新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

産科医の危機的状況:医療の全てにおいて集約化や地域連携が必要だろうなぁ

2014-09-23 09:23:00 | 医療

おはようございます

 

とりあえず10kmほどジョギングをして、腕立て伏せをして、少しパソコンにむかっております。健全な精神は健全な肉体に宿るといいますし。

昨日、外来の患者さんを診て、研究の準備をした後、論文作成中のものを修正しにかかりました。とりあえず、それはやってしまおうと思いましたので。一応、論文を書き終わり・・・頭の中で論文になりそうなもの、学会報告できそうなもの(内科学会総会の演題受付終了が来月末なので、週末を利用してデータ収集をしようかと思っています)を考えているところです。

 

まぁ、まずは基礎研究を仕上げて来年の今頃までに終わらせるように言われておりますので、それは何とかしたいと思っておりますが。

 

さて、今週末に助産師さんの話もありましたが、「産科医の危機的状況」ということで記事が出ておりました。僕も以前に「血液内科の危機的状況・・・」「血液内科の危機的状況:認識されてないな~」などという記事を書きました。

 

うちの大学も血液内科医不足しているのですけど・・・。

 

先日、他の病院から「当院は血液内科医が5名しかおらず、急性白血病の積極的診療はこれ以上難しい」といって、患者さんが紹介されてきたことがあります。「うちの現場にいるのは2名、血液内科医は教授・講師を含んで5名だよ」と思いましたが、研修医がいる分何とかなっているということで(まぁ、他の病院だったら看護師さんに教育・指導して対応できるようになっていると思いますが)引き受けましたけど。

 

まぁ、とりあえず、記事の紹介を。

 

産科医不足、福島など9県で「危機的状況」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140920-00050035-yom-soci

読売新聞 9月20日(土)19時41分配信

 当直回数が多く、成り手が不足している産科医について、都道府県間で最大2倍程度、産科医数に格差が生じていることが日本産科婦人科学会などの初の大規模調査で分かった。

 福島、千葉など9県では、35歳未満の若手医師の割合も低く、将来的な見通しも立たない危機的状況にあると報告されている。

 全国9702人の産科医の年齢(今年3月末時点)や、昨年の出産件数などを調べた。人口10万人当たりの産科医数は、茨城が4・8人で最も少なく、最も多い東京と沖縄の11・1人と倍以上の開きがあった。

 また調査では、35歳未満の割合、産科医1人当たりの出産件数など6項目で全体的な状況を見た。福島、千葉、岐阜、和歌山、広島、山口、香川、熊本、大分の9県は6項目全てが全国平均よりも悪く、「今後も早急な改善が難しいと推測される」とされた。

 中でも福島は、産科医が人口10万人当たり5人(全国平均7・6人)と2番目に少なく、平均年齢は51・5歳(同46歳)と最も高齢で深刻さが際だった。東日本大震災や原発事故も影響しており、同学会は昨年5月から全国の産科医を同県内の病院に派遣している。

 調査をまとめた日本医大多摩永山病院の中井章人副院長は「国や各自治体に今回のデータを示し、各地域の対策を話し合いたい」と話している。

------------------------------------

沖縄に関しては人口に対しての数値はともかく、移動(離島)とか一人でやっているとかいうのもありそうですから、厳しいでしょうね。

 

産科医だけでなく、きつい診療科に関してはなり手は少なくなっていると思います。

 

それらを改善するために集約化や地域連携で病院ごとの差別化、システム化が必要なのだと思いますが・・・・日本は国土面積に比較して縦長ですし、病院までの時間的な距離、国民の病院への依存性なども含めて集約化が難しいのかもしれません。しかし、それでも地域ごとに連携して集約化などをうまく行わなくてはならないと思います。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

blogram投票ボタン

それでは、また。

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 無許可助産所の出血死問題:... | トップ | エボラ感染拡大と23名派遣の... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
地域病院統合 (自滅)
2014-10-31 09:37:26
ひさしぶりに書かしていただきます。先月に、兵庫県立柏原病院と柏原赤十字病院の統合が発表があり、4年後に県立柏原病院を新築移転、移転後に柏原赤十字病院を廃止、職員を県立柏原病院が引き取る事が発表がありました(ソースは、神戸新聞、丹波新聞)この統合を推進したのが、県立柏原病院に医師を派遣している神戸大で奨励数が少ない柏原病院では研修医が行きたがらず、福知山市民に研修医が行きたがっている現実に兵庫県が、病院統合に動いた事らしいです。福知山市民は、府県をこえて兵庫県の医療計画に組み込まれいるみたいです。兵庫県は、西宮市の市立中央と県立との統合、三木市立と小野市立の統合と公立病院統合が盛んに行われみたいですね。基幹病院を造り研修医を勉強出来る環境を作らない地域は医療を守れないみたいですね。
返信する
お久しぶりです (アンフェタミン)
2014-11-03 12:56:57
>自滅さん
こんにちは、コメントありがとうございます。

お久しぶりです。柏原病院の統廃合話を初めて聞きました。最近そういう話からも縁遠くて勉強になりました。

実際に研修医が行きたがらない病院というのは、何かしらの問題はあるわけですので(地域というだけのこともありますが、それでも魅力があれば行きますので)、何とか研修医の来るような魅力のある病院をということでしょうか。

恐らく今後も病院の統廃合は必要になるのではないかと思っておりますが、それによって地域の医療の質が下がらないように時間的距離は変わらないようにしたいところですよね(これは行政のやることですが)。

また、コメントいただければと存じます
返信する
公設民営 (自滅)
2014-11-27 10:17:16
以前紹介した阪南市立病院ですが、前市長が2000万円で募集した医師が、現市長の方針転換で辞職して、その後検討委員会を発足し結論して、大阪府内初めての公設民営にする事にして公募を図り府内の和泉市に府中病院を運営する生長会が公募に応じて総合診療科中心の新生阪南市民病院として泉南地域医療を担ってます。この病院のカンファレンスも凄い!一昨年6月に全国の研修医をあつめた、尋常じゃないカンファレンスと銘打ったオールナイトカンファレンスを開催した全国に名をとどろかせる病院となってます。この病院を運営している生長会の本部がある和泉市は医療連携が上手く行ってます。生長会が運営する府中病院が総合診療科中心した脳外科を受け持ち、隣り街の泉大津市立が消化器系、徳洲会が運営する和泉市立が整形外科、泉北ニュータウン側のいぶきの病院がリハビリ、隣り街の岸和田市の岸和田徳洲会が心臓外科と区分けをしてますが、夜間休日を府中病院、岸和田徳洲会が仰木の要として医療を担っています。連携する場合でも、総合診療科中心した基幹病院が必要ですね。
返信する
振り分け (アンフェタミン)
2014-12-03 22:14:18
>自滅さん
こんばんは、コメントありがとうございます

阪南市立病院のカンファレンスはすごいようですね。さすがにオールナイトはきいたことがありませんでした。

病院間の医療連携がうまくいっている地域は安心できると思います。これからはそういう時代になると思います。

場所によりけりですがおっしゃられるように総合診療を中心に振り分けができるとよいと思います。

また、コメントいただければと存じます
返信する
奈良県 (自滅)
2014-12-04 08:04:41
阪南市民病院の尋常じゃないカンファレンスを推進した、北和也医師は、奈良市立病院に移籍され活躍されてますが、奈良県には全国的に有名な天理市の天理よろず相談所病院あり、それをサポートする高井病院あって相互に依存する関係にあるみたいです。高井病院は整形外科がしっかりしており、最先端のCTスキャンを所有しており、天理よろずの総合診察科で診察して紹介状を書いて高井病院でCTスキャン撮影等をしたりするみたいです。高井病院が整備された為に天理市は、市立病院を廃止して高井病院に委託して市立病院を診療所に改修して運用してます。三重県の桑名市も市民病院と山本病院の経営統合して運営しているみたいで全国的な流れかもしれないですね。
返信する
地域連携 (アンフェタミン)
2014-12-14 14:16:52
>自滅さん
こんにちは、コメントありがとうございます

地域医療に関しては病院ごとに役割分担をしていくほかはないのだろうと思います。少なくとも今の医療体制では。

自分のいる地域ですら細かいことは言えないのですが、そういう方向性になっているのではないかと思います。

また、コメントいただければと存じます
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

医療」カテゴリの最新記事