未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




センター試験初日 初リスニング混乱 機器不具合訴え
http://news.goo.ne.jp/news/nishinippon/shakai/20060122/060122_news_009-nnp.html

大学入試センター試験は二十一日、全国の七百二十一会場で始まった。今年から導入された英語聞き取り(リスニング)試験で、各受験生に配られた小型ICプレーヤーの不具合の訴えが続出。福岡、長崎、宮崎など全国の四十二都道府県の試験会場で再試験が行われた。

大学入試センターリスニングテストの失態が話題だ。

私はこのニュースを聞くまで、そんなテストが企画されていることすら知らなかった。

この内容を聞いて、世間一般の真っ当なエンジニアなら、皆一様に、同じことを考えるだろう。

「そんなことは、無理だ。」と。

「そんなこと、ムリなんじゃないのぉ」といった、単なる憶測ではない。それは、今までの経験に裏打ちされた、血肉に染み込んだ魂の叫びだ。

ここに、1週間前の記事がある。

センター試験 初の英語リスニング
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20060115ur02.htm?from=os1

「ICプレーヤーについても、メーカーが出荷前に1台ごとに振動検査を行い、電池も新品を入れているため、センターは「途中で動かなくなる事態は考えられない」と自信満々だ。」

とても、常識のある人間の発言とは思えない。

予備校関係者の一人は「50万台以上のICプレーヤーを使う試験で、1台も故障せず、1人の受験生も操作ミスをしないということが、果たしてあるだろうか」と、不安感をにじませている。

とても、押さえに押さえた発言だ。実施前にマスコミが懸念を表現できる、ギリギリの内容であったのだろう。

1台もミスのないことを保証するなら、最低限、全機器の再生確認をしなくてはならない。
試験問題が漏洩することを考えれば、バイトにやらせるワケには行かない。機密保持の観点から言えば、担当できるのは精々100人。
1人5500台=2750時間。1日7.5時間として、367日。

1年間、毎日毎日、同じ英語テストを繰り返し聞くことなど不可能だ。

「独立行政法人大学入試センター」のHPでは、
『英語リスニングテストで使用するICプレーヤーのニュース映像』
なるものが公開されている。
http://www.dnc.ac.jp/center_exam/18exam/movie.html

ニュースの締めくくりはこうだ。

「受験生の皆さん、準備はよろしいでしょうか?」


「どうだった?」
「あぁ、オレのやつ、なんか、ちょっと聞き取り難かったよ。」
「聞き取り難いって?」
「なんか、時々、音が聞こえ難いんだよね。」
「擦れるの?」
「そうそう、ちょと電波悪いのかなぁ~。てな感じで。」
「へー...それだけ?」
「それだけ?って?」
「いや、オレのは明らかにおかしかったんだよ。」
「聞き取り難いの?」
「いや、はっきりと聞こえたさ。」
「じゃあ、いいんじゃないの?」
「まぁね。」
「ナンか、良く解らないけど、不服があるなら、再試験受けられるらしいよ。」
「いや、それは、必要無いよ。」
「東大でも受けるのかよ。」(東大は、リスニングを選抜に活用しない。)
「いやさ、オレのやつ、問題文が全部『日本語』だったんだよ。」

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