嬢さん、どうか、青春真っ盛りの、御身を大切にして・・・・・。
                             
では、二〇〇五年、六月二十五日に、見聞したことを、09年7月14日にここにアップロードをします。              雨宮 舜

後注1、

 田舎で高校を卒業して、短大や専門学校への進学、または就職のために上京をして、マンションで一人暮らしをはじめた若い女性が一番危険だと思います。その住まいを悪賢い男性に、ただで、使えるラヴホテル代わりに使われると、どんどん、深みにはまってしまいます。東京で育ったお嬢さんなら、それは、それでパラサイト・シングルになりやすいと言う問題もあるが、40歳ぐらいまでは親と同居をするはずです。そうなると、一緒に食事をする際などに、娘の現況はつかめるので、両親は、いろいろ心配して忠告をするはずです。だから悪賢い男性との、不倫の関係などの、深みにははまりにくいでしょう。

 鎌倉の事件の方も女性の方は田舎の出身で、藤沢で一人暮らしをしていた方でした。男性の方は遊びのつもりだったのに、彼女の方が真剣で、「妊娠したあかちゃんは、一人で育てるから生みます』といったために、追い詰められた男性の方が殺害をしたのです。その後で女性の方の、田舎に住んでいる両親に、まだ、生きているかのごとく、偽装をしていたので死体が発見されるのが遅れました。そのために、その悪質性(または、悪賢さ)が際立ってしまい、世間を騒がせたのでした。

後注2、

 いえね。ジョークならいいんです。この40歳だという男性が、相手の若い女性の真剣さを疎ましく感じ始め、『僕はあんたを、これから殺すつもりなんだ』とほのめかして、彼女が、自分から去っていくのを狙っている可能性はあります。

 しかし、そういう複雑なジョークが通じる相手とは、昔から付き合っていた学生時代の同級生くらいでしょう。この場合の、数回ベッドをともにした純情なお嬢さんには通じていません。現に彼女は、暗喩にもまったく、気がついていなかったのです。だから、ジョークになっていません。とても恐ろしい話です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする