新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

志木市民病院、小児科入院医療休止:本当に困る前に記事にならなかったものかね

2012-01-17 21:08:02 | 医療

こんばんは

 

完全に風邪をひきました。かといって、仕事は休めませんしね。

・・・もっとも、大丈夫だから休むように言われましたがw

 

日中は職場の自室で風邪薬+風邪のせいでフラフラでしたw

会議に参加中は鼻水+風邪薬の眠気と闘っていましたしw

 

今も若干体がだるいです。

 

寝る前に(さっさと寝ろ)一つ記事を更新します。

 

 志木市は16日、県南西部の小児救急医療を担ってきた同市立市民病院(同市上宗岡)小児科の入院医療を、4月から休止すると発表した。小児科の常勤医3人はいずれも3月末で退職し、和光市の菅野病院に移り救急医療を続ける意向。後任医師確保の見通しはなく休止は事実上の無期限となる。外来は非常勤医師の手で続けるという。同科の入院患者の8割が市外の小児といい、周辺5市1町は「困惑している」「資金援助をするので入院医療の存続を」と声を上げている。【高木昭午】
 志木市民病院の小児科は45病床を持ち、年間延べ約1万2000人の小児患者が入院している。記者会見した長沼明・志木市長によると、同病院の小児科は年間約1億6000万円の赤字といい、市民の患者が少なく「周辺70万人の小児救急を、人口7万人の志木市が引き受けるのはつらい」状態で市が財政負担を続けるのは苦しいと説明した。
 財政難を背景に、市側は昨年8月、小児科常勤医の1人である清水久志・病院事業管理者(64)に、3月末での事業管理者の打ち切りを通告。ほかの2人の常勤医師も、市側の方針に小児医療の先行きを懸念し同時に退職することにしたという。
 入院が必要な患者について市は「別の病院を紹介する」と説明するが具体的な見通しはない。退職する清水医師は「菅野病院では当面10病床程度から始めざるを得ない。富士見市などから遠くなるのも(救急対応の面で)心配だ」と話している。
 長沼市長は赤字対策として、昨年10月から11月に、新座、朝霞、和光、富士見、ふじみ野の5市と三芳町に、6自治体計年間9000万円の負担を要請。新座、朝霞、和光市は昨年12月に、富士見、ふじみ野市と三芳町は今月になって了承していた。だが長沼市長は「医師の退職が決まっており受け取れない」と断ったという。
 ◇周辺市町に衝撃「4月から困る」
 新座市の須田健治市長は「小児の入院救急は他に国立病院機構埼玉病院(和光市)が対応しているが週に2日程度。4月から困るのは目に見えている」と指摘。「5市1町の首長がまとまって、志木市に小児救急存続の要望書を出そうとしている矢先の休止発表で驚いている」と話す。
 ふじみ野市の宮崎光弘・健康医療部長も「小児の救急入院に対応できる病院は、周辺では埼玉医大川越医療センター(川越市)だけ。同センターの患者が増え過ぎパンクしないか心配だ」と話す。
 松本武洋・和光市長は「非常に当惑している。早急に対応を決めなければいけない」。星野信吾・富士見市長は「応分の財政負担を含め協力するので、小児救急医療体制の存続をお願いしたい」とのコメントを出した。

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いろいろ小児科医療は赤字になりやすいところはあると思います。

 

中原先生の「少子化と経営効率のはざまで(http://www5f.biglobe.ne.jp/~nakahara/isho.htm)(http://www5f.biglobe.ne.jp/~nakahara/yuigonjo.html」の文章は有名ですが本当に困るのは国民、地域住民です。

 

本当に困ってから騒ぎ出していつも後手に回るんですよね・。

 

風邪がしんどいので、これで終わります。

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また。

 

 

 

 

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6 コメント

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ありがとうございます。 (りー)
2012-01-18 08:54:26
先生、理解力がなく少し難しいです…
すいません。

血液検査で白血球以外に異常があるということでしょうか?
返信する
具体的に説明します (アンフェタミン)
2012-01-18 19:36:18
>りーさん
こんばんは、コメントありがとうございます

血液検査に関して、リーさんは白血球が多いといわれたわけですよね。12000とか…若干多いと書かれていたと思います。

普通の人は4000~8000/μlです。普通の方がリンパ球が30~40%なら、実際の数は1200~3200/μlですよね。

仮に白血球数が12000/μlで15%のリンパ球であれば1800/μlとなって、正常となります

もう一つ書いていた「機械で行っている」というのは79.1%など、小数点以下が0.1%刻みで算出されるということは、1000個の白血球を調べたことになります。
一般的には白血球200個程度を目視(人が顕微鏡で見る)でみれば判断可能ですが、この場合は小数点以下は0か0.5となります。


要するに
1、実際の数が重要
2、実際に顕微鏡で見て評価したものが重要

ということです

また、コメントいただければと存じます
返信する
具体的に計算します (まるる)
2012-01-19 18:48:44
計算大好きのシステム屋が計算しますよとw
アンフェタミン先生の要件(コメント)から具体的な計算を網羅しますと。。。

白血球の総数 = Eosino(好酸球)+Lympho(リンパ球)+Neutro(好中球)+α(?)
(ちょと多い)=(1.1%)+(15.6%)+(79.6%)+(3.7%)
仮に12000とする= 132 + 1872 + 9552 + 444

Lympho(リンパ球)15.6%は実際の数1800程度だと予想できるので正常値。
パーセントのままでは多くなってるものに引きずられて正常値なのに
割合は低くなるから、実数で計算しましょうと。

> 2、実際に顕微鏡で見て評価したものが重要
これはよく分からないです。機械で測ったほうが正確じゃないの?と。
やっぱ、なんだろう。。。形とか流動性とか数だけの判断じゃないと
いうことなんでしょうか?
返信する
形も大事です (アンフェタミン)
2012-01-19 20:41:03
>まるるさん
こんばんは、コメントありがとうございます

計算も含めて、いろいろありがとうございます。

顕微鏡で見たもの・・・というのは難しいのですが、機械は顕微鏡で調べているのではなくて…イメージでいうと横から光を当てて、その反射の仕方で「これは好中球、これは好塩基球、これはリンパ球」などと決めていきます

そのため、異常な細胞(形が変だったり、中身がおかしかったり、本来血液中には出てはいけない細胞が混じっていた場合)は判断ができなかったりします。

僕も昔、大学病院ではないところで「好塩基球13%」というのを顕微鏡で見たところ急性白血病の細胞でした。
紹介先の病院には「急性リンパ性白血病のような気がする」と言って出しましたが・・実際そうでした。

今回、骨髄線維症などの病名が出ていますので、実際の形態(形が変形していたり、芽球がでているなど)の情報が重要になってきます。

要するに機械は決められた中に割り振るだけなんです。異常な細胞が出てきても…それは異常と言ってのぞいてくれません。

よって、今回必要な情報はこの検査結果からは読み取れないだろうという、そういう話です。

また、コメントいただければと存じます
返信する
Unknown (ママサン)
2012-01-20 10:17:49
たった三人の小児科医で、45床、12000の小児入院患者を受けるなんていうあの病院の体制を、行政も住民もが看過してきたことが無茶苦茶なことです。しかもオーバー50の医師ばかり。

行政や患者は「受け入れる場所」があればいいんです。医師がどれほど激務で疲弊していても。

無理なものは無理。

赤字問題以前の、根本的に大きな問題がありますし、
赤字が膨らんだのは小児科のせいではなく、整形外科が撤退したから。
撤退の理由は、前市長が医師数がいないのに「内科外科小児科三科の24時間365日体制の救急応需」をやったから。

ま、地域医療崩壊の典型例でありますね。





返信する
問題だらけですよね (アンフェタミン)
2012-01-20 21:22:21
>ママサンさん
こんばんは、コメントありがとうございます

行政や患者(というか地域住民)は確かに受け入れ場所があるのが、最も重要と考えていると思います。受け入れられているうちは…。

本当は維持可能な状態の間に改善させなくてはならないと思うのですが。
それは今の日本の医療そのものにも言えることだと思っています。

供給能力に乏しいのに需要を増やしたら潰れますよね・・・w

また、コメントいただければと存じます
返信する

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