未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




仮面の裏側が見える人・見えない人:「ホロウマスク錯視」研究
http://wiredvision.jp/news/200904/2009040923.html

お面の裏側に存在する凹んだ顔を、普通の凸面の顔として知覚する、「ホロウマスク錯視」と呼ばれる錯視がある[Hollow face錯視、凹面顔錯視とも呼ばれる]。
下の動画でこの錯視を経験することができるが、それが目の錯覚だと分かっていても、凹面の顔を凹面と見ることができず、脳が凹面を凸面ととらえてしまう。

人には現実にはあり得ない物を見ると、それを自分の知っているものに無意識のうちに変換して知覚してしまうという機能(?)があるらしい。

その一方で、お札など普段見慣れているものについては、厚みやインクの色がほんの僅かに異なっているだけで、「あれ?何かおかしい。」と気付くという能力も持っている。

一見、正反対の能力に思える。どんな時に見慣れたものに置き換え、どんな時に微妙な差を感知するのか?

恐らくは、その差が微妙な(だが、それほどあり得ないという程のものではない)時には、「!」と警告を感じるが、現実を正しく認識している。

その反面、現実には(少なくとも自分の常識の範囲では)あり得ないものを見ると、常識の範囲に抑えようとする力が働き、その結果、現実とは異なるものを認識してしまうようである。

ひょっとすると、幽霊など、常識ではありえないものを否定してしまう人が多いのは、人智よりももっと下位レベルの、脳の認識というメカニズムに、その原因があるのかもしれない。


「幽霊の存在を証明する、科学的な根拠を発見されたそうですね?」
「ええ。『ホロウマスク錯視』という現象を御存じでしょうか?」
「お面の裏側を、普通の凸面の顔と認識してしまうという、アレですね?」
「はい。実は私は長年、コンピューター合成された画像の真贋を判定するソフトウェアの開発に携わって来ました。」
「ええ、知っています。テレビの心霊番組などでは、フォトショで加工された合成写真を、次々と看破されていましたね。」
「はい。撮影されている物体の陰や輝点の位置などから、その物体に当たっている光の方向が割り出せます。うまく合成しているようでも、それぞれの対象物の光源の方向に線を引くと、一発で合成したものが分かるんですよ。」
「結構、人間の目がごまかされやすいのに、驚かされましたよ。それがまた何で急に、心霊写真を擁護する立場に変わったのですか?」
「長年この仕事をやって来て、ある事実に気付いたんです。」
「幽霊に当たっている光の光源が、正常な部分と一致するんですか?」
「なかなか、するどいですね。」
「あなたの番組がヒットしてから、偽造する側も技術が向上しただけでしょう?」
「正確に言うと、逆なんですよ。」
「逆?」
「ええ。『本物の可能性が高い。』と言われる写真に限って、正確に180度逆の方向から光が当たっているんです。」
「そんなの、直ぐに分かるでしょう。」
「そこで、冒頭の『ホロウマスク錯視』です。実は私を含めて殆どの人は、なんとなく違和感があるものの、正常なものとして認識してしまうんですよ。」
「それもやはり、なんらかの作為的な技法の表れでしょう?」
「いえ、フィルム時代のネガが残っているものについても、自分でスキャナで取り込んで、膨大な量の写真を調査した結果なんです。間違いありません。メカニズムは未だに不明なんですが、本物の幽霊は、逆光源で写真に写るようです。」
「幽霊は、裏返しの存在だとでも?」
「どちらかというと、鏡象が現実世界を前後に反転させるように、あの世のものが3次元世界に投影されると、あたかも裏返したかのように、光源に反応するのではないかと思っています。」
「それだけでは、科学的な根拠に欠けますね。」
「では、もう一つ、あなたにも、実体験をして頂きたいと思います。」
「幽霊でも呼ぶつもりかね?」
「いえ。すぐに済みます。はっきりと効果が分かるように、電気を消しますね?」
「何も見えないじゃないか。」
「ちょっとお待ち下さい。。。はい、今です!!」

・・・・

「どうです?」
「どうって?今時こんなもの、子供でも驚かんよ。」
「まぁ、確かに、驚くまでには至らなかったと思いますが、何らかの違和感はあったはずです。一般的には、このような映像を見た場合、人は幽霊を連想するようです。」
「つまり?」
「ええ。このように懐中電灯で下から照らした場合、通常とは、光源が180度逆になるんですよ。」

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )