こんばんは
今、帰ってきました。
実験をしているうちに午後9時過ぎになり、そのまま実験を継続していたら12時になるというお決まりパターンでした。
先日の京都での学会の話でいろいろコメントをいただきました(スルーしてくださいと書かれていたので、一応公開せずにスルーしましたが、よろしかったでしょうか?)。確かに乳児を連れて京都は辛いなぁ…と思いましたが・・・よく考えてみるとうちの嫁さんと娘は・・・夢の国に行ってらっしゃいます。風邪ひいて無きゃいいけど・・・と考えながら・・・京都は行かないけど、夢の国にはいくんだよなぁ・・・とちょっと思いましたw
さて、今日は九州がんセンターのHPからです。
国立がんセンターあるいは九州がんセンターの名称をかたった書籍タイトルの監修本について
国立がんセンターあるいは九州がんセンターの名称をかたった書籍タイトルの監修本について
株式会社「史輝出版社」から刊行されている「元国立がんセンター医師が実証!ガンを攻略するフコイダンの威力」また、「青山書籍」の「元がんセンター医師が実証!!ガンを直接攻撃する!このフコイダンの凄い力」という書籍について、その内容は九州がんセンターが研究したものでも認めたものでもありません。 監修者は平成6年6月1日~平成7年5月31日まで、整形外科の非常勤職員として勤務した事実はありますが、これのみをもって元国立病院九州がんセンター医師という誇大な広告をしています。
監修者及び本の内容等、当センターとはいっさい関係がありませんので十分ご注意ください。
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まず、個人的な考えでしかありませんが、免疫賦活化・・・を歌う様々な商品がありますが、おそらく全員に効くということはないと思います。もし、全員に一律に効くのであれば「癌免疫賦活化薬」というような位置づけで商品化されることでしょう。それこそドラッグラグですよ。
逆に全く効かないかといわれると、否定することはできません。だって、実証してないですし・・・。フコダインもいろいろ書かれていますが、結局実証されたものはなくて・・・だから薬になっていないのだと思います。恐らく、効く人には効く可能性はあると思います。将来的に「こういう形質、こういう遺伝子の異常のある人、ないガン細胞が主体の人であれば効く」などということはわかるかもしれませんが、全面的に押していくのは今は無理だと思います。
代替療法のような位置づけかもしれませんが、漢方薬などで転移性腫瘍が縮小したという報告はあります。十全大補湯や補中益気湯など補剤のグループでの報告だと思いますが、これはマウス実験などで「免疫調整作用」「NK細胞活性化作用」「液性免疫改善作用」など検証されていて、そういうことも起きる可能性はある・・・と思います。ただ、これだって「免疫賦活化作用があるから推奨」という位置づけではないです。僕も多重がんで血液腫瘍以外が緩和的な状況になった方に、多少良い効果があるように十全大補湯などを処方しました(調子はよくなったそうです。まぁ、そういう薬ですから)。ただ、それで劇的に効くと思って出しているわけではなく、この漢方薬は少なくともこの患者さんに対して悪い方向にはいかないだろうという形で、症状を少しでも緩和できるように出したという感じです。それでよい方向に行ったらラッキーと言えますが、全員に効くなどと口が裂けても言えないです。
がんの免疫も難しくて「特異免疫(これをターゲットにして攻撃)」がよさそうなものもあれば「自然免疫(自分ではないやつをやっつけよう)」がよさそうなものもありますし、腫瘍が周囲に「免疫抑制型」のリンパ球やマクロファージ(M2でしたっけ?)、単球などを集めているという報告はいっぱいあります(マクロファージは自分で論文引いたことがないもので・・・)
そういった「ガンの周囲」の影響や、がん細胞そのものの性質…さまざまなことを考慮する必要があります。
今回の本の件は「本を売り出すため」に「虚偽・・もしくは誇大広告」のようなものを行っています。しかも、こういう本を手にされたということは、何かにすがりたい、藁にもすがりたいという状況の患者さんやご家族がいて、その方々を対象にしているということが個人的には非常に悪質だと思っています。
恐らく病気でない人であれば「何をまた、眉唾な」と思うところを、病気であり、しかも一般医療では厳しい状況になった人を狙って、お金を巻き上げようとするような商法です。一部にはまともな人(会社?)もいるのかもしれませんが、こういうことがあるので注意が必要だと思います。
ちょっと気になったので書いてしまいました。
ついかで
「リンゴ病」患者報告数、6週連続増-最多の東京、一部地域で警報値超過
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150414-00000000-cbn-soci
ほおが赤くなることからリンゴ病とも呼ばれる「伝染性紅斑」の患者報告数が6週連続で増えていることが14日、国立感染症研究所のまとめで分かった。首都圏や東北地方からの報告が目立っており、都道府県別で全国最多となった東京都は「定点当たりの報告数は過去5年平均を超えた状態が続いている」と指摘している。【新井哉】
3月30日から4月5日までの週の全国の患者報告数(小児科定点医療機関約3000か所)は、前週比5%増の定点当たり0.46人となった。都道府県別では東京が0.95人で最も多く、次いで福岡(0.92人)、埼玉(0.88人)、石川(0.83人)、神奈川(0.75人)、千葉(0.72人)、青森(0.71人)、宮城(0.63人)、新潟(0.59人)、福島(0.57人)などの順だった。
東京都内では3週連続で増えており、北区(2.71人)などの保健所管内で警報基準値の2.0人を超過。また、前週に比べて14%増えた千葉県では、海匝保健所管内で警報基準値に達した。県内の年齢群別では3―7歳が多かったという。同県は「2014年以降報告数が多い状態が続いており、今後の流行状況に注意が必要」としている。
このほか、福岡県の福岡市城南区(5.0人)と同市早良区(2.4人)、新潟県の魚沼(3.0人)、埼玉県の春日部(2.17人)などの保健所管内で警報基準値を上回った。
伝染性紅斑の原因はヒトパルボウイルスB19感染で、10―20日ほどの潜伏期間の後に、ほおに赤い発疹が現れた後、手や足にも網目状の発疹が現れる。小児が感染してもほとんどが重症化せずに軽快する。
一方、成人では、ほおの赤い発疹などの特徴的な症状が出ることは少ないが、強い関節痛のために歩けなくなることもある。妊婦が感染すると、本人には全く症状がなくても胎盤を介して胎児に感染し、流産や死産となる可能性があるという。
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僕らだとどうしてもaplastic crisisを思い出してしまいます。溶血性貧血の患者さん、注意しておこう。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。
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それでは、また。