バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

フランス語再勉強中につき

2013-05-08 07:49:11 | バネ
 夏のカナダジュニアチームとの交流のためにフランス語学習を再会して2ヶ月が過ぎた。
 月2回、1回2時間の会話と文法のレッスン。「ある程度できる方でないとダメです」と言われ恐る恐る初回授業に参加した。
 そこはほとんど中高年の女性でなる20人ほどのクラスで、文法をフランス語で学ぶといった感じ。
 テキストにそって実に真面目に,真剣に進められるが、たった2ヶ月やっただけだけどここで得た実感は、「今更新しいことは覚えられない」ということ。
 会話を通じてふと飛び出して来るフレーズ。これは学生時代に覚えて使っていたもの。記憶の引き出しの奥にしまい込んでいたり,しまっていることすら忘れられていたものが一つ一つ探し出されて引っ張り出されてくる感じ。滑りが悪くなった引き出しをようやく開けると,中はホコリだらけで紙が散乱している。経年劣化で文字が薄れているものもある。これらを一旦外に出し,薄くなった文字は新しい紙に書き直し,順番をそろえて戻す。ついでに開けにくくなった引き出しを直しておく。こんな作業を繰り返している。学生時代のつっこみの弱さから、要するに適当な理解でスルーして文法的に追求して来なかったことが、経験による理解度の高まりから「そうなんだー」って合点がいくことはあっても、新しい引き出しを増やすことにはなかなか結びつかない。単語を調べたとて,うろ覚えのものが再確認されることはあっても、新規のものは記憶に残っていかない。しかしおもしろいことに、単語を辞書で引く、電子辞書ではなく紙の辞書。するとそこには何等かの書き込みが残されている。この単語は以前に調べたという記録が残されている。アンダーラインや書き込みを見ると、この単語を調べたときのことがフィードバックする。あのテキストのあの文のとき調べたと。

 脳みその引き出しを増やせるのは20代までなのかもしれない。年齢が上がってから全く増やせないと言うわけではないけど,若い時ほど容易には増やせなくなる。新しい引き出しを増やしたと思っても、それは100均の商品みたいで、日常的に使用するなら定着するけど、しばらく使わなかったりするとといつのまにかどこかに行ってしまったり、毎年買い直すことになる。その代わり年を重ねると若い時に増やした引き出しに、「経験」によって使い勝手に工夫を施していくことになる。引き出しの配置を変えたり,レールの滑りを良くしたり,中身を整理整頓したり。
 若い時に増やした引き出しのキャパが財産なんだなと思う。そしてその財産をどう活用するかが年の功なんだなと思う。

 学生時代に使っていた動詞活用辞典を開くと、そこにぼろぼろになったレポート用紙が1枚挟まれていた。それは動詞活用について分類整理し万年筆で書き記したもの。これをまとめようと思った当時の思い、使っていた文具、部屋、机。全てが思い出された。それだけでない。自分が手書きでまとめた文字はフィードバックさせる力も強い。自分なりに頭を整理してまとめた。その時の整理そのものがが思い出された。

 こういうことをいつも中学生に言っている。
 今はとにかく一杯詰め込もう。あとでゆっくり中身を整理整頓すればいいから,今のうちに引き出しを一杯増やしておこう。
 いつ増やす? すると、『今でしょ!』
 言われた話しがわかっているのか,何かを感じてくれたのかは疑問だけど,こういうときだけ声そろえて反応する君ら、本当だからね。今のうちに沢山増やした方がいいんだからね。