新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

介護不安は国民共通の不安:政治家はどう考えている?

2010-11-20 20:03:31 | 複合記事

さて、続けます。

 

どうも、インフルエンザワクチンの副作用として熱が出ているのか、風邪をひいたのかわかりませんが、熱があるようです。困ったものだ・・。

 

さて・・・ニーチェの言葉か何かで「エゴイズムは感情の持つ遠近法」というようなことを書いていました。これは一つの本質をさしていると思っていますが、当たり前ですが人は自分と関係するものはクローズアップして考えます

 

僕が医師不足の問題を大きく取り上げるのは、当たり前ですが現場でそれを感じているからであり、いずれ成り立たなくなるだろうと思っているからです。

 

僕らの世代で人手がすでに足りなくなってきている。僕らの先の世代ではどうなるのか・・・。さらに減るかもしれない。そうすると総合的に破綻するのは当然ではないか…と思うわけです。

 

そういう意味で人は自分に関係ある部分はクローズアップするものだと思います

 

いずれ…という意味でクローズアップされてきた分野「介護」 そこにこの国はどう切り込んでいくのかしら…と思っています。

 

4分の3超「介護必要になるかも」=自分と家族の将来に不安―内閣府調査

時事通信 11月20日(土)17時12分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101120-00000066-jij-pol  

内閣府は20日、「介護保険制度に関する世論調査」の結果を発表した。それによると、4人に3人が自分自身が寝たきりや認知症の要介護者になるかもしれないと不安に思っていることが分かった。家族が要介護者となることへの不安も8割近くの人が抱いており、少子高齢化の進行に伴う不安感の拡大がうかがわれる結果となった。 

 

調査は9月16日から10月3日まで、全国の成人男女5000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は65.4%だった。 要介護者となることへの不安は、自分自身について「ある」と答えた人は7年前の前回調査比6.1%増の75.1%で、「ない」は同5.7%減の24.4%。家族について「ある」は同4.1%増の77.6%、「ない」は同7.3%減の18.0%だった。 

自分自身に介護が必要となった場合に困ることを聞いた(複数回答)ところ、「家族に肉体的・精神的負担を掛ける」が73.0%で最も多く、「介護費用の負担が大きい」60.1%、「収入がなくなる」32.2%などが続いた。自分が介護を受けたい場所では、「現在の住まい」を挙げた人が37.3%。次いで「特別養護老人ホームなど介護保険施設」が26.3%、「有料老人ホームや高齢者住宅」が18.9%だった。 

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介護問題も大きなものだと思います。 今のままでは受け入れ不能となる要介護者が増えるだろうと思うのは、当たり前の話だと思います。

 

介護関係で「主治医意見書」なるものを書くことがよくあります。65歳以上ならともかく、65歳未満だと介護を受けるのは結構大変です。

 

本当に自分でベッドから降りることもできない人の要介護認定を受けるのに、「末期癌」以外ではなかなか取れない。

家で介護を受けたいといっても、介護職の人数も足りませんしねぇ。まぁ、そういう意味ではこの分野は「経済」の活性化につながりうるとも思います。

 

この問題を政治家はどう思っているのでしょうか?

 

もう、大臣をおやめになられているので良いかなぁ・・・ということで・・・。先日も書きましたが民主党の某国会議員さん、政治家という立場で医療現場に横やりを入れていらっしゃいましたが、そういうことができるえらい立場だと思って気にしていないのでしょうかね?

 

自分の関係者は医療や介護は問題ないって。

 

話を脱線させますが、僕は結構いろいろな人と付き合いがあります。それは誰だってそうでしょうけど、ネット上の付き合いもあれば、僕より20歳くらい上の年齢の方々と一緒に、よく酒を飲んで話をしてます。

 

その時にも話をしましたが、

医者という職業にプライドは持っていますが、偉いとかは全く思いません。むしろ、僕は自分が医者としては必要なくなるような時代が来て、釣りや読書や本でも書いて過ごしてみたいくらいです。むしろ、他の職業の方々とか、技術者関係の方々とかのことを尊敬します

という話をしました。

 

ここで僕が思っているのは、政治家の多くがそんなことを思っているとは思えませんが、こんなことを言う人もいるから、結構「俺は偉いんだぞ」と思っているひとも多いのではないかと・・・。

 

民主・松崎議員が自衛官を「恫喝」か 「俺を誰だと思っている」

産経新聞 11月18日(木)2時5分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101118-00000513-san-soci

今月3日に埼玉県の航空自衛隊入間基地で行われた航空祭(写真:産経新聞)  民主党の松崎哲久衆院議員(60)=埼玉10区=が今年7月、航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市)で行われた納涼祭で秘書が運転する車を呼び寄せる際、空自側の規則どおりの対応に不満を抱き、隊員に「おれをだれだと思っているのか」と“恫喝(どうかつ)”ともとれる発言をしていたことが17日、分かった。防衛省幹部や、自衛隊を後援する民間団体「航友会」関係者が明らかにした。  

入間基地では今月3日の航空祭で、航友会の会長が「民主党政権は早くつぶれてほしい」と発言。これを受け、防衛省は自衛隊施設での民間人による政権批判の封じ込めを求める事務次官通達を出した。松崎氏は会場で会長の発言も聞いており、周囲に強い不快感を示していたため、「納涼祭でのトラブルも遠因になり、異例の通達につながったのでは」(防衛省幹部)との見方も出ている。  

 

松崎氏は7月27日の納涼祭に来賓として出席。帰る際に駐車場から約30メートル離れた場所に自分の車を呼び寄せるよう、車両誘導担当の隊員に要求した。だが、歩行者の安全確保策として片側通行にしていた道路を逆走させることになるため、隊員は松崎氏に駐車場まで歩くよう求めた。  

ところが、松崎氏は歩行者はいないとして車を寄せるよう指示。隊員が拒否したところ、 「おれをだれだと思っているのか」「お前では話にならない」 などと発言した。  

 

別の隊員が松崎氏の秘書が運転する車を逆走させる形で寄せると、「やればできるじゃないか」という趣旨の発言もした。誘導担当の隊員が「2度と来るな」とつぶやくと、松崎氏は「もう1度、言ってみろ」と迫ったとされる。こうした過程で、松崎氏が誘導担当の胸をわしづかみにする場面もあったという。  

松崎氏は産経新聞の取材に一連の発言をすべて否定し、「(隊員の)体には触れていない」と述べた。一方、「(受付を通り越して)駐車場でしか車を降りられないなど誘導システムが不適切だと指摘はした」と説明し、「隊員に2度と来るなと言われたことも事実。(自分は)何も言っていない」と話している。

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僕は多くの方々が多くの人々に貢献していると思っていますが、政治家は「国民から集めた税金」をどのように分配し、どのように利用するかを決める「国民の代表」でしかなく、彼らは偉いのでもなんでもない

 

むしろ、それができないのであれば「誰にも寄与していない」のである。

 

政治家として会議場にいるだけであれば、一体だれの役に立っているのだろうか?

(現場にすらいないのに・・・)

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なかのひと

政治家からの圧力というのがまかり通ると思っている。それは政治家が偉いという錯覚を多くの人がもっているにすぎない。政治家本人も。

 

そう僕は思います。

 

話が脱線しましたが、介護の問題も含め政治家の方々が「親身になって」考えていただけることを祈っています。

 

それでは、また。

コメント (3)
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産科医の当直は時間外労働:自宅待機も結構な自由の制限ですけどね

2010-11-20 19:04:03 | Blogを書く理由

こんばんは

 

今週も大忙しの毎日です。

 

看護師さんが「病棟の紹介」をするポスターみたいなものが、院内の廊下に貼られているのですが・・・。

 

○○病棟:~ですが、勤務は平均して17:30頃には終了

 

と書いてある病棟もあれば、うちの病棟のように

 

血液・○○病棟

4月~9月の緊急入院患者数110名…

 

・・・・・また、そんなこと書く。誰も来なくなるぞw

まぁ、昨日も緊急入院2名ありましたよ…。

しょうがないじゃない。内服抗癌剤で緩和ケアまで行えば、緩和ケアしている患者さん達の緊急入院は増えますよ。それ以外にも緊急が多いのに…

 

さて、そんなことを思いながら血液診療をやっております。

 

産科医割増賃金訴訟:「時間外労働」認定判決 県「直ちに実施、不可能」 /奈良

毎日新聞 11月17日(水)16時12分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101117-00000189-mailo-l29  

 

産科医師1.5倍必要 国に対策要請へ 

県立奈良病院(奈良市)の産婦人科医2人が、夜間や土曜休日の宿日直勤務に対し、割増賃金などの支払いを求めた訴訟の控訴審判決は、昨年4月の1審・奈良地裁判決と同様、勤務を割増賃金の対象となる「時間外労働」と認めた。判決を受けて、県庁で記者会見した武末文男・県医療政策部長は「直ちに(判決内容を)実施することは不可能」とし、国に労働環境の改善と救急医療の継続・維持への対策を要請する意向を明らかにした。【阿部亮介】  

 

現在、同病院には7人の産科医が勤務し、24時間体制で妊婦を受け入れている。県と同病院は今年7月に労使協定を締結。医師の時間外労働は年間1440時間を上限とし、特別な事情があれば協議のうえさらに360時間延長できるとした。 

判決によると、2人は1カ月平均9回弱の宿日直勤務をしているが、1回2万円の手当が支給されるだけだった。 

同病院はこの宿日直手当と時間外労働手当の併給方式を採用。すべて時間外労働とすると、法定労働時間や労使協定の上限を上回り、武末部長は「(昼夜の)交代制勤務が必要になるが、交代制には現在の医師が1・5倍必要。医師を増やすには10年かかる」と説明した。 

県は時間外労働の縮減に努めているが、深刻な医師不足の中で改善の見通しは立っていない。武末部長は「24時間365日急患への対応を求める医療法の宿直と、軽微な作業を前提とした労働基準法の宿日直を明確化することを国に求めたい」と話した。

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まぁ、当たり前の話ですが医師数はシフト勤務をするようになれば、現状でも不足しているのにさらに足りなくなりますよね

関連した記事でこちらの記事でも気になることを書いています。

 

「当直医も通常業務」 大阪高裁も労働時間認定 産科医の当直賃金訴訟

産経新聞 11月16日(火)18時30分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101116-00000607-san-soci  

病院の当直勤務を時間外労働と認めず、一律の宿直手当しか支給しないのは不当として、奈良県立奈良病院(奈良市)の男性産科医2人が、県に平成16~17年の時間外手当(割増賃金)の支払いなどを求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(紙浦健二裁判長)は16日、県に計約1500万円の支払いを命じた1審奈良地裁判決を支持、「当直勤務の全体が労働時間に当たる」として双方の控訴を棄却した。  原告側代理人によると、医師の当直全般を労働時間と認めた判決は高裁では初めて多くの公立病院では、業務の一部にしか時間外手当が支給されておらず、1審に続いて労働環境の見直しを迫る司法判断となった。  

 

判決で紙浦裁判長は、奈良病院で行われた16~17年中の分娩(ぶんべん)のうち、6割以上が当直時間帯だったと指摘。周辺の産科医不足から同病院に患者が集中し、土・日曜の当直を続けて担当すると、56時間拘束される場合もあったと述べた。  

 

こうした過酷な労働実態を踏まえ、割増賃金を支払う必要がない「断続的労働」には当たらないと判示。待機中であっても病院の指揮命令下にある労働時間にあたり、「当直全体で、割増賃金を支払う義務がある」と結論づけた。  

 

一方、救急搬送に備えて自宅待機する「宅直勤務」を時間外労働と認めるよう求めた原告側の主張については「医師らの自主的取り組みで、労働時間には当たらない」と退けたが、「現状のままでいいのか、十分検討すべきだ」と付言し、県知事や議会に実態調査と体制の見直しを促した。  

 

判決によると、奈良病院の産婦人科では、夜間や休日の当直を1人で担当。産科医2人は16~17年に、それぞれ約210回の当直についた。手術を含めた分娩への対処に追われ、通常勤務より負担感が重かったが、1回2万円の宿直手当しか支給されなかった。

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僕と後輩の二人で土日のバックアップを交代で行っています(最近そうしました)が、これは確かに自主的と言えば自主的にやっています

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと

僕が夏までの2年間、ほぼ自主的に毎週末病院に行っていたといわれれば、自主的な行動ですよ。確かに。

若手が僕しかいなければ、自然とそうなりますって…。 バックアップするというのが僕達にどれだけ拘束力があるかと言えば、いつ電話がかかってきても対応できるようにしているので、当たり前ですが行動半径は非常に狭いです。ついでに言うならば僕の場合は、趣味であるランニングなどもできず・・家で待機していることが多いです。

 

もしくは病棟でそのまま待機か・・・。

当直医に

先生、病院にいるなら当直代わってください(笑

などと言われたりします

 

バックアップも自主的と言われますが、かなり拘束力ありますよ。

それに自主的に行わなかったら、どうなると思っているんでしょうかね・・・?

 

今日、たまたま他の病院(都内某大学病院)に行っている医師と話をする機会がありましたが、

「血液内科は○○大学病院でも足りないらしいです。特に僕らくらいの年齢の医師が・・・」

と言っていました。

 

血液内科医が足りなくなるのは「やりがい」や「面白さ」はあると思いますが、やはり休みがなくてきついというのはあるのではないかと思っています。

 

若手医師が少ない。だから、知っている先生から「うちの大学に来ない?」と言われるのだろうけど・・・少し体制を立て直してほしいと思う次第です。

 

それでは、また。

コメント (4)
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