未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




【FT】 セクシー文化到来で職場の温度が急上昇 <後>
http://news.goo.ne.jp/news/ft/kokusai/20060724/ft-20060724-02.html

 男はオフィスで、女を性的な目で眺めている。世の中というのはそういうものだ。女性全員にブルカ(イスラム女性の外出着。目の部分だけをあけて頭からすっぽり全身を覆う)を着せない限り、これを止めさせることはできない。あるいは、男にも女にも全員、全裸を強制するか(みんながみんな素っ裸だと、どうやら、性欲というものはきれいさっぱり消えてなくなるようだ)。しかし、だからといって、ブルカも全裸もありえないだろう。


果たして、そうであろうか?


「何か、お探しでしょうか?」
「えぇ。実はウチも今年からクールビズ始めたんですが、ネクタイを外すだけと言のではアレですし、かと言って、クールビズコーナーにあるものは、どれも皆似たような感じで、イマイチなんですよ。」
「それではお客様は、会社にも着て行ける『涼しげ』で『お洒落』な、そして『他の人は決して着ていない』ような、まさしくCOOLな商品をお探しですね?」
「ええ。まぁ、そんなところです。」
「それでしたら、打って付けの商品がございますよ。」
「それほどの、モノが見つからなくて困っているのですけが・・・」
「実は、ナイキでは、今までになかった全く新しいスポーツアイテムを開発致しまして、今、一般市場に投入する前の、モニター調査を実施しているところなんです。」
「それで、まだ、店頭には並んでいないワケなんですね?」
「ええ。興味がおありですか?」
「はい。ですが、いったいどんな商品なんでしょうか?」
「実は今のところ、この商品に関しましては、社内でトップシークレット扱いになっておりまして、機密保持契約を結んで頂いたお客様にしか、商品名はおろか、どういったジャンルの商品であるかも、ご説明できないことになっているんです。」
「ずいぶん、厳しいんですね。」
「ええ。ですが、この書類にサインさえして頂ければ、色や柄などは、お客様の好きなものを、好きなだけお持ち帰り頂くこともできますし、一度着用された商品は返却不要です。ただ、機密保持期間が過ぎるまでは、転売や他の方への貸与などは、一切できませんので、その点はご了承願います。」
「随分と、良い条件のようですね。その代わり、私がしなければならないことは?」
「期間中、指定された日数以上は、外出時に本件のアイテムを、一般消費者の目に留まるような状態で、着用して頂くことになります。また、一度この契約書にサインして頂きますと、双方の同意なしに、契約を破棄することはでんません。」
「ちょっと面倒ですね...どんなアイテムなのか、ヒントぐらい頂けませんか?」
「『アフリカ先住民族の”戦士”が着用していたアイテムを基に、ナイキが持てる技術の粋を集めて開発した、全く斬新なスポーツアイテム』ということになっております。どうです?ご決心が付きましたか?」
「性器を露出したり、体に穴を開けたりなどは、しないんでしょうね?」
「『着用に伴い、皮膚や体の一部に特殊な加工を施す必要はない』『日本国の国内法に抵触することは一切ない』ということになっております。」
「では、やってみましょうか。」
「では、別室へお願い致します。」

 ・・・

「ありがとうございます。これにて契約成立となります。」
「では、商品を見せて頂けますか?」
「ええ。こちらです。」
「これは・・・、何なんですか?」
「こちらは、この度、ナイキがその持てる技術の粋を集めて開発した、スポーツタイプの『ペニスサック』になります。」
「ペニスサック。。。ですか?」
「ええ。ご存知ありませんか?」
「いや、ドキュメンタリー番組とかで、見たことはあります。」
「どうです、とてもCOOLなフォルムに仕上がっておりますでしょう?さっそく、試着してみましょう!!」
「ちょっと待って下さい。これを着て、会社に行けと?」
「ええ、女子社員の注目を集めることは、請け合いですよ。」
「いや、やっぱり、ちょっと...」
「先ほどもご説明致しまた通り、正統な理由なく着装を拒否される場合には、それなりの訴訟手続きがかかるものと、覚悟頂かなければなりませんが。。。」
「お金がかかるんですか?」
「いえ、この契約に関連して発生する費用の一切は弊社にて負担致します。ですが、お客様の勝訴が確定するまでの期間は、法廷及び裁判所への入退所の際に、この『ペニスサック』を着用して頂くことになります。」
「・・・これって、サイズはいくつまであるんですか?」
「この30cmタイプの1サイズです。そもそもが、男性らしさを鼓舞するために、誇張されて作られているものですから。」
「そうですか。実は、私、勃起時には40cmぐらいになるんですよ。ですので、これを着用することは不可能ですね。これって、正統な理由になりますよね?」
「ええ、勿論です。それを、証明することは、できますか?」
「いえ、この場では無理ですね。ですがそちらでも、それが嘘だと証明することは、不可能でしょう?」
「分かりました。では、こちらの『着装免除』申請書にサインして下さい。理由欄には、『勃起時には40cmに達するので装着不可能のため。』と、記入下さい。」

 ・・・

「これで、よろしいですか?」
「ええ、結構です。」
「残念ですね。とても気に入っていたんですが。今までに、契約された方はいらっしゃるんですか?」
「ええ。既に10名ほどいらっしゃるんですが、なぜか皆様、30cm以上の巨根の持ち主ばかりでいらっしゃいまして、未だ、フィールドテストには漕ぎ着けておりません。」
「でしょうね。じゃぁ、この先私は、契約期間が過ぎるまで、このことを一切他言しなければ、何も問題は発生しないんですよね?」
「ええ。ただ、そんなこともあって、現在本国で、60cmタイプのものを開発中ですので、完成した暁には、お声を掛けさせて頂くことになります。」


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