アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ヤツデ - ハエやらアブやら…

2020-11-13 17:07:26 | みんなの花図鑑

冬至を過ぎた頃から咲くヤツデの花には 決まってハエやアブが集まってきます。
実は寒い冬でも ハエやアブは結構飛び回っているのです。ヤツデはそういう冬にも活動する昆虫に目をつけました (^^♪




ピンポン玉みたいな花が 冬至を過ぎた空に白い花火のようにポンポン咲いています。
(球形の塊の散形花序が更に円錐花序を形成しています)



冬にも活動するハエやアブは チョウのような長い口吻を持ってません。ヤツデの花は彼らの口に合わせて、蜜を平たい面に染み出すようにして 彼らが舐めやすくしているのだそうです(^^)/




ヤツデの花は、中央の緑色をした蕾の状態から、 アンテナのように雄しべがつんつん出て開花します。この状態が雄性期です。球体の中央の雌しべはまだ未成熟です。




やがて 雄しべが脱落し、球体の中央の雌しべの柱頭が成熟して 雌性期に入ります。




よく見ると 球体の表面につぶつぶがあります。これが蜜です。これなら ハエは乗っかってすぐ舐めることができますね



ハグマノキ - スモークツリー

2020-11-13 11:45:11 | みんなの花図鑑

ハグマノキの名前より、スモークツリーとか「煙の木」のほうがよく使われている気がします。



春の新芽のときも このような赤い色をしています。



そういえば 「カスミノキ(霞の木)」なんて別名もありました。




スモークツリーのこのモクモクは、花ではなくて、不稔花(ふねんか:咲かない花)の柄が糸状に伸びだしたものということです。(元ブログ閉鎖)



これは花が咲いて散った後、実ができる頃から伸び始めます。(同上)



ツワブキ - 蜜はどこに?

2020-11-12 18:07:04 | みんなの花図鑑
愛知県緑化センターにて。

(画像はクリックで大きくなります)
ツワブキ(石蕗)の写真を撮っていたら何匹か蝶が蜜を吸っていました。
見ていると蜜を吸った長い口吻をくるくるくるっと巻いて顔に当て、しばらくじっとしたまま動きません。
撮った画像をスマホの Google Lensアプリで検索すると、チョウの名は チャバネセセリ とか Borbo cinnara とか出てきます。
Borbocinnara は東南アジア、インド、オーストラリアの分布なので、このチョウは チャバネセセリのほうでしょうか?





ツワブキ(石蕗)の花も花弁のように見える舌状花の形状にいろいろ変化があるようですね




キク科キク亜科の「常緑多年草(冬でも葉が緑のままで、1年や2年で枯れること無く、よく生き残れる草)」(wiki)です。
こんなチョウも来てました。また Google Lensアプリで検索すると 「Small blue」って出てくるんですけど?




ツワブキの花序は割と大きいほうですね、アリさんが小さく見えます。




こちらは ミツバチ でしょうか?



ミツバチのほうは 花粉が好きなようです。




この子は誰でしょうか? Google Lens で検索すると「ツチバチ科」って出てきました。




こんどは アブ でしょうか ? こんなにいろんな虫が訪れてるのは石蕗の蜜がおいしいから?(^^)/




(画像はクリックで大きくなります)
さて、その蜜ですが、どこにあるんでしょうか?



キク亜科の花は 真ん中の筒状花と 周囲の花弁のように見える舌状花とから構成されています。
中央の筒状花は両性花、舌状花は おしべの無い雌花となっています。
筒状花の小花から 褐色のたて縞のある筒が出ていますが、「雄しべ筒」とか「葯筒」といって雄しべが合着してできた筒で 内壁に花粉が出ています。
内壁の花粉は 未成熟なめしべの花柱によって押し上げられ 筒の外に溢れます(雄性期)。
花粉が好きなミツバチは筒の上にあふれている花粉をなめるだけで食事ができます。(もちろん巣に持ち帰るのが役目でしょうが)




(画像はクリックで大きくなります)
筒状花は周囲から順に中心に向かって開花していきます。
筒状花の一番外周は 雄しべ筒の中から 雌しべが伸びて 柱頭を羊の角のように伸ばしています。
さらにその外側にも 羊の角のような雌しべの柱頭が伸びていますが、これは雄しべ筒に包まれていない舌状花の雌しべ(の柱頭)です。



この花序は 前の画像のものより開花が進んでいます。まだ開いていない小花は 中心の一部分だけとなりました。
ほとんどの小花で、雄しべ筒(葯筒)から花粉を上に押し上げためしべが 柱頭を開いています(雌性期)。




この花序の舌状花(花びらのように見える部分)は 卵型ですね




(画像はクリックで大きくなります)
一枚目と同じチョウですが、この直前で 口吻を伸ばして 蜜を吸っていたのです。いまはその長い口吻をくるくる巻いて顔に当てているばかりです(ストローみたいに吸っているのでしょうか?)




(画像はクリックで大きくなります)
結局、蜜のありかは分かりませんでした。たぶんですが、蜜は長い雄しべ筒(葯筒)の根元にあると思われるので、セセリチョウみたいな長い口吻を持ってないと吸えないんでしょうね






ニシキギ - 緑化センターにて

2020-11-12 10:15:49 | みんなの花図鑑

愛知県緑化センターの紅葉、ひとわたり見渡した後で、今度は単独でニシキギ特集です。
センターには実習舎の生垣にニシキギが多く使われているのですが、ここのニシキギは実がついてません。




ニシキギの紅葉はやっぱり 線香花火のような真っ赤な実がなくちゃネ、ということで、一本だけある鈴生りの実のついたニシキギの株のところへ。場所は 造園実習場の一番奥。



横に別の木があって どうしても同じアングルになっちゃいます。



ニシキギの実は コマユミの実と瓜二つ。見分けるには枝を見ます。コルク質のカミソリ刃のような翼がついていればニシキギです(コマユミには翼はありません)。



ニシキギの学名:Euonymus alatus
コマユミの学名:Euonymus alatus f. striatus



メタセコイアなど黄葉 - クイズもあります(^^)/

2020-11-11 17:02:25 | みんなの花図鑑
愛知県緑化センターの紅葉、こんどは 黄色く紅葉していた樹を集めてみました(一部例外もあります)。


メタセコイア

背の高さでは、メタセコイアが一番ではないでしょうか?
下に人が写っています。



これは第1駐車場のメタセコイアですが、芝生広場の入り口にも背の高いメタセコイアがあります。



杉の仲間です(裸子植物門マツ綱マツ目スギ科メタセコイア属)。別名 アケボノスギです。



次に掲げる ラクウショウと比較するため、葉の様子を示しておきます。




ラクウショウ

落羽松もスギの仲間(スギ科 ヌマスギ属)です。別名ヌマスギの名の通り、よく池や沼など水辺に植えられています。


そういえば、前掲のメタセコイアの もう一つの別名が ヌマスギモドキ でした。


葉だけ見るとメタセコイアととてもよく似ています。でも 簡単に見分ける方法があります。


ワンポイント

ラクウショウは細かな葉が、細い枝から互い違いに生えています。「互生」です。
一方、前掲のメタセコイアは一箇所から対になって生えています。「対生」です。



イチョウ

第1駐車場の大銀杏です。ただ、この時刻になってくると空は白い雲で覆われてしまいました。


そんなわけで、キラキラ輝いていませんが、背が高いので圧倒されます。



スズカケノキ

スズカケノキ(鈴掛の木、篠懸の木)は よくプラタナスの名で呼ばれます。


スズカケノキは学名を Platanus orientalis といいます。ですから 属名をとって 「プラタナス」なのは間違いないのですが・・・



日本の街路樹などに使われているプラタナスは 本種とは異なる モミジバスズカケノキ(学名: Platanus x acerifolia)であることが多いのです。モミジバスズカケノキはスズカケノキとアメリカスズカケノキとの交配種とされています。
まあ、区別つかないですが(ToT)

先を急ぎます (´v_v`)



センダン

背の高いセンダンです。



名前が分かりません

何となく ケヤキかなと思いながら、名前を確認してきませんでした。


でも、ケヤキではないようですね。 次をご覧ください




ケヤキ (柳川瀬公園)

別のところで撮ったケヤキがあったので、参考までにアップしておきます。



これは 花の時から観察しているから ケヤキ に間違いないです。



同じケヤキでも株により ぐっと赤っぽく紅葉するケヤキもあります




最後に、クイズです

黄葉ではないのですが、こんな木がありました。なんの木でしょう?

蒼穹に 白い枯れ木が伸びているように見えます


同じ木を今度は ポートレート画面で。。。

さあて、何でしょう?


答えは 下の樹名板を見てください (^^)/

ウルシの仲間でなく ニガキの仲間なのでかぶれることはありません。庭にも植えられるウルシの葉に似た木ということで「ニワウルシ」とつけられたようです。
ニワウルシは別名「シンジュ(神樹)」といいます。英名の「Tree of Heaven」の訳からのようです。
ニワウルシの翼果は白っぽいのですが、この木は枝まで白っぽく見えます。でも枯れてはいないようです。

白く見えるのは、光の加減でしょうか



モミジという名のカエデなど - 緑化センター

2020-11-11 10:46:56 | みんなの花図鑑
愛知県緑化センターに久しぶりに行ってきました。紅葉した木をたくさん撮ったので、とりあえず 赤く紅葉(というのも変な言い方ですが)した木をまとめてみます。

カエデ (モミジを含む)

最初の3枚は オオモミジ の樹名板がありました。


植物分類上ではカエデとモミジは区別はしません。
植物学的にはモミジもカエデも「カエデ」と言い、どちらも分類上カエデ科のカエデ属の植物です。



園芸や盆栽のほうでは、イロハモミジ、ヤマモミジ、オオモミジなど 葉が5つ以上に切れ込んで掌状のものをモミジと呼び、それ以外のトウカエデのように切れ込みが3つなどのものをカエデと呼んでいるようです。




ここからは樹名板が無いので 種類が分かりません。



イロハモミジでしょうか。





トウカエデ

背の高いトウカエデです。



トウカエデの葉は 浅く3裂しています。





モミジバフウ

葉が5裂して モミジの葉のようなので モミジバフウといいます。


別名を アメリカフウ といいます。


同じフウ属の フウ(別名 タイワンフウ)の葉は トウカエデの葉のように浅く3裂しています。






下に落ちていた 葉と果実。




ハナノキ

カエデ科カエデ属の落葉高木。


日本固有の自生種で、「久しく知られることなく、明治末年、岐阜県恵那郡坂本村(現・中津川市)に自生していることが発見され、その後県内で自生しているのを発見された。岐阜県中津川市坂下(椛の湖の北岸の湿地帯)岐阜県土岐市(白山神社 (土岐市泉中窯町))や滋賀県愛知郡湖東町(現・東近江市)南花沢のものが有名である。」(wiki「ハナノキ」)


真っ赤な花を付けます。名前もこの赤い花から。





ピンオーク

「ピンオークは葉の裂片の間の裂欠がU型に開いた葉を持つオークとして知られ、スカーレットオークの閉じ気味のC型の裂欠と比較対照される。」(出典ブログ閉鎖)


ピンは牧場の杭のことで,「材が杭に使われる」ことに由来し,オークは「樫(カシ)またはブナ科コナラ属の高木の総称」を意味している。(徳島県の樹木「ピンオークのどんぐり」)



ピンオークのどんぐりは,女性に人気がありそうなかわいさいっぱいのどんぐりだと感じている。(同上)






ナンキンハゼ







以上、紅葉した背の高い木ばかりでした。
次回は 黄葉した木を取り上げる予定です。




コミカンソウ - 愛知県緑化センター

2020-11-10 23:37:32 | みんなの花図鑑

家の近くから消えてしまったものは タンキリマメのほかに このコミカンソウがあります。一番近い道端のコミカンソウは 草刈り機できれいさっぱり刈り取られてしまいました。



それで、愛知県緑化センターまで出かけて撮ってきたのがこのコミカンソウです。



愛知県緑化センターはロックガーデンの花壇に群生しているもので、まだ最近生えてきたコミカンソウでも 紅葉しています。



果実といっしょに、枝先のほうは花が咲いてますが これは雄花です。



枝先の白っぽいほうが雄花で、枝元の(右手)赤っぽいほうがやがて果実になる雌花です。




果実の直径は3mm くらいです。








「果実は3室あり、種子が2個ずつ入る。」(松江の花図鑑)



枝もきれいに紅葉しています。




コミカンソウは繁殖力の強い雑草として知られています。



私の家の近くの刈り取られてしまったコミカンソウもしばらくしたらまた生えてくると思います。



タンキリマメ - 自転車道にて

2020-11-10 17:04:50 | みんなの花図鑑

家の近くに大きな工場があり、そのフェンスにいろいろなつる性植物が伸びていました。中でも このタンキリマメは鞘が赤く、真っ黒な艶のある豆との対比が美しく、タンキリマメといえば この工場フェンスがイチオシのポイントでした。




ところが工場主が変わったのか、工場の方針が変わったのか、久しぶりに行ってみたら、フェンスに絡まっていた植物 全部きれいに片付けられていました。工場の中が丸見えです。
それで仕方なく、第2ポイントである豊田安城自転車道に回って撮ったのが この画像です。




タンキリマメは マメ科タンキリマメ属のつる性植物。
豆は 真っ赤に熟した莢(さや)の中に 通常2個 入っています。
莢は縦方向にぶら下がっていますから、2個の豆も 上下になって莢に収まっています。




大豆などですと、莢が弾けるとき豆が飛ばされるのですが、どういうわけかタンキリマメは 莢の背筋に「へその緒」みたいに伸びている養分を受け取る柄がしっかりしていて、莢が弾けても飛ばされないのです。




それで 莢の中では 上下にならんでした双子の豆は 莢が大きく左右に弾け開くと ひとつは 右に、もう一つは左にというように移動するのです。




タンキリマメの葉は、葉の真ん中より先の方が幅が広く、葉先が尖がらずに丸い感じ。
よく似た トキリマメの葉は 葉の真ん中よりつけ根に近いところが最も幅広く、葉先は尖っています。




シキザクラ - 自転車道にて

2020-11-10 07:50:31 | みんなの花図鑑

昨日、紅葉するクヌギの花と実を撮った豊田安城自転車道の某地点のシキザクラ(四季桜)です。




こうして切り取ると、同じ季節とはとても思えません。




これで 満開? 開花期間が長いです。




野生種であるマメザクラ(豆桜)とエドヒガン(江戸彼岸)の種間雑種と考えられています。
豊田市小原(おばら)地区が全国的にも四季桜の名所として知られています。
冬桜と似ていますが、花の裏側の萼筒(がくとう)を見て、萼筒の下部が膨らんでいれば四季桜だそうです。


クサギ - 紅葉

2020-11-09 20:33:43 | みんなの花図鑑
きょうは珍しいもの、お見せしましょう。

クサギの紅葉です。といっても 葉の紅葉でなく花の萼が紅葉しているのです(紅葉とは言わないかもしれませんが)。




こんなの初めて見ました(^^)/




夏の花が咲いているときの萼も赤っぽいですが、もっと緑を多く含んだ褐色だったと思います。




この萼はあきらかに 果実の周囲に星形に開いているときの紅葉した色ですよね (果実の萼は後で観察します)




夕日にかざして一層赤くなった花の萼。




ここからは 花後です。




以下、果実と紅葉した萼です。ここからは 今の時期、よく見る風景です(^^)/