新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

勤務医の働く時間:残業時間は月80−160時間?

2018-12-13 22:23:30 | 医療

こんばんは

 

最近はICUに患者さんがいるので、6時半前に家を出ることが多くなりました。それ自体は苦痛ではないのですが、おそらくなると子供達の顔を見れなかったりするので早めに帰りたいぞ〜と思ったりしております。

 

今日は勤務医の働く時間に関するニュースが2つ出ていました。どちらも同じ内容なんですが、焦点が少し違うので紹介します。

 

毎日新聞からです。

勤務間インターバル、医師は「8時間」厚労省方針

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181213-00000074-mai-soci

12/13(木) 20:57配信

 

 厚生労働省は、勤務を終えてから次に働き始めるまでの間に一定の休息時間を設ける「勤務間インターバル」について、取得が義務付けられた医師の休息時間を「8時間」とする方針を決めた。夜勤後や宿直明けの場合は「12時間」とする。このような健康確保措置が義務付けられる医師については、残業時間の上限を年間1920時間とする案が出ており、年内に結論を出す方針。

 これまでの厚労省案によると、「一般的な医療機関の医師」はインターバルが努力義務にとどまる。一方、過酷な医療現場で長時間労働が想定される「地域医療に従事する医師」と「専門性や技能などを高めたい若手医師ら」はインターバルや連続勤務時間の制限などを健康確保措置として義務付ける。その場合、医療の質や医師の健康を維持する上でも最低6時間の睡眠が必要だと判断。インターバルは8時間、宿直明けなどの場合は12時間とし、連続勤務時間は36時間までとする。

 残業時間の上限については、健康確保措置の内容を定めたうえで年末までに決める方針。これまでの検討では、一般的な医師は休日を含め年間960時間とする。地域医療や技能を高めたい医師についてはインターバルなど健康確保措置を義務付けることで、上限を年間1920時間まで認める案を軸に検討している。将来的には一般的な医師の水準に近づける方向だが、一定の猶予期間を設ける形になる。

 6月に成立した働き方改革関連法は、一般労働者の残業時間の上限を「休日を除き年間720時間」と定めている。同じ水準で規制すると地域医療が崩壊する恐れがあることなどから、医師は2024年4月まで規制の対象外とし、個別に検討している。【酒井雅浩】


省略するところがなく、全文引用になってしまいました。

 

ツッコミどころが満載ですが

 

残業時間の上限が1920時間・・・・。1920を12で割ると160時間か。なかなか頑張らせますね。

 

過労死が増えるわけですね(笑

 

地域医療の崩壊が見えてきますね。これが決められたら、多分地域医療に従事しようという勤務医はいなくなるのではないかと思いますが、僕だけですかね?

 

僕も5年目、6年目とかはだいたい毎日病院にいましたし(土日、祝日関係なく)平日はだいたい16-18時間くらい働いていたと思いますが、平日に16時間ペースで働くと160時間くらいでしょうか。

 

・・・・まずい、できるかもと思ってしまった(汗

 

過労死水準は100時間ですから、余裕でオーバーさせるということで・・・(笑

 

国も横暴ですね〜。「地域医療を守るために死ね」と言っているようですので、僕だったら「誰がそんなところに行くか」と思ってしまうと思います。特に家族を持ってしまったら、家族のことを考えたらいけないですよね。

 

「法律でそこまでは許容だ!」と言われてしまったら、誰も地域医療関係で働かないのではないかと思います。

 

地域医療を守るどころか・・むしろ地域医療崩壊を早めるのではないかと思います。

 

いつも書いておりますが、可能であれば医師の集約化と時間的距離の短縮対策をした方が良いと思います。

 

多分ですけど、結局「ここは働いている時間ではない」とか、色々話が上がって「働いていない時間」とかになるのでしょうね。だいたい、病院にいる間に休んでいる時間の方が少ないですけどね〜。休む暇があったら仕事を終わらせて帰りたいですし。ご飯食べながら患者のデータをみるとか、次のことを考えていたり、調べたり・・・。よほどゆっくりできるときくらいのような気がしますけどねー。

 

共同通信は事実を書いた後に、一言

「妥当性はあるのか?」

勤務医、残業上限を年960時間

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181212-00000190-kyodonews-soci

12/12(水) 20:59配信

 

 医師の働き方改革を巡り、2024年4月から勤務医に適用となる残業時間の上限規制について、厚生労働省が将来的な上限を「年960時間」とする方向で検討を進めていることが12日、関係者への取材で分かった。地域医療提供体制の維持や技能向上を理由に、より長い上限が必要として、特定の医療機関の医師は当面、上限が年千時間を超える見通し。

 いずれも休日労働を含めた時間。年960時間は1カ月に換算すると80時間で、脳・心臓疾患の労災認定基準となる「過労死ライン」と重なる。千時間超は過労死ライン超えとなるため、妥当性を巡って議論となりそうだ。


この記事も省略できるところがなく、全文引用になりました(笑

 

妥当性に関しては皆様どう思われますでしょうか?

 

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また

コメント (4)
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