さて、続けます。
実はすごく眠かったのですが・・記事を書いているうちに目が覚めてきました。もう午前様だよ…とほほw
僕は医師を増やさないといけないと思っているのにはいくつかの理由があります。
デフレスパイラルに入ってしまったものを改善させるには、システムだけでなく実数の増加が必要だから。
もう一つはやはり絶対数が不足していると考えているからです。
デフレスパイラルと書いているのは、例えばわが血液内科(面白いんですよ、別に血液内科はよいところなんです)。
度々書いていますが、まず血液内科は急性白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液悪性腫瘍や再生不良性貧血などの造血不全、真性多血症や骨髄線維症などの骨髄増殖性疾患などを扱う診療科です。
こういうと患者さんたちには申し訳ないのですが、命にかかわるような疾患が多いと書かざるを得ません。
治療によって白血球数が低下(特に好中球が低下)すると感染しやすくなります。
体という城を守るために白血球という兵士が4000-8000は常に存在しており、いざというときは10000-20000まで増えて戦えるのにたいして、血液内科領域での化学療法を受けると好中球<1000は当たり前、ひどいと<100まで下がります。というか急性骨髄性白血病の治療ではこれも当たり前です。
そうすれば当たり前ですが抵抗力は非常に低くなり、感染した時にも予備の兵力(まぁ、余裕が全くない状況ですから)がありませんので、一気に持って行かれます。昔、今ほどよい薬がなかったとき・・・適切な対応をしなかったら発熱性好中球減少症の死亡率は7割にも上ったとされています。今はガイドラインで定められていますが、このような状況の患者が発熱して半日以内に治療がはじめられなければ、死亡率はやはりかなり上昇します。
そういった患者さんたちと一緒に戦っていくのは、いろいろな意味で注意深くないといけません(抵抗力が非常に低くなっていたり、患者さんの気持ちをいかに前向きにできるかというのも重要だと思っています)
そういった状況は医師、看護師ともにかなりストレスです。
それゆえ人が減っていくのだと思いますが、先輩方の話を聞くと前線でかなりの患者さんの数を抱えて頑張れるのは…やはり若いうちだけ。最近はその若手が減っていますから・・その上の先生方にも負担が増えていって・・・最終的には血液診療をやめられたりしてしまうとききます。
そうすると残っている人たちの負担はさらに増加し、ますます「面白くても、一生やっていくには難しい」と敬遠されてしまいます。
今週の最初のころ、うちの卒業生20年上の先生が講演(授業)に来た際にいってました。
「脳神経外科や胸部外科などで、臨床と家庭を両立しているやつなど見たことない。それほど大変ということだ」
今のままではその通りになってしまうと思っています。
今のシステムを改善しても、まずはある程度の医師数を増やさないといけません。100が20まで減っても、少しずつ改善させることはできるかもしれませんが、万一0になってしまった場合。誰が元の状況に戻すのでしょうか?
かなり難しいと言わざるを得ません。
あと、某A医大では研修医の研修中の進路を制限しています。これは以前にもどこかで書きましたが、基本的には「職業選択の自由」に抵触するような気がします。ただ、一生の仕事として制限しているのではなくて研修のみだから許されるのかもしれません。
これと同じようなことを医師に関して行うか。すなわち職業選択の自由を制限して、地域の制限や各診療科の選択を制限する。
という話もありました。
僕はこれには反対です。理由は「好きこそものの上手なれ」ということが一番です。
外科医を志して医師になったにもかかわらず、外科医になることを許されなかったらどうでしょうか?
僕はよく同僚とも話をしますが、医師は医師免許以外に何もないです。そこに制限をもうけられ、自分の道を進めなくなる可能性を考えると・・・医学部に入るのに二の足を踏みたくなります。
もしくはしょうがないのでまずはオーストラリアで研修するとかw
優秀な人材を流出させそうですね。
僕は今の日本の医療に関しては「医局制度改革」が必要だと考えている人間です。内容に関しては過去の記事にいくつかのっていると思います。
また、診療科の振り分けが必要なのであれば・・・きついところには追加のメリットを持たせるしかないでしょう・・・(多分、どこも十分な数がいるとは思えないのですが、特に少ないところに重点配分ですかね。産科などには行いましたが…ほかにも穴があきそうなところはあります)
そうやって少しずつメリットを増やして魅力的にするしかないと思いますけどね。
http://blog.with2.net/link.php?602868
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どうしても「選択しない」のならば「無理やり選択させて見せようホトトギス」みたいな考えが浮いてきていて、なんでかということを重点で書かれる方がいないような気がします。
すいませんが、寝不足のためか…若干頭が回らなくなってきました。一回眠ってからもう一度…まとめて書き直したいと思います。
それでは、また。
P.S
「どくとるマンボウ」の北杜夫さん死去
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111027-00000040-sph-soci
北杜夫さんも子供のころは昆虫学者を目指していたと聞きましたが、僕も実はそうでしたw
昆虫や生物全般が好きで、小学1年生から高校2年までは生物学者志望。
ついでに言うと作家も目指したいと思っていたりw