こんばんは
今日は少し早めに帰ってきました。なんとなーくですが、疲れていたので(笑
まぁ、緊急事態もなさそうだというのもありますし、雨が降りそうだったからというのもあります。
先程、ネットを見ていたら、結構刺激的な題名の記事が目に入ってきました。
4歳女児を“殺した”日本の医療 小児に危険な機器使用を強いる厚労省の怠慢
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150404-00010005-bjournal-soci
Business Journal 4月3日(金)17時52分配信
今年1月、4歳の女の子が脳死し、その肺や肝臓、腎臓が各地で移植を待つ患者のもとに届けられ、移植手術が行われました。実は、この女の子は「特発性拡張型心筋症」という心臓の病気で、彼女自身、心臓の移植を待つ身で、家族は移植の準備を進めて米テキサスの病院で受け入れが可能となり、移植への道が開けていたその矢先、容体が急変して脳死となってしまったのです。
特発性拡張型心筋症は「特発性」との文言からもわかるように、心筋が伸び切ってしまう原因不明の疾患で、心臓の機能が十分に果たせなくなってしまいます。女の子は補助人工心臓をつけていました。補助人工心臓が血栓をつくってしまい、その血栓が脳に移動して脳血管に詰まってしまったのです。
実は、女の子に装着されていた補助人工心臓は大人用のもので、子供が使用する場合は血栓ができやすいと指摘されていたのです。「小児用がないのだから仕方がない」と考えがちですが、世界にはすでに小児用の補助人工心臓があり、使用例もあるのです。
小児用の補助人工心臓はドイツのベルリンハート社製で、「血栓もできにくいため、海外では1990年代からすでに1500例以上も使われています」と、心臓の専門医は話します。
第一線の現場で「小児用の補助人工心臓を使いたい」との声は以前より挙がっており、日本では3年前から治験が始まっていたのです。結果は良好とあって、この夏にも認可されるところまで来ています。ただ、要望が強いことを受け、4月1日から臨床試験を行う医療機関は条件が緩和され、小児用人工補助心臓が使えるようになりました。小児用人工補助心臓使用の道が開けたとはいえ、あまりに対応が遅すぎるのではないでしょうか。
目の前に心臓移植が決まっている子がいるのに、安全が担保できない大人用の補助人工心臓を使い、治験中の小児用を使えなかったのは、なぜでしょうか。
日本は、医療では世界の先進国です。特に、がんの手術等ではナンバー1と評価されています。その国が、このような対応をするのは許されないように思います。補助人工心臓を必要とする小児は、毎年15人ほどいるそうです。その子たちの命を保証するためにも、あまりに遅いデバイスラグ(医療機器の承認が遅れること)は、すぐにも解決していく必要があります。
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まず、この女の子のご冥福をお祈りいたします。
機械でも薬でもそうだと思いますが、一定のリスクがあります。僕は申し訳ないのですが内科医で、しかもあまり人工心肺などは使わない(さすがにそんな状況では抗癌剤治療はできないと思いますので・・・。心臓の駆出率(EF)が30%以下の人に白血病の治療を何回かしたことはありますが、かなり大変でした。QOLも落ちますし)ので、この人工心肺でどの程度血栓症のリスクがあるかは存じません。
ただ、死亡率などは5%あったりするとかなり高いという印象があり、10~20%(造血幹細胞移植)あるようなものはかなり適応を考えます。同様にこの機械を使用するかどうかは主治医はよく考えただろうと思います。
この記事を書いた記者さんも「主治医」が悪かったとは思っていないと思いますし、書き方も異なります。実際に「デバイスラグ」があるとすれば、解消するに越したことはないだろうと思います。ただ、それは安全性が担保されていないといけないわけです。
まぁ、なんとなくですが、機械では大きな問題はないような気もしますが・・・。
ドラッグラグに関して、僕も早めに解消してほしいといつも思っています。ただ、それと安全性チェックをしなくてよいというのは別物だと思っています。
ある程度の安全性チェックはしたほうが良い(と、僕は思っています)。有効性ではなくて安全性のチェックは少なくともしたほうが良い…ですよ、僕の考えは。
簡単に書きますと日本で医療を提供されることが多い民族は「日本人」が多いと思います。アジア系のほぼ単一民族ですので、ヨーロッパなどと遺伝子が偏っていたりします。ある種の薬は効きやすかったり、効きにくかったり。濃度が上がりやすかったり、上がりにくかったり。
効きにくいのも困りものですが、濃度が上がって副作用が多いのも困ります。
だから、少なくとも安全性のチェックはしてほしいなぁと思っています。
効果がどうかということに関しては、もちろん検証が必要です。ただ、それによって使用するタイミングが遅くなることが問題であれば、使いながらの検証もできるかもしれないとは思っています。
その場合、効果がなかった薬を承認した、実際機械を導入してみたらもっと合併症が多かったとかマスコミさんが騒ぎ立てるなら、今のままでもよいのかもしれません・・・。
いや、もう少し早く使えるといいなぁ・・・・(汗
昔も新薬を待ち続けた人がいたしなぁ・・・・
ただ、この「4歳児を殺した」という表現から「デバイスラグ」などを早く解消したいという思いは伝わってくるのですが、早さ重視だけでなく、日本人が単一系民族なだけに安全性も重視しないといけないよねとは思っています(状況によっては副作用が全体的に目立つ可能性もあるので)。
ただ、他の疾患で使用できるのに、別の疾患では使えないというのはやめてほしいですね
こういうドラッグラグはできるだけ早く解消してほしいです
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。
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それでは、また。