未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




「ご懐妊」関連銘柄が急騰 東証、コンビやピジョン
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060207-00000225-kyodo-soci

 7日の東京株式市場で、秋篠宮妃紀子さまが懐妊されたことが午後2時すぎに市場に伝わると、市場全体が軟調な展開の中、ベビー用品などを扱う「ご懐妊」関連銘柄が軒並み急騰した。市場関係者からは「明るい材料に素直に好感した」(大手証券)との声が聞かれた。

以前からずっと気になっていたのだが、ここ最近のライブドア関連の動きでその疑問は確信に変わった。そして、決定打はこのニュースだ。

「紀子さまのご懐妊」で、果たして『コンビ』や『ピジョン』の業績が一体どの程度上昇するのであろうか。今日、これらの株を買った者のうち、具体的な業績の向上要因を検討して、株を買ったものが何人いたのか。私は株をやらないので、これらの投資家の考えは解らない。

だが一つ、良く解ることがある。

ブログをやっていると、できれば週に2・3度、少なくとも週に一度は更新したいと思う。だが、そのためには、何らかの話題が必要だ。特に忙しいわけでもなく、毎日のように何かブログのネタになるような記事がないかチェックしていると、だんだんと焦燥に駆られて来る。

ついつい、つまらない記事にも手を出してしまい、だがやはり、書き上がった内容を読み返し、そのつまらなさから、アップせずに消してしまうことも多い。

私の場合にも、一時期そういう時があった。焦れば焦るほど、自分の文才のなさに絶望し、落ち込んでしまう。何のために書いているのか解らなくなる。

そこで、気にしないことにした。面白いことがあったときだけ、書けば良いではないか。特に毎日楽しみにしてくれている人がいるわけでもないし、ましてや原稿料で生活しているわけでもない。こういう時には、つくづく、雑誌の連載などを持っているプロの文筆家を「大変だな。」と思う。

それでもやはり、一月も更新しないと、かなり気になってくるものだ。

さて、株の話しに戻ろう。個人で株をやる人が増えている。彼らの全てが、毎日数紙の新聞を隅から隅まで読み、様々なアンテナを張り巡らせて、今後の株価の動きを予想して、取引に臨んでいるわけではないであろう。最近は「株はカリスマトレーダーの動きを参考にするのではなく、サルマネしろ。」と、各種メディアが嗾けている。

とは言え、少しでも自分の判断を働かせようとすれば、その材料は非常に限られた、短絡的なものにならざるを得ない。

最近の株の動きは「その会社の業績がどうなるのか」ではなく、何かのニュースに対して「市場がどう反応するのか」という判断基準に移行して来ている。しかもその判断基準は、日に日に短絡的で幼稚なものに陥って来ている気がする。つまり、『解り易過ぎる』のだ。

短期間で売買を繰り返す個人投資家は、今日はいくら儲けたとか、いくら損したとかに一喜一憂しているに違いない。生活のために株で稼ぐことよりも、その一喜一憂することが趣味となり、目的となるのだ。

当然、株価に動きがなく、これといった売買に手を出せない時には、焦燥が生まれる。何か儲ける株はないか。何か株価に影響のあるニュースはないか・・・。

そんな時にこのニュースが流れ、誰かが「ベビー用品が上がる」と書き込むと、皆がそれに追従する。そして、実際に株価が上がるのだから、問題は深刻だ。

年少者が深刻な事件を引き起こすと、すぐにゲームやネットのせいにする者がいる。

私はそうは思わない。根はもっと深い所にある。ゲームやネットのせいにして、知った風な顔をして問題をうやむやにしてしまう方が、余程罪が深いであろう。

ただ、こと株に関して言えば、その実態はどんどんとバーチャルなものに変貌しつつあると思う。それは決して、彼らがオンライン取引をしているからという単純な理由ではなく、現在の株取引の制度が本来抱えていた、もっと構造的に深刻な問題が、ネットの出現で顕在化して来たに過ぎない。


「これはどう?『つくばエクスプレス、一時運転見合わせ 架線に氷付着』」
「つくばと言えば、『フラッグコーラス』だな。『そう言えば、ボニ-ジャックスって、今どうしてるんだろう?』って思った人が『今なら創刊号特別定価』の『青春のうた』を買うだろうから、『ディアゴスティーニ・ジャパン』の株が上がるな。」
「『「団塊世代に狙い」ウイスキー・オールド7年ぶり刷新』ってのは?」
「今ごろ多分、『青春のうた』のスタッフが、『神田川』をあちこちにリクエストしまくってるから、神田川周辺の定年後の団塊世代向けのマンションが高騰してくると思うよ。」
「『「4月上旬」実は真冬並み 気象庁に苦情殺到』ってあるから、せいぜい、『赤い手ぬぐい』をマフラーにするのが流行るぐらいじゃないの?」
「その予測が当ったとして、それで、いったいどこの株が上がるンだよっ!」


・・・さて、今日のオチもイマイチだったな。

まっ、タマにはこんな日も良いじゃないか。

明日になれば、また、書けなくなってしまう。そんな・・・気がするんだ。

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