新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

急性前骨髄球性白血病の説明(患者さん用)

2017-12-03 19:34:51 | 患者さん用(説明の仕方シリーズ2017年版)

こんばんは。

 

まさか患者さん向け記事を書こうと思った日に、2人の方から急性前骨髄球性白血病(APL)の記事の依頼が来るとは思っておりませんでした(笑

 

せっかくいただいた話ですので、早速書かせていただきたいと思います。

 

 


 

〇〇さんは今回、痣が増えて、血が止まりにくいということで近くの病院を受診され、すべての血液の数値が少ない(汎血球減少と言います)ことから当院へ紹介となりました。

 

外来でもご説明しましたが、かなり血が止まりにくい状況だと思われましたので、すぐに入院して検査や治療を受けていただいております。

 

僕が外来から上がって来るまでに、いくつかの検査を受けていただきましたが、それで大体の結論は出てきました。

 

〇〇さんの病気は「急性前骨髄球性白血病(APL)」と言います。APLは急性骨髄性白血病の1つのタイプですが、その中では最も予後が良い、すなわち治りやすいと言われている白血病です(寛解導入率90%以上、長期生存率80%)。

しかし、その一方で治療が遅れると最も命に関わりやすいと言われています。

 

今回、血液検査では白血球が1400/µl、酸素の運搬能力を示すヘモグロビン(Hb)という数値が8g/dl、血小板という止血の働きをする数値が1.5万/µlとかなり減ってきています。

 

また、凝固系と言われている一度止血した部分を補強する成分(二次止血と言います)もおかしくなっており、フィブリノゲンという値が75mg/dlです。これがあったため、緊急で輸血を開始しております(フィブリノゲン 100mg/dl未満は一般でも輸血適応、播種性血管内凝固(DIC)がある場合・・・特に線容系:出血傾向が強いの場合は150mg/dlを維持するように輸血)。この異常のレベルを反映するFDPという数値は160と上昇しています。

 

骨髄の検査では芽球と呼ばれる赤ちゃんレベルの未熟な白血球と、その少し進んだ「前骨髄球」と呼ばれる白血球が合わせて88%まで増えていました。その中には特徴的なFaggot細胞と呼ばれる腫瘍細胞も含まれています。

 

 

このような情報からAPLと診断しました。APL細胞は「出血を起こしやすくする因子」を持っています。この腫瘍が増えるほど出血しやすくなり、治療が遅れると脳出血などを起こしてなくなる可能性があります(しかも血が止まらないので、手術すらできない)。そのため、治療は急いだ方が良いと思います。

APLの多く(95%)にはPML-RARAと呼ばれる遺伝子の異常が関係しています。今回、この遺伝子の異常がわかるまで待っていては治療が遅れてしまいますので、今の時点でAPLの診断のもと特効薬を使用した治療を開始したいと思います(PML-RARAは95%に陽性ですが、Faggot細胞があればほとんどはPML-RARAです。他に3つの遺伝子型がありますが、そのうち2つではFaggot細胞は出ないと言われています。出るのは最も稀なSTAT5B-RARAですが、普通はあり得ないと思います・・・普通は)。

 

APLの特効薬はATRA(ベサノイド)です。この薬が出るまではAPLは最も死亡率が高い、最も治療が難しい急性白血病でした。それは抗がん剤でAPL細胞を壊すと、中にある「出血を起こす因子」が体内にあふれ出てしまい、それで出血を起こしてしまうからです。

 

ATRAはAPL細胞に作用して、赤ちゃんと幼稚園児くらいのレベルで止まっている腫瘍細胞の成長を助けます。止まっていた成長が進み始めると、この腫瘍細胞は成長しきったのちに死んでしまいます。この薬でAPL細胞が死ぬときは出血因子を出さないのです。この薬が登場して、治療の成功率が格段に上がりました。

しかし、ATRAも万能ではありません。この薬だけでは必ず再発することもわかっていますし、成長したがん細胞が多すぎると「分化症候群」と言われる合併症が起きることがあります。

 

分化症候群は「成長したAPL細胞」から戦いを起こす物質(サイトカイン)が大量に放出されます。それにより肺炎のような症状(呼吸不全)や発熱、むくみなどが起きます(頻度は2.5~26%、死亡率は10%とするものもありましたが、最近の報告は3.4%となっています)。

 

そのため、白血球の数でATRAだけで行くのか、抗がん剤も併用するのかを決めます。白血球の数が少なければATRAだけで治療を開始しますし、白血球が3000/µl以上であれば抗がん剤も併用します。途中で増えてきた場合も途中で抗がん剤を使用します。これは分化症候群のリスクと出血死のリスクをうまく調整した結果、こういう治療計画になっています。

 

この治療で当初「完全寛解」という状態を目指します。これは血液の数値が正常化し、骨髄の中の芽球+前骨髄球が5%未満になることです(APLだけは芽球だけでなく、芽球+前骨髄球で評価します)。

その後はダメ押しの治療を行なっていきます。ダメ押しの治療を地固め療法と言います。

(地固め療法は最近は亜砒酸を併用した治療が主体ですが、まだ臨床試験中ですのでぼかさせていただきます。ただし、地固め療法は3コースです。今のJALSGの亜砒酸を使用した臨床研究は4コースです。国によっては2コースもあります)

 

一般的に抗がん剤を使用しますと、様々な副作用が出現します。最も重要な副作用は骨髄抑制と言われるもので、正常な血液が減って行くものです。今も数値が下がっている白血球(抵抗力)がさらに下がったり、貧血や血小板減少が進んだりします。貧血や血小板減少に対しては輸血で対応します。しかし、白血球は輸血することができませんので(顆粒球輸血もありますが、一般には行いません)、様々な予防策を行います。まず、白血球が下がってきたら抗菌薬や抗真菌薬を予防内服していただきます。さらにアイソレーターや無菌室などを使い感染予防を行います。それでも発熱することがよくありますが、その時はもっと強い抗菌薬などを使って治療を行い、抵抗力の回復を待ちます。

 

他に嘔気・嘔吐については制吐剤で対応します。ドラマのようにゲーゲー吐くということは普通ありません。あと下痢をしたり、髪の毛が抜けたりします。その他にも予想していない副作用が出ることがあります。

 

ATRAについても先ほどの分化症候群のほか、皮疹や中性脂肪上昇などいくつか副作用が出ることがあります。

今後使用する可能性が高い、亜砒酸(トリセノックス)も分化症候群(地固め療法ではあり得ませんが)のほか、心電図異常(QT延長症候群は突然死の可能性のある不整脈を起こすことがあります。

 

治療を行えば、治る可能性が十分にある白血病です。一緒に治していきましょう。

 


 

こんな感じになると思います。他の悪性腫瘍よりも治療をしなければ数日でなくなる可能性がある腫瘍ですので、治療をしないという選択肢はあまり与えることはないです。仮にそれなりの高齢者でも治療できると思います。亜砒酸もありますので。

 

維持療法に関してはこのタイミングでは言いません。寛解導入療法が最も重要ですので。その後、地固め療法を行うにあたって、全体の話をするか、全体スケジュールを書く際に、維持療法を記入してさらっと伝えるか。

 

維持療法については新しい臨床研究でも検討されていますが、ATRAの維持療法は高リスク群では行った方が良いという結論になりました。かといって、挙児希望があるとか、副作用で内服できないということがなければ使うことが多いような気がします。

 

亜砒酸の地固め療法をおこなった後、どの程度維持療法に意味があるのか・・・少し注目しております。

 

 

最後に、今後APLを発症するような方がいたとして、ご家族がもし病気を調べられてこのページに来たときにお願いがあります。

 

僕一人の経験ですら、治療に入る前に亡くなった患者さんが二人います。一人は出張中に診断され、自宅がある関東に帰ってから治療を受ける・・・と言われて、移動中の列車の中で脳出血というものでした(もう一人の方も他の病院で入院が長引いて、専門施設の搬送が遅れたケースでした)。

連絡を受けて待ち構えていましたが、途中の駅から救急搬送され、亡くなられ田という連絡をいただいたことがあります。この病気は治療を開始したら治る可能性がかなりある病気です。その代わり治療に入るまでが大変な病気です。

 

もしこの病気を遠くで診断された場合に、どこで治療を開始するかは重要だと思います。もし地元でなかったとしても、寛解導入療法だけでも受けてくることができれば良いのではないかと思います。

 

長くなりましたが、とりあえずおわります。このあとすぐ急性骨髄性白血病の記事を更新します。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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36 コメント

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まず問題ないかと (アンフェタミン)
2019-11-30 05:50:18
>かずまささん
おはようございます。コメントありがとうございます。

状況はだいたいわかりました。単位については推測できますので大丈夫です。

遺伝子検査も陰性化しているということですので、ひとまずいい状態になっているかと存じます。

先のコメントにも書きましたが、この治療法でどちらが良いというのはないのですが、高リスク以外ではATRAとアムノレイク(Am80)は差はない可能性があります。しかし、皮膚の副作用などは少ないと思いますので、アムのレイクで良いのではないでしょうか。

何か気になることがあればいつでもコメントをください。

また、コメントいただければと存じます。
返信する
維持療法(初診時データー) (かずまさ)
2019-11-28 17:09:21
先生
お忙しい中すぐに回答を頂き感謝しております。

診断の後、あれよあれよと治療が進んでしまい自分でも病気のことが良く理解できていないのが現状です。
そのため診察時にも何を主治医に聞いていいのかわかりませんでしたが、先生のブログにたどり着いたときは、目から鱗が落ちたような思いでホット致しました(笑)

初診時の血液検査です。
(単位が良くわからないのでそのまま書きます)
白血球 3.6
前骨髄球 59%
分節核球 1.5
リンパ球 38.5
赤血球 2.08
ヘモグロビン 7.5
血小板 53

遺伝子検査ですが、
正式名称はわかりませんが、
3クール終了後の検査でも確か
一番感度の良い検査でも未検出と、説明がありました。また髄注時、髄液も調べましたが問題ないとの説明があり今日に至っております。

来月初旬に検査があり
その結果をみてアムレイクを使用しての維持療法に入る予定です。

皆さんのように勉強不足でのご質問お許しいただけますか。
返信する
維持療法部分についてのみ (アンフェタミン)
2019-11-27 22:31:27
>かずまささん
こんばんは、コメントありがとうございます。

今年の4月から約半年の間、急性前骨髄球性白血病の治療をされていたということで、まずは治療お疲れ様でした。体調などはこれから少しずつ回復してくると思いますが、焦りすぎずに頑張ってください。

まず、細かい話になりますが、初診時の白血球数などリスク因子がどうであったかが1つ目のポイントになります。2つ目は治療終了時のPML-RARAという遺伝子検査(mRNA)が100未満になっている(多くの場合は検出感度未満)ことが重要です。

維持療法について結論だけ書きますと、上記の治療法での意義はまだ見出せておりません(APL212試験のレジメンでまだ結果が出ていません)。
しかし、トリセノックスを使用していない臨床研究(APL204)ではATRAとアムノレイクでは有意差は出ていませんが、ややアムノレイクが良い傾向でした。初診時の白血球が10000/µl以上の高リスク群ではアムノレイクの方が有意に再発が少なかったとされています。

アムノレイクを使用して悪いことはまずないと思いますが、どの程度の意味があるかはこれからになります。

日焼けについてはATRAと比較してアムノレイクが皮膚にあるレチノイン酸受容体γへの親和性が低いので副作用が少ないと期待されていたはずです。本当かどうかは不明ですが。

お答えになっていれば幸いです。

また、コメントいただければと存じます
返信する
維持療法について (かずまさ)
2019-11-26 16:25:13
先生、初めましてかずまさと申します。
男性54歳です。
今年の4月下旬に急性前骨髄球性白血病と診断され現在地固め治療が終わり先週退院しました。
今後の治療について、
もし迷惑で無ければ見解を聞かせて頂ければ助かります。
治療経過ですが
(寛解導入療法)
イダマイシン+キロサイド
地固め療法までベサノイド

(地固め療法)
1クール:トリセノックス25回
(15回目で急性虫垂炎で手術)
術後再開
2クール:ダウノマイシン+キロサイド
3クール:トリセノックス25回
(17回目でQT延長で1W休養)
4クール:髄注+マイロターグ2回

来月、再度マルク、体調確認後
維持療法(アムノレイク)
1クール(3か月)×8クール予定です。

アムレイクについて調べて見ますと
日本で開発され承認された薬と伺っています。
仕事柄海外への渡航及び海辺周辺での作業が多いため日焼けが気になります。
副作用に皮膚の問題が指摘されていましたが
先生はどう思われますか?
海外でこの薬に対する臨床データーはどうなのでしょうか?

また、初歩的な質問なのですが、
この薬を使用しての維持療法の先生の見解をお聞かせいただけますか。
返信する
お役に立てれば幸いです (アンフェタミン)
2019-01-26 06:15:22
>hmさん
おはようございます。コメントありがとうございます。

少しでもお役に立てたようであれば、嬉しく存じます。医師も患者さんに説明はできるだけしたいのですが、医師の数も少なく患者さん1人にかけられる時間が少ないので、どうしても最低限の話になることが多いです。

お互いに体調に気をつけて頑張っていければと存じます。

また、コメントいただければと存じます
返信する
ありがとうございました。 (hm)
2019-01-23 21:37:39
医師という忙しい日常にもかかわらず素早い対応ありがとうございました。
色々と答え難い立場の中でわかり易く説明して頂き本当に助かりました。
お陰様で必要以上に心配する機関を送らずに済みそうです。
主治医の先生も限られた時間の中できちんと対応して頂けましたがその時点では聞き切れない事が後からどうして気になってしまい相談させて頂きました。
本当にありがとうございました。
因みに僕は40代前半です。
若い頃は激しい運動もしており体力には自信が有りましたが40歳を過ぎてからに肉体の急激な老化を幾度も実感して来ました。
アンフェタミン先生も体調には充分に気を付けて下さい。
返信する
普通は再発ではないと思います (アンフェタミン)
2019-01-22 22:19:06
>hmさん
こんばんは、コメントありがとうございます。

アムノレイクの維持療法中ということでよろしいでしょうか。

基本的に血小板数は正常値ですし、普通は気にしません。抗がん剤治療後などは一時的に血小板が高めになった後、下がってくることは良くあります。正常範囲内で推移しているので気にする必要はないと思います。

イダマイシンなども用いていますので、白血球数がベースより少し下がるのも予測の範囲内で良いかと思います。

PML-RARAの定量で検出せずか定性で検出せずかで意味合いが少し異なりますが、そのタイミングで再発する可能性はほとんどないので、治療の副反応(もしくは少し骨髄が弱り気味)という可能性が高いと思います。

少し心配かと存じますが、様子を見ていただければ大丈夫ではないかと思います。僕は主治医ではないのでなんとも言えないのですが、経過だけ聞くと再発の可能性はほとんどないと思います。

また、コメントいただければと存じます
返信する
Unknown (hm)
2019-01-22 21:57:51
こんばんは。
以前も相談させて頂きましたhmです。
お陰様でその後地固め治療も順調に進み今月から維持治療に進む事が出来ました。
経過としては11月いっぱいでトリセノックス、ベサノイドによる地固めが終了しました。
年明けから念願の職場復帰も果たしましたが今回の血液検査結果が余り良くなかったのでまた相談させて頂きました。
地固め治療後の結果は以下の通りです。
採血結果
12月20日
白血球 4700
血小板 257000
赤血球 4450000
骨髄検査 PML/RARα ケンシュツセズ
1月8日
採血結果
白血球 3800
血小板 232000
赤血球 4380000
と少し低下していましたが12月の骨髄検査が異常無かったので問題ないと言う事でした。
そしてアムノレイク14日間服用後の
1月22日
採血結果
白血球 3200
血小板 207000
赤血球 4580000
と赤血球以外は更に低下していました。
主治医の先生はアムノレイクでは血球は下がりにくいので少し気にしてはいましたが約1カ月後の採血まで様子を見ようという事でした。
骨髄検査で異常が無くても約1カ月後に血球が低下するという事は薬による副作用で 一時的な低下でしょうか?
それとも早くも再発も考えられるのでしょうか?
因みに治療経過は3月20日から寛解導入。
約1カ月後の検査で血液学的寛解。
地固めは5月7日から各月でトリセノックス20日、ベサノイド15日の1クールを4セット。
1クール目が終了後の6月14日の骨髄検査で遺伝子異常もケンシュツセズになりました。
その後の3クールも順調に経過していたので安心していました。
もし迷惑で無ければ見解を聞かせて頂ければ幸いです。
返信する
将来は主流になるかと思います (アンフェタミン)
2018-10-14 06:01:22
>Naoさん
おはようございます。コメントありがとうございます。

ATRA+ATOの治療成績は海外のものがありますが、非常に良い成績です。そのため併用できないATRAとATOを併用できるようにするための臨床試験はされております。また、日常臨床でも外来でATRAを処方して置いて、入院でATOを使うようなやり方もされていると思います。

一般的な抗がん剤の副作用が少ないのはこの治療法のメリットだと思います。効果も高いのであれば将来的に主流になると思います。

誕生日コメントありがとうございます。40代になりましたので、ますます頑張りたいと思います。

また、コメントいただければと存じます
返信する
FBMTG APL2017プロトコール (Nao)
2018-10-13 11:56:38
先生、こんにちは。
APL発症から2年が経ち、現在維持療法5クール目に入りました。
アムノレイクは毎回若干の副作用はありますが、それなりに続けられています。
おかげ様で、発症からずっと発熱してない記録継続中です(^^;

ところで、最近ATRAとATO併用の治療をしている方が増えてきていて、不思議に思っていたところ、新たな臨床試験の存在を知りました。

福岡血液骨髄移植グループ(FBMTG)の
http://www.f-bmtg.jp/index.html
FBMTG APL2017です。
http://www.f-bmtg.jp/data/apl2017_sp.pdf

ATRAとATO併用です。それも寛解導入から。
個人的には、この治療法が選択肢にあったら、これを選びたいです。

もしお時間ありましたら、先生のご意見も聞かせていただければ嬉しいです。
これに近い治療をしている私としても、この治療が主流になるといいな・・と思っています。

急に寒くなってきました。
お忙しいと思いますが、お身体に気を付けて頑張ってください。
そして(もうすぐ?)お誕生日おめでとうございます(^O^)/
40代楽しいですよ!ますますのご活躍を♪
返信する
いつでもどうぞ〜 (アンフェタミン)
2018-10-07 05:50:55
>麦さん
おはようございます。コメントありがとうございます。

何かご不明な点や気になることがございましたら、ご遠慮なくコメントをいただければと存じます。

また、コメントいただければと存じます
返信する
いろいろありがとうございます ()
2018-10-04 23:08:12
お礼が遅くなり大変申し訳ありません。
お忙しい中、すぐに対応して頂きありがとうございます。

髄注、維持療法について、とてもわかりやすいコメントありがとうございました。
ベサノイド・トリセノックスを中心とした治療をされている方の情報に触れる機会がなく、アンフェタミンさんのコメントを拝読し、これからも主人共々、さらに力強く前に進めます。

また何かありましたら、コメントさせてください。よろしくお願いいたします。
返信する
対処しております (アンフェタミン)
2018-10-04 05:10:18
おはようございます。コメントありがとうございます。

個人の特定ができそうなに情報が入っているという件に関しまして、コメント非公開処置を取らせていただきました。

コメント内容など確認しておりますので、ご安心いただければと存じます。

また、コメントいただければと存じます
返信する
先駆的な治療です (アンフェタミン)
2018-10-02 22:52:32
>麦さん
こんばんは、コメントありがとうございます。

APLの一般的な診療に関してですが、ATRA(ベサノイド)と亜ヒ酸(トリセノックス)の併用療法で治療をしているのであれば、先駆的な治療を行なっており、日本だと保険で引っかかるような気がします。

実際にやっている施設はありますし、成績は良いと言われているので、悪いとは思いません。おそらく、僕が思っているレジメンでの治療だと思います。

まず、日本の臨床でその治療法を標準としてやっていないので、条件が異なりますが、国内の白血病治療の研究グループに所属している施設では「違う治療法」ですが、地固め療法の3コース目に髄中は入ります。APLの患者さんでも中枢神経浸潤や再発は一定レベルでありますが、高リスク(5.5%)と低リスク(2%未満)に別れると言われています。高リスクをどれとするのかは見解が分かれますが、白血球が多かった患者さんやCD56やCD2の発現がある場合はリスクが高いと言います。欧米のある臨床試験グループではそのため低リスク群では髄注は不要と言っているものもあります。

維持療法も亜ヒ酸を使用しているため、必要かどうかもわからないというのが実際だと思います。

維持療法は地固め療法を2コースくらいで終わっていたフランスの研究グループで有益とされ、日本のグループでも維持療法の有益性は示されました。ただし、亜ヒ酸ではなく、普通の抗がん剤を用いた地固め療法です。

地固め療法を4コース行い、かつ亜ヒ酸を用いているため維持療法が必要かどうかわからない(不要の可能性がある、特に低リスク群では)。

一般には上記のような理由から髄注は行いますし、維持療法もしますが、それは治療法が異なっているので他の患者さんたちと同じとは言えないというのが事実だと思います。

病院の経験数が本当に2例かはわかりませんが(主治医の先生が2例では?)、やっていることはかなり先駆的な治療をされているのだと思います。

同じ治療は僕もやったことはないですので(大きな病院だと、多分日本の研究グループの治療法でやると思います)、それ以上のコメントは難しいです。

お答えになっていれば幸いです。

また、コメントいただければと存じます
返信する
亜ヒ酸は使用するべきだと思います (アンフェタミン)
2018-08-17 22:03:53
>あいちゃんさん
こんばんは、コメントありがとうございます。

亜ヒ酸を使用した地固め療法はすでにアメリカで有効性が示されています。亜ヒ酸を初発のAPLで使用した研究では、亜ヒ酸を使用すると3 年 無イベント生存率(EFS) 80%、全生存率(OS) 86%、無再発生存率(DFS) 90%に対して、亜ヒ酸を使用しなかった群では EFS 63%、OS 81%、DFS 70% (p<0.0001, p=0.059, p=0.0001)とされています。

マイロターグ(GO)はJALSGの研究の一つのポイントで、APLでは有効性が高いとされているGOを加えることでさらに良い成績を出せるのではないかというものです。亜ヒ酸だけでも成績は良いのですが、臨床研究の場合は必ず使用すると思います。主治医の先生によく確認してみてください。

髄注のタイミングは地固め療法の最終コース前が多いです。基本的に急性骨髄性白血病の中枢神経浸潤は5%であり、多くは単球性やt(8;21)を伴う急性骨髄性白血病です。APLは再発時に中枢神経浸潤が比較的多いとされていますが、そもそも稀なため初回治療では1回しか確認されません。

副作用を抑える方法は亜ヒ酸では電解質管理などだと思いますが、どこの病院もきちんと管理すると思います。他の対応は基本的に血液内科はきちんとやるはずですので、患者さんとして気にしていただくのは主治医の先生とよく話をして、信頼関係を構築することだと思います。

また、コメントいただければと存じます
返信する
Unknown (あいちゃん)
2018-08-16 14:09:22
お忙しい中、早い返信ありがとうございます。
お日にちかかると思い、先程確認した所、翌日ご返事下さり驚いています。

あと2点だけ教えて頂きたいです。
亜ヒ酸を使用する地固めなのですが、マイロターグは必ずセットでしょうか?

また髄注するタイミングや副作用を抑えれる方法などあれば知りたいです。
返信する
おそらくJALSG参加施設です (アンフェタミン)
2018-08-15 00:01:14
>あいちゃんさん
こんばんは、コメントありがとうございます。

地固め療法に関してですが、まずJALSGという日本の白血病の臨床研究を行なっているグループに属する施設(ほとんどの大学病院、大病院)はそれに準じた地固め療法を行なっているはずです。

地固め療法の1コース目と3コース目に亜ヒ酸を、4コース目にマイロターグを使用しているのはJALSGに参加している施設だと思います(2013年から始まった臨床研究)。

基本的に再発・難治に亜ヒ酸が保険適応ですが、初発から使用した方が成績が良いことがわかっていますので、そうでなくても何らかの方法で亜ヒ酸を入れる施設が多いのではないかと思います。

地固め療法の回数が異なるのは、2013年以前かどうかということもあるかもしれません。それまでのJALSGのAPLの治療は地固め療法が3コースでした。亜ヒ酸は確か2008年頃に出た薬ですので、それまでは使用しておりません。また、諸外国は昔は地固め療法が2コースで維持療法というところもありましたので、色々参考にする文献や患者さん背景で異なると思います。

参考になれば幸いです。

また、コメントいただければと存じます
返信する
地固めの回数や種類について (あいちゃん)
2018-08-14 16:03:46
こんにちは。
とても分かりやすい説明ありがとうございます。
気が動転する中、こういった文面で見ると落ち着いて読み考える事が出来ます。

地固めについて教えて頂きたいです。
他の患者さんのブログを見ると回数や使うものが様々で驚いているのですが、亜砒酸を使うかどうかやマイロターグを行う基準のようなものはあるのでしょうか?

お時間あれば教えて頂きたいです。
返信する
参考になれば幸いです (アンフェタミン)
2018-06-24 08:36:05
>hmさん
おはようございます。コメントありがとうございます。

まず、APLに関しては白血球などの数値が下がって行くことが多い白血病です。ただ、治療開始までに出血により命を落とす方がいらっしゃるので、最初の治療を開始するまでが非常に重要です。
今回、健診で血小板が低下したり(おそらくDICがあまり起きていない)、出血リスクが高かったりする状況でなく治療に入ることができたのは、良かったと思います。

寛解導入療法に関して、イダマイシンを1日おきに5回というのがちょっとよくわからない(間違いではないと思うのですが、カルテなどを見させていただいたわけではないので)のですが、ATRAを用いて白血球が増えてくるようであれば抗がん剤を併用にすることがあります。

トリセノックス(亜ヒ酸)+ATRAというのは海外ではやられております。日本国内でも臨床試験以外でどのようにしてそれを行うか(本当は亜ヒ酸は保険では「再発難治のAPL」に適応がなっています)が問題提起されていますが、主治医の先生は海外の治療成績が良いことを知っておりますので、そういう治療をされているのだと思います。

なお、日本国内ではJALSG(日本成人白血病の臨床研究グループ)に大きな病院は参加していますので、それに準じた寛解導入療法や地固め療法をしている施設が多いと思います。わかっていても大学病院でフレキシブルな治療は難しいと思います。

白血球数に関してですが、APLは意外と骨髄抑制が響いてくることはあります。僕が10年くらいまでに治療した患者さんも骨髄抑制が強く、白血球3000/μlがベースになりました。当時の地固め療法だと、亜ヒ酸がないので、3コース目の地固め療法をやったときは(当時は死亡率が3コース目だけ高いということで、JALSGから注意喚起が来ていたりしました)G-CSFで頑張って立ち上げたりしていました。

もしかすると血球数が少し低めというのも亜ヒ酸+ATRAにしている理由かもしれません。この治療であれば骨髄抑制は弱いので、その数値でもあまり問題にならないと思います。

お返事の順番が逆になりましたが、参考になれば幸いです。

また、コメントいただければと存じます
返信する
血球回復、地固め治療について (hm)
2018-06-20 10:31:02
初めましてhmと申します。
男性42歳です。
3月19日に骨髄検査をして急性前骨髄球性白血病と診断され現在地固め治療中です。
病気と向き合うに当たりネットを検索していたらこのサイトに行きつきました。
もし迷惑で無ければ見解を聞かせて頂ければ幸いです。
発見のきっかけは3月8日に会社の健康診断があり3月14日に白血球の数値が1500と異常に低いと会社に連絡が有りました。
他の血球は基準値の下限近くでしたが外れてはなかったので、その時はそれほど重大には感じていませんでした。
産業医との面談を経て近くの総合病院で再度検査する事になり3月16日に血液検査をしました。
検査結果は採血を2回行いましたが健診と変わらずで後日、血液内科で骨髄検査を受ける事になり予約を済ませ帰宅しました。
帰宅後にしばらくすると総合病院から電話が有り末梢血に僅かに腫瘍細胞が確認され白血病の可能性があるので、出来るだけ早く専門の病院で検査する事を勧められ紹介状を書いて頂きました。
週末を挟んで3月19日に紹介された病院で血液検査を実施しました。
結果が出るまで3時間位、掛かりました。
その時点では多分、白血病ではないが何か他の血液の病気の可能性があるので念の為、骨髄検査はやりましょう。と言われ一度は安心しましたが実施した所、まさかの発覚でした。
その時に先生からは発症してから間もないので血液検査では判別出来ないレベルで血球的には健康診断の時点で発症してまだ1ヶ月も経っていないだろう。
進行が速い病気で治療が遅れるほどリスクが高くなるので本当に良い時期に健診がありましたね!と言って頂きました。
自分自身、自覚症状が殆ど無かったので、こんなに元気なのに病気と言われてもピンと来ませんでした。
翌日から入院して寛解導入でATRAを60日服用、
入院の翌日から1日おきにイダマイシンを5回投与しました。
血球の回復を待ち4月18日に一時退院して5月7日から再度入院して地固め治療をしています。
地固め治療の内容はトリセノックス20日とATRAの組合せを4セットです。
地固め最初の1セットは入院で行いましたが副作用とかの問題が無かったので次回からは通院で行うとの事で7月からの治療に向けて療養中です。
ここで質問です。
1.寛解導入時の血球低下で白血球が600、血小板が0.4まで低下しました。
その後、回復が遅く20日後の血液検査では白血球1500,赤血球282でした。
血小板は回復しているので大丈夫だと言われ、更に約1週間後に血液検査を実施。
白血球2500、赤血球330まで回復していたので地固め治療に移行しました。
地固め治療1セット目が終了して約2週間経過後に行った血液検査では白血球2700,赤血球360,ヘモグロビン12.1と基準値の下限までも達していません。
主治医の先生はFLT3では無いのと、血球数に関しては問題無いレベルで治療も順調とは言って頂けてますが他の方と比べると回復がかなり遅い様で気になります。
2.あと地固めでトリセノックスとATRAの組合せの4セットを実施されている方はブログとかで見る限り見当たりません。
身体の負担も少ないし外来での治療も可能、抗ガン剤としても他の物と同等以上とは言って頂けてますが大きな副作用とかが無いので逆に本当に効いているのか、骨髄検査の結果が出るまではやはり気になります。
まとまりの無い文章で長文になり申し訳ありませんが上記の1.2に対して見解をして頂ければ幸いです。
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人間関係作りだけで良いと思います (アンフェタミン)
2018-06-17 10:48:37
>みーちゃんさん
こんにちは、コメントありがとうございます。

退院の不安を和らげるお役に立てたのであれば幸いです。

トリセノックスに関してはQTc延長が気になるところですが、そこは医療従事者が対応しますので、患者さんはあまり気にしすぎなくて良いと思います。

主治医との人間関係を作ることが重要だと思います。

また、コメントいただければと存じます
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トリセノックスについて (みーちゃん)
2018-06-12 12:00:35
ご返信ありがとうございます。
安心して一時退院期間過ごすことが出来ました。

トリセノックスが10mgを今投与されています。
この時期の注意点などありましたら、教えていただきたいです。
宜しくお願い致します。
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普通の人と同程度で良いかと (アンフェタミン)
2018-06-03 22:41:47
>みーちゃんさん
こんばんは、コメントありがとうございます。

APLの治療であれば、白血球が回復してきたらあまり気にしなくて良いと思います。普通の人が避けるものを避けたら良いと考えます。
このあたりのことが病院や医師によって考え方が異なりますが、今のところ僕と僕の患者さんは困ってはいません。

他の病気や他の治療では、いろいろ調整が必要なこともあります。APLでATRAや亜ヒ酸の治療主体ならば・・・という感じです。

また、コメントいただければと存じます
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ご回答、丁寧にありがとうございます。 (みーちゃん)
2018-05-31 22:52:42
丁寧にご回答ありがとうございます。
詳しく教えて下さり、安心しました。

お医者様と話し合い、マルクの詳細の結果が出るのを待ち、月曜スタートになるように1週間退院期間後に、地固めを始めることになりました。

ベサノイドを49日間服用後に、亜砒酸の地固めを始めます。

退院中に注意する事などはありますでしょうか?

白血球も正常になってるのですが、生ものなどは大丈夫でしょうか?

また、どなたかのブログで焼肉屋さんのタレ(自家製のようなもの)は菌があるので市販のものを買って持っていったと書かれていたのですが、どの程度注意が必要なのか教えて頂きたいです(> <)

宜しくお願い致します。
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Unknown (アンフェタミン)
2018-05-29 22:15:57
>みーちゃんさん
こんばんは、コメントありがとうございます。

APLの治療方針、主治医のお二人の意見が少しずつ違う時になりますよね。
僕はすべての情報を知っているわけではないので、細かいことは言えませんが、どちらの選択肢も間違いではないかと思います。

まず、奥様の言われている「寛解を確認したらすぐに治療」というのは素直な意見です。実際、この亜ヒ酸の臨床研究もそういう話になっていたはずです。

ただ、一般臨床でという話であれば、APLであればATRA(ベサノイド)を内服させて、少し体力を回復させる・・・という選択もありだと思います。

治療開始からの経過日数にもよりますが、ATRAは60日目までいけますので、少し休養を兼ねて内服治療を継続したまま地固め療法までの期間を退院して過ごすという考え方も理解できます。

根底にある考え方が何かということではないかと思います。旦那さん医師の考えは「一般臨床」として、患者さんの回復期間を作ろうというものだと思います。ちなみに、APLではない白血病であれば、地固めは僕もすぐに行います。地固め療法の2コース目は少し間をあけます。APLだと60日の内服中に再発してくることは稀(というか、普通はその期間ではないと思います)なので、考え方としては理解可能だとおもいます。

医師にも色々な考え方があると思いますので(ちなみに既に60日くらい経過しているのであれば、そのまま地固めの方が良いです)、ご主人と良く相談していただければと存じます。

また、コメントいただければと存じます
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寛解から地固めをどのタイミングでスタートするのか知りたいです。 (みーちゃん)
2018-05-28 23:18:42
丁寧なご説明で病気の事が分かりやすくて、不安が和らぎました。
身内が急性前骨髄性白血病になり、不安で病気を調べていた所、こちらを見つけました。

状況は今週中にはマルクで寛解したかを確認する状態です。
最新の血液検査の結果は
白血球
31.4(40〜90正常値)
ヘモグロビン
10.5(13〜17正常値)
血小板
60.9(15〜35正常値)
になります。

病院に行くタイミングが遅くなり、先生からも高リスクと言われ、日々不安でしたが、無事にマルクを今週する予定です。

お医者様からは
地固めが
1コース 亜砒酸
2コース ダウノマイシン キロサイド
3コース 亜砒酸
と聞いてるのですが、

主治医がご夫婦でされていて、おふたりの意見が違い、戸惑っています。

旦那様の方は楽天的でざっくりとした回答しかなく話を聞いても不安を感じます。

奥様の方は最悪のケースを一緒に伝えて下さり、地固めも高リスクの為、間隔をあけずに1回目はした方がいいので、寛解したらそのまま入院で地固めをしようと言ってくださいました。

同じブログで他の方も間隔をあまりあけずにされていたので、ご提案に賛同したのですが、金曜に旦那様が血液検査の結果を持ってきてくださった際、寛解したら一時退院と言われたので、奥様がそのまま地固めすると言われましたと伝えました。

その時、旦那様はそうなの?と言われてたのでお2人で話し合われないと感じました。

そして、今日、月曜で血液検査の結果を夫婦揃って持ってきて下さったのですが、
寛解したら、一時退院で、1.2週間して、病室が空いたタイミングで地固めすると言われました。

前回聞いた話と違い不安になり再度確認し、早く始めたいことを伝えたのですが、1週間位退院で病室が空いたタイミングと言われました。

低リスクの方でも2.3日の外泊ですぐ地固め①をされているので、不安になりこちらにコメントさせて頂きました。

寛解から地固めまでの時期の目安や、地固め①、②、③の理想の間隔などあれば教えて頂きたいです。

宜しくお願い致します。
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亜砒酸をベースにした治療を行います (アンフェタミン)
2017-12-18 06:17:16
>ゆきちさん
おはようございます。コメントありがとうございます。
再発時の治療に関してですが、おそらくAPL205Rから変わっていないと思います。

亜砒酸による寛解導入療法、地固め療法(2回だったような)をおこなったあとに大量キロサイド療法を用いた治療を行い、この治療中に末梢血幹細胞採取を行います。そして自家末梢血幹細胞移植ができる人(十分な幹細胞が取れた+幹細胞源もPML-RARA mRNAが陰性)は自家移植というようなプロトコールだったはずです。

PML-RARAが陰性にならない場合は同種移植を検討すると思いますが、最初から同種移植は行わないと思います。

また、コメントいただければと存じます
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ありがとうございました (ゆきち)
2017-12-17 16:54:53
丁寧な説明ありがとうございました。手元の本にはLALAがでたら3ヶ月以内に再発するとあり、ちょっとびっくり。再発した場合の治療について教えて下さい。次の治療は、本には亜砒酸でとありますがそれでまた寛解に至ればそのまま様子を見ていくのでしょうか。それとも、引き続き必ず移植になるのでしょうか?

APLの再発の最近の治療についてもしわかりましたら教えて頂ければと思います。
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数値よりはトレンドを見ます (アンフェタミン)
2017-12-13 21:04:46
>ゆきちさん
こんばんは、コメントありがとうございます

WT-1 mRNAが低い値でウロウロしているくらいならば警戒するだけかもしれません。
また、AML1-ETO(t(8;21)転座の遺伝子変異)などだと、mRNAが陽性になっても再発とは関係ないというデータもあります(昔のやつですが、確かに関係なさそうです)。

PML-RARAが陽性になったら・・・というとちょっとわからないのですが、僕は陽性になった患者さんはやはり再発してしまいました。
基本的にこれらのマーカーが二度続けて上がったら(3点測定し、上昇傾向と判断したら)再発疑いで動き出します。数値よりもトレンドを見ます。

上がったり下がったりだったら、少し様子を見るかもしれませんが、維持療法中ならば、それも考慮して検査などを組み立てると思います。

また、コメントいただければと存じます
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Unknown (ゆきち)
2017-12-13 12:22:41
ありがとうございます。以前血液検査で異常な細胞の数値が少し出ていて再検査で異常なしとなったことがありますがRARA検査も一度陽性になったとしても数値が増えなければ寛解維持できていると判断され数値が微量ならしばらく様子をみるなんてことがあるのでしょうか?

患者も家族も数値が少しでも出ると即再発かと焦ります。先生の説明から数値の変化をみる期間があるように読みとれます。陽性になったとしても数値が少しなら慌てなくてもよいということでよいのかなと。そのあたり大変気になる所です。宜しくお願いします。
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ありがとうございます (アンフェタミン)
2017-12-12 05:14:15
>ゆきちさん
おはようございます。コメントありがとうございます。

まず、維持療法の継続という治療方針が決まったということで、良かったと思います。教えていただきまして、ありがとうございます。

M3vについては1つ目は、通常のM3が顆粒が大きくて多いという特徴がありますが、M3vは顆粒が細かい(小さく)。2つ目の特徴として白血球数が異様に多くなることです。パッとは出てきませんが、昔の記憶だと中央値で白血球数が7万とか8万くらいの報告があったような気がします。
何か遺伝的な要素はあると思いますが、PML-RARAの異常というのは変わりません(Faggot細胞も認めますし、15番と17番の転座です)。

WT-1 mRNAは月に1回測定できる急性骨髄性白血病や骨髄異形成症候群の病状把握のマーカーになります。PML-RARAで見ているのはAPLの方だけです。

臨床研究(JALSGの)の場合はどうなっているか、後日確認いたしますが、汎用性があるものと特異的なものの違いになります。保険が使えるかどうかもありますが。

どちらも数値が増えてくるようであれば血液学的な再発が近いと判断すると思います。

また、コメントいただければと存じます


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取り上げて下さってありがとうございます (ゆきち)
2017-12-11 18:55:34
少し前にAPLの維持療法についてご相談させて頂いたものです。あれから頂いたアドバイスを参考に主治医と相談した結果、肝臓の数値も気になるが、続けた方がベターだろうとのことでベサノイドを継続することになりました。ご報告と御礼をと思っていましたところこうして、APLを取り上げて下さり感謝です。

とてもわかりやすいです。受診のわずかな時間では不安や疑問について聞くことも難しいです。ですからこういう形で伺うことができ私たちにもわかりやすい説明をして下さるこの『患者向け』の記事は本当にありがたいです。

できれば、M3vについて、教えて頂けたらありがたいです。M3とどこがどう違うのでしょうか?

また、検査の方法ですがWT1という検査で経過を見ている方とRARA検査で経過をみている方もいますね。どうちがうのでしょうか?

また、再発は、それらの検査でどう判断していくのでしょうか?

また、教えて頂けたらありがたいです。よろしくお願い致します。


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JALSGの情報が見れなくて (アンフェタミン)
2017-12-04 22:10:32
>Naoさん
こんばんは、コメントありがとうございます。

Naoさんの初診時のデータは確かにすごくいい状態で見つかったのだろうと思います。だいたい、かなりのDIC(播種性血管内凝固)の状態で受診されますので、急いで治療になります。
医療従事者はかなり焦って、早く来いと思っているのに、患者さんは家族が集まってから受診されたりして(すごく、心配するんですよ。僕なんかは)。

一度も輸血をしなかった患者さんは僕はみたことはありません。新しいJALSGの臨床試験になってからは僕は主治医としてあまり関わっていない(お一人だけ登録しましたが)です。以前と比較すると亜砒酸を使用した地固め療法ではあまり輸血をしなくて良いかもとは思っております。

維持療法に関しては対応できるならばした方が良いと思います。効果についてはやってみないとわからないです。やらなくても治っているかもしれません。ただ、やらなくて再発した場合は後悔すると思いますので、今の時点ではできるならばやってくださいとしか言えないです。

う〜ん、JALSGのプロトコールを確認したいのですが、IDやパスワードが必要ですしね〜。

また、コメントいただければと存じます
返信する
ありがとうございます! (Nao)
2017-12-04 10:06:33
先生、おはようございます。
APLを一番に記事にしていただき感激です!
私も、まさか自分以外に記事の依頼をする患者さんが居るとは思いませんでした(笑)

私はこの病気が発覚した時、病院始まって以来の早期発見と言われました(^^;
今回記事にしていただいた中で、フィブリノゲンとFDPという項目は初耳だったので、改めて発覚時の数値を確認してみたところ、フィブリノゲンは220、FDPは20でした。
病気の説明を受けた時、「出血傾向は・・・(数値見て)一応あることはあるんだね~~(by教授)」程度で、済んだ記憶があります。まだ一つの痣も無かったので。
一度も輸血をしていないAPL患者、滅多に居ないですよね??(汗)

記事を読ませていただき、改めてこの病気の緊急性を認識しました。
私も人間ドックのタイミングが少しでも違っていたら、違う結果になったのかも・・と今さら怖くなったりしています。

地固め、私は亜ヒ酸で3クールのみですが、先日外来でK教授に確認したら、今後は日本も化学療法を使用しない方向に進むんじゃないかな・・っておっしゃってました。
現在の臨床試験結果が出てからになるでしょうから、数年先のことになるのかとは思いますが、そうなっていけば治療中の身体の負担はかなり違うと思います。
個人的には、ATRAで完全寛解までいけた患者さんだけでも亜ヒ酸のみの地固めに移行しても良いのでは?と考えてしまいます。(私がそうなので)

維持療法のアムノレイク、今月2クール目を飲みます。
1クール目では副作用に苦しみましたが、今回は酷くならないことを願ってます。
維持療法の必要性、自分が二人いたら両パターンを試してみたいです(笑)
やらなくて良いような気もするけど、やはりやらない選択肢を選ぶのは勇気が要りますね。
今回の副作用の状態で今後のことはまた相談しようと思っています。

お忙しい中、本当にありがとうございました。
私のBlogにも記事の紹介をさせていただきたいと思います。
もし不都合等ありましたらお知らせください。
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JALSGの臨床研究だからです (アンフェタミン)
2017-12-03 21:09:42
>わゆみさん
こんばんは、コメントありがとうございます。

まず、白血球が多かったということですが、25%の方が白血球数>10000/µlと言われています。僕も8万くらいの患者さんを見ていますが、最初が大変でした。

地固め療法の回数についてはJALSGの最近やっていた臨床研究だからです。まぁ、その治療法の方が成績はさらに良くなると思います。

わかりにくくなりそうなので、本文に付け加えて起きます。

再発のリスクに関してですが、まず亜砒酸を用いた地固め療法は他国ではすでに成績が出ておりまして、無再発生存率が80~90%くらいになっています。これは比較対象としているグループが60%くらいですので、かなり良いことになります。

それも含めて、亜砒酸を使用した地固め療法の効果がどの程度再発リスクを下げるのかを検討すること、そして維持療法の上乗せ効果があるのかも検討事項だと思います。

ですので、今までの治療法よりは良いと思われますが、再発の可能性はなんとも言えません。

ただ、今まであるデータよりは良いと思います。少しでも心配が解消されていれば嬉しく思います。

何かあればコメントはいつでも歓迎いたします。

また、コメントいただければと存じます
返信する
ありがとうございます (わゆみ)
2017-12-03 20:58:46
こんばんは。
急性前骨髄球性白血病の説明ありがとうございました。
まさか、こんなに早くとは思っていなかったので感動しています。

私はこの病気が発覚した時、白血球が24000で即入院となり ベサノイド内服と抗がん剤を併用した寛解導入療法を行いました。

地固め療法は4コース行いました。
1コース 亜砒酸
2コース ダウノマイシン キロサイド
3コース 亜砒酸
髄注
4コース マイロターグ1回のみ 2回目は血球の戻りが2週間で戻らなかった為、今までの治療で成果も出ているし無理はしない方がいいと言う事でしませんでした。私的には大丈夫かなぁと少々不安が残りましたが、主治医を信じることにしました。
アンフェタミン先生は3コースと書いていましたが、私は白血球が多かったから4コースになったのでしょうか。
あと、再発はどれくらいありますか?
気にしない様にしようと思っても気になります。
ネットでC群は予後不良と書いてありました。

お忙しいと思いますので急ぎません。
また、不安な事があれば相談させて下さい。
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