バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

今わかった、バンのお手柄

2018-03-09 10:54:45 | 川上犬
教室が雨漏り!
大変なことです。ということで屋根裏を点検すると…。
「小動物が住んでいた後があります」
と業者は涼しい顔でのたまった。

住んでいたことは知っている。
かつて天井を走る動物の物音に辟易し清掃業者呼んで相談するが、天井隙間が狭くて人が入れないからと却下されていた。ネズミではないもう少し大きい何かがいる。天井つついたり、見上げて大声出すけどいなくならず。
「やつだって生活してんだから」と言う人もありそのまま放置していたら、ほどなくして音がしなくなった。だから天井裏に何かがいたことは忘れていた。というより積極的に忘れようとしていた。

業者に残骸掃除してもらい、ネズミですか? それともハクビシンですか?と問うと、
「たぶん、あの様子はイタチじゃないでしょうか」
イタチ!
アッという顔をした私に、「何か思い当たることがあるのですか?」
そう、あるのです。
もう何年前だろう。庭でバンと戯れていたら突然バンが教室入り口のこんもりとしたあじさいの根元にダイブした。目の前でジャンプして、草むらにザザアーと飛び込んだ。
そしてドタンバタンと二度ほど大暴れしたすえ、ピョンと目の前に飛び出してきたバンの口にはイタチがくわえられていた。
ピカピカお目々で、ドヤ顔で。

そういえばその頃だった。天井裏の物音がしなくなったのは。
そうか、そうだったのか。
あればバンのお手柄だったんだ。

「そんな元気なワンちゃんだったんですか?」
はい、10歳の頃のことだと思います。亡くなって1年経つから、かれこれ7.8年前ですけどね、と返すと、
「霊前に手を合わせておいた方がいいですね」

営業マンの極意かもしれないけれど、いいですね、こういう人。

バンのお手柄話を帰宅したチャーに堰を切るように話すと、
「またバンか。そういうの親ばかっていうんだよ」
古い写真ひっくり返し、若い頃のバンの写真見ながら、あの時のイタチ事件を一人反芻する。



1歳の頃。小学生と戯れるバン



8ヶ月の頃 年賀状スケッチモデルとなる

おじいさんと犬

2017-01-16 11:30:06 | 川上犬
コインランドリー前を車で通りかかった時、前方から茶色の犬を散歩するおじさんがこちらに向かって来るのが見えた。

Nさんだ。

Nさんちのお孫さんがバネに通っていた。
授業終了時間に合わせてお孫さん迎えがてら、Nさんはワンちゃん連れてバネの門まで来ていたから、門越しにバンとNさんのワンちゃんとはかなり仲良しになっていたらしい。(飼い主の知らぬ間に)

そのNさんとバン散歩時にすれ違った時、
「うちのはちょっと手強いですから近づかない方がいいですよ」
と言うと、
「だいじょうぶ。仲良しだから」ってNさんが言い、先の門で仲良し事情を知ったのです。

それじゃあ、とバンのリードを緩めると、二匹は後ろ足で立ち上がり「わーい」と抱き合うのでした。この図、かなり絵になる。
Nさんのワンちゃんはゴロンとお腹だし、さかんに私にもアピールしてきたり、バンに飛びつきまとわりつき、バンが「ちょっと、うぜっ」て顔になるまでしつこくちょっかい出してきたりして。

こちらは散歩の時間もコースもまちまちだから、たまーにタイミングが合うとNさんと合流することがあって、そんなときは一緒にしばらく歩いたり、そんな日々が数年続いたかな。

久しぶりにNさんに遭遇。
もう犬触りたくてしかたないから、コインランドリーに車を止めると、もうワンちゃんはお腹出してゴロゴロしてきた。

Nさんちは白い秋田犬を飼っていた。高齢で亡くなったそのすぐ後に、今の茶色の犬がやって来たと記憶する。
うちはもう一度川上犬飼おうと申し込んでいるけど、2年待ちなんだと言うと、
「あと1回くらい飼えるよね?」
とNさん。
さらに、「うちはこれで終わりかな」と続ける。

Nさんちのワンちゃん、7歳。
前より太ってもこもこしている。

ラッキーとバン

2016-12-06 13:18:28 | 川上犬
庭に行かなくなった。
行く必要がなくなったから。

玄関出るといつも足下を付いて歩くバンがいないから。

でも、今ここにいる、と感じることたびたび。
そんな思いをもらすと、「自分もそうだった」と多くの人が言う。

先日90歳になった義父にも聞いてみたら、父もそうだったとのこと。
父はラッキーという名前の犬をとてもかわいがっていた。父が家を空けるときは世話を頼まれた。その日の日課の散歩を終えたばかりのところに父が帰宅し、着替えもそこそこにラッキーを散歩に連れ出そうとするから、「今行ってきましたよ」と言っても、「いいんだ」と言って散歩に連れ出していた。
「ん?」って顔でこちらを見ていたラッキーのちょっと困った風な、でも「ラッキー!」と小さくガッツポーズする風な顔が忘れられない。

犬がなくなったその日に駆けつけると、「ラッキーのために弔い酒飲んで下さいよ」とおちょこ差し出された。
その後ほとんどラッキーの話をしなかったので、父がラッキーの気配を感じていたと言ったのには正直驚いたし、これまで気がつかなくて申し訳ない気持ちになった。
さらに、「近所の人も皆そう言っていた。顔をなめられたという人もいるし、家の中を歩いている音がするという人もいる」と続いた。
そうやって父が近所の人たちと、亡き犬の想い出を語っていたということを今頃知ったなんて。

たかが犬って思われるかもしれないから実家の母にも、義父にも、バンがなくなったことはすぐに言わなかった。
告げたとき帰ってきた言葉は二人とも全く同じ。
「それは淋しいな」

淋しいっていう文字は木が寄り添って泣いていると書く。
今日の強い風に揺られながら、いつもバンが根元に穴を掘ってモグラ採りに興じていた2本のコナラも、泣いている。

もう虫も殺せない

2016-11-24 14:01:20 | 川上犬
松山に3日間行っていたので、月曜から大忙し。
分刻みでいろいろこなし、教室と自宅を行ったり来たり。
何度も出入りするから、つい教室の入り口を開けたままにして作業していると。

入り口のカーテンが動いたのが視界に入った。
あっ、バン。
バンが教室に入った感じがした。

いつもそうだった。
バンは庭のどこかでのんびりしていても、教室の戸を閉め忘れるとどうしてわかるのか、音をさせずに入り込んできてマットの上でくつろいでいたり、机の足下に来てゴロンとなったり。

さっき、はっきりとカーテンが揺れた。それもバンが入る高さで。
確認に行くと、入り口付近でミツバチがブンブン飛んでいた。

今日寒いのに。季節外れのミツバチ。

しばらくするとそのミツバチは入り口のカレンダーにじっと止まっていた。

中学生に見つかったから、「絶対にちょっかい出してはいけない!」
翌日も昼まで同じ場所に止まっていたけど、外出して戻ったらいなくなっていた。


絵に残しておく

2016-11-10 12:04:24 | 川上犬
バンがいなくなって2週間。
納骨を終えたので、落ち葉がたまっている庭掃除をようやくする気になった。
草取りする時はいつもバンがついてきた。先日、バンと最期の草取り、あの時も、ひなたぼっこを兼ねて目を細めてバンはこちらをじっと見ていた。
バンが走り回った庭、穴掘って、落ち葉に寝床をつくって、そんな跡形を少しずつ整理して落ち葉や草を袋に詰める。
そしてテラスを掃き清めていると、レンガの隙間に小さな花発見。春の庭のあちらこちらにツンツン咲き出すピンクの雑草がそこにあった。


その翌日、描きかけだった絵に最後の手を入れ、サインを入れながら、思わずバンを描き足してしまった。
ジワリジワリと浮かび上がるバン。
絵が完成すると、なんだか気分が落ち着いた。



リビングにはふわりとバンの毛が漂っている。
だから掃除しなかった。
それまで毎日掃除機かけ、時には朝夕掃除したリビングの床にうっすらホコリがたまっている。
ソファやテーブルを移動してていねいに掃除機をかけ、冬用絨毯を敷いた。



掃除が終わって、草回収依頼の電話を市役所にして、豆を挽いてテラスでコーヒーを飲んだ。



買い物のついでに、散歩コースの一つに寄り道した。
ここはいつも臭いチェックした場所、ここの犬にはいつも吠えられたなど思い返しながら。
景色はすっかり晩秋になっていた。



帰宅して、書いたままにしていた、川上犬を申し込むための資料請求はがきを投函した。

アルファクラブでは、床にしゃがんでノート書いていると小学生が背中に覆いかぶさってきた。
何度も、何度も。

バンのいない日常

2016-11-04 08:58:40 | 川上犬
バンがいなくなって11日目の朝。
朝起きてついバンを探したり、庭を確認に行ってしまったりする時もあるけど、少しずつバンがいないことが普通になりつつある。バンと過ごしていた日々が遠い昔のできごとのように感じられる瞬間もある。

授業中ついバンの話をしてしまう。
「バンがね・・・」って。
「またバンの話。しょうがないしばらくは続くから、聞いてあげましょ」なんて中学生に言われてしまう。
英語の例文を書くとき、dogを使うのを避ける。ここで犬を出しちゃうと、そのあと授業にならない気がするから。

「先生、また犬飼って」とか、「今度は猫がいいや」などと子ども達は自由に言ってくれる。
こうして日常が流れる。

覚悟の時間

2016-10-23 16:08:36 | 川上犬
 犬にとって最初の1年は人間の17年に相当し、それ以降は犬の1年は人間の3年分とも4年分とも言われる。だから今のバンは少なく見積もると人間で言うと64歳、多くて80歳。
 2月に体調を崩し、その後良くなったり悪くなったりを繰り返しながら少しずつ坂を下ってきたが、この1週間の衰えは著しく、もはや坂を下るのみ。
 体を自力で起こせないので、寝たら寝たまま。態勢だけでなく、一日中うつらうつらしている。1日数回起こし、支えながら外を歩かせる。駐車場を出るところまでが限界で、そこまで行くと自分で向きを変え家に戻ろうとする。ふらふらと出てきたバンを見つけると、近所の人も出てきて「よくがんばってるな」と声をかけてくれる。
 床ずれが心配なので時々体の向きを変え、さする。水も飲めないから、点滴で命をつないでいる。
 月曜から男の子用のおしっこキャッチ腹巻きみたいなのをつけていたけど、1週間うんちしていないから、昨日からおむつを着けることにした。
「おむつやると皮膚がただれるんだよね」
と老犬を看取った人からアドバイスあったから、赤ちゃん用のおしりふきで念入りに拭く。
「抱えてシャワーでおしり洗ったよ」
との話も聞いていたので、近いうちそうなることでしょう。





覚悟の時間をバンにもらっていると思う。

老犬介護の日々

2016-10-10 09:58:15 | 川上犬
またバン調子悪い。
もう今回はかなり、だめ。
全くたべられない。食べても戻してしまう。水も吐いてしまう。
だからまた点滴生活に戻ってしまった。


前回購入し冷蔵庫に保管していた点滴液をレンジで人肌に温め、200cc落とす。
点滴入れると少し元気を取り戻し、数歩ヨタリヨタリと歩き、しばらく立ち止まり、また数歩。そんな状況を数日続けている。

ガス警報器交換に来た人が、ヨロヨロしているバンを見て、「いつもだったらものすごい勢いで吠えるのにね」「うちのラブは14歳で亡くなったよ」などと高齢犬と過ごした日々のことを立ち話ししていった。電気検針の人は、「次来る時まで元気でいてね。」

ストックの点滴液が終わりそうなので、購入がてらバンを医者に連れて行った。
医者に連れて行っても点滴するだけだろうから、家でもできる。でも今のバンに対する先生の見立てを聞きたかった。

2月に具合悪くなり、もうここまでかという思いで医者に連れて行くと、「この毛並みや顔つきみると、今すぐにだめになるって感じじゃないよね」と看護師さんと話していた。今回やいかに。

「バンちゃん、久しぶり」と迎えられ、ヨタリヨタリと自力で診察室に入る姿を見て、「すぐにどうのこうのという感じじゃないよね」と。こちらから「どうですか?」と探ったわけでもないのに、先生はこちらの気持ちを読んだのか先回りして言ってくれた。

「急に寒くなったりしたから、最近体調崩した子が多いんですよ」
聴診器を心臓に当て「すごくいい音している。」

診察台の上で点滴を入れるバンの体を支えながら、最近老犬介護の人と知り合いになること多いなどと世間話すると、
「そうやって飼い主さん同志が呼び合うんですよ。情報交換して、(介護を)そこまでやるのか、だったらうちももっとがんばろうとか、うちの方ががんばっているなと思いさらにがんばることができたりしてね。」
なるほどね。
やっぱり今日、医者にきて良かった。

点滴が終わり診察台から下ろすと、バンはヨタリヨタリと奥の部屋へ向かおうとした。この奥はペットホテルになっていて、度々お邪魔している。
「バンちゃん、今日はお泊まりじゃないよ」と言われ、待合室に出てもまだ奥に未練残している。
こちらの居心地いいんだね。



バンと土手散歩

2016-09-10 19:53:24 | 川上犬
朝6時。
さて起きますか、って感じで立ち上がるその物腰に、いつになく力強さを醸し出すバン。


今やバンの寝室となっているリビングから庭に出て、とりあえず一晩留守にした庭をパトロールしがてら準備体操するバン。
庭に出ると、ギャロップで駆け寄ってきた。
久しぶりに見るバンの駆け足姿と、いつになく力のある目。

じゃ、天気いいし、土手行くか。
もう使うことないかなってどこかにしまいこんだ延長リード探すけど見つからない。なんでこうなんだろう。いつも、こう。いざ使おうと思うと見つからない。

車で利根川土手まで行く。
途中までいつものバン医者コースを走らせていると、バンとしては、「医者行くんでしょ」って知った顔で助手席でちんまりしていたけど、医者コース外れその先に進むとバンは立ったり座ったりして急にソワソワし始めた。

バン久しぶりの土手だけど、私も久しぶり。バンと散歩で来なくなってから土手来ることほとんどなかった。
土手脇の民家軒下に繋がれていた犬、いないや。犬小屋もなくなっている。



土手到着。
車のドア開けると、ワーイって運転席側から飛び出す。
もうダッシュすることないからリード外してみる。ランニングすると、「まって〜」とバンが走った。
うわー、バン走った!



こんな日が来るなんて。
明日も連れて来よう。
帰路、バンは車の中で座りこむ。さすがに疲れたね。


歩く姿は皇室犬

2016-08-30 15:45:38 | 川上犬
夏休みは夏期講習だけでなく、結構出かけた。
そしてその間、バンを動物病院に預けた。
7月後半、長野合宿での4日間。
8月上旬、岡山インターハイで7日間。

食べない。正確にはドッグフードは食べない。缶詰でもだめ。高級ランクでもだめ。パック開けた瞬間に顔を背ける始末。でも人の食事なら食べる。そして、吐き戻す。ほとんど1日中寝ていて、歩けばヨタヨタして座ったままおしっこしてしまうこともある。こんな状態で預けて大丈夫なのだろうか。もし前日状態悪くなったなら、長野合宿は行くのはやめよう。チャーは「それは、困る」っていうけど、ここは一つバン優先ってことで。

食べては吐くの繰り返しだけど、おおむね大きな変化はなかったので動物病院に連れて行くと、「バンちゃん、よく来たね」と先生はバンにエリザベスを装着。そしてバンは先生に抱っこされて奥の部屋へと消えていった。
食べると吐き戻しするんですけどと伝えても、「大丈夫ですよ」と先生はとてもおおらかに迎えてくれた。3月にも何日かこちらにお願いしているから「先生はバンちゃんのことわかっていますから」と看護師さんも大丈夫と言ってくれる。

長野から帰り、速攻でバンを迎えに行くと、預ける前より元気になっている。
「ごはん、ちゃんと食べてましたよ」って説明だったので、何を食べたのかと確認すると、「これです」と差し出されたのはごく普通のアルミパックフード。ただし小さい。100グラム。
「これを1日3回でしたよ。」
そこだ!
1日3回、それだ。なんてこったい、とガーンとやられた感じ。
本で読んで知っていた。子犬や高齢犬は一度にエサをやらずに、小分けにやらないといけないと。なのに、バンにはずーっと1日1回、それも我々の遅い夕飯の時間帯にまとめてやっていた。高齢になってもその調子だった。これがいけなかったんだ。

すぐに同じアルミパックを買い、朝、昼、夕3食生活に変えた。


電気検針の人。宅急便の人。コピー集金の人。いつも来ている人がすっかり弱ったバンに気の毒そうに声をかけ、「来月来られる時までもつかわかりません」なんて言うと、皆頭をなでたり、中には写真撮ったりしていったのに、
今や3食規則正しい生活のおかげなのか、高齢なりの問題、見えないとか聞こえないとか、足あげておしっこできないとかは抱えているけど、それなりに落ち着いて生活している。

バタンと寝ている姿見て、「あっ!」と凝視し、腹部がかすかに上下しているのを確認してホッとするなんて日々を続けていたけど、こちらもバンの老いに慣れ、高齢犬とはこういうものとなじんできた気がする。

つい半年前まで散歩の時はハッ、ハッと全身で引っ張り、全力で走っていた。ゆったり優雅に歩く犬をうらやましく見ていた日々が遠い昔のよう。



気休めサプリの効果

2016-05-28 09:39:20 | 川上犬
「バンちゃん元気ですか?」
なんて方々から聞かれるので,しばらく様子見たうえで、もう元気になったと確信できたので先日ブログに「蘇ったバン」をアップしたのに。

アップした数日後、「ヒエーン」と変な鳴き声をたてた。
後ろ右足が固まっている。立とうとしたがまく立てず、しかも少々痛みもあるらしい。
以前にもこんなことあった。
かれこれ数年前。昼寝して起き上がろうとした瞬間「キャー」と叫ぶ。何事かと駆けつけると後ろ足を痛そうにしていた。獣医さんに相談すると、「それは加齢で節々が痛むようになったのでしょう。痛いことに驚いて鳴いたのでしょう。」
「気休めだけどこのサプリ飲ませてみて下さい。」
と渡されたのは,関節痛に効くという錠剤10日間お試し分。多分こういった類いにものをバンが口にするわけないなと思いながら受け取った。そのサプリのリーフレットには、高齢になる前に予防的に飲ませると良い云々が書かれているから、痛くなってから飲むんじゃもう遅いじゃんという思いが満載。7歳くらいから予防的に始めるべきだったらしいということがわかり、ちょっとがっくり。
案の定バンはサプリには見向きもせず,口に無理に押し込むとペッと吐き出すし、お医者さんが帰り際にも「気休めだけどね」と追加していたから無理に飲ませることもなくそのまま様子を見ていたらいつの間にかバンは痛がらなくなった。
どうやらお医者さんのアドバイス通り、バンは痛いことに慣れて、こういうものだと受け入れたと見える。その後時々起き上がった直後に後ろ右足が麻痺したかのように動かず、「ヒャーヒャー」騒ぐことはあったけど、しばらくすると普通に歩き出すから、「あれはきっと足がしびれたんだ」と判断していた。

しかし今回のはこれまでの騒ぎとはちょっと違う。
後ろ右足が動かない。だけでなく元気もない。うまく立てないから座ったままで食が進まないし、水もうまく飲めない。
目も何か刺さって痛めたみたいなので、先日「元気になってびっくり」と言われたばかりのお医者さんにまた駆け込むと、
「飼い主さん、目薬させますか?」
それは大丈夫。前回でいろいろ工夫したからコツはわかってる。
後ろ足の件は、「筋肉落ちたから,冷えて血流悪くなったのでしょう。ズボンはかせると良いかも」
なるほど。そういえば数日寒かった。
さらにフィラリアの薬処方する前に念のため血液検査すると,極端に貧血進んでいることが判明した。
何か決定的な問題がありそうだけど、このまま様子見るしかないという空気が診察室に流れた。「高齢だから,いろいろ調子悪いところがでてきますね」
というわけで、またまた,とりあえずこのサプリ飲ませてみたら、「気休めだけど」。と言いながら10日分サンプルをいただいた。今回も前回と同じ、足腰に良いというサプリ。

サプリか・・・。はたまた、ズボンか。どっちも無理だろうな、と思う。

しかし今回はちょっと違った。
最近よく食べる。いつでも食べたい。じゃんじゃん食べたい。少々認知症もあるらしく、「わし、まだご飯もらってなーい」って叫び続ける。そんなバンの口元にサプリを出したら,クンクンと嗅いでパクリ、モグモグ,ゴクン。
ありえない!こういう展開。絶対進んで食べるわけないと思っていたのに,自ら口に入れ、さらにモグモグと味わって食べるなんて。
さらにあり得ないことに、その翌日から心なしか足が軽快になった。
元気にもなった。
あのサプリの効果?
お医者さんから「気休めだけどね」の言葉があったにもかかわらず、何事にも奇跡や例外はあるのだと一抹の希望の光を見つけようとしながらサプリを食べさせる日々。







蘇ったバン

2016-05-18 11:39:14 | 川上犬
2月に16歳を迎えたバンは、どんどん弱っていった。食べることができないから点滴で何とか繋ぎ、明日まで持つのだろうかと思う日々を過ごしながら1ヶ月半が過ぎ。

こんなことならもっといっぱい散歩してやれば良かった。もっと家の中で過ごさせてやれば良かった。ぐったりと寝続けるバンの姿を見て後悔の日々。

そして迎えた4月。
まさに4月1日。
なんだか今日は顔つきがいいぞ。目に力がある。
缶詰のだけどドッグフード食べるぞ。しかも吐き戻ししない。
どういうこと?昨日まで寝たきりだったのに。
食べるのだからとりあえず点滴はやめにして数日様子を見ることにした。
そうこうしているうちに日々足取りがしっかりして、鳴き声も少しずつ大きくなって。
先日までの状態からして、突然回復に向かいつつあるとはにわかに信じがたく、しばらく様子を見るうち1ヶ月が過ぎた。
いよいよ元気になったと確信できるようになったので、療養中だからとパスしていた狂犬病注射を受けがてら獣医さんにこの状況を報告しに出かけてきた。

「あれから1ヶ月何も連絡ないから、飼い主さんは毎日泣いていると思いましたよ。」
先生曰く、バンの状況からもう施す手はないながらにあの手この手をいろいろやってたので・・・。

老犬になって筋肉落ちて体重が10キロ程度になったものの、具合悪い最中は7キロにまで激減していた。この日診察台に載せると、8.5キロ。
「あ、増えてる」
と先生。
「まさか高齢のバンちゃんがこうやって蘇るなんて。こういうことがあるから、わからないものですね」と続ける。
そう、だから何もしないで諦めなくてよかったね、ということですね。

こうしてまた夜は家の中に入り込み、人間の食事みて「俺にも食わせろー」「もっとよこせー」と絶叫する日々に舞い戻り、それはそれでいやはやな毎日なのです。

具合が悪い時は鳴くどころか全く声を上げなかったのでしばらくお蔵入りしていた「バウリンガル」を久しぶりにスイッチオンすると。
「なにしてあそぶ?」
「こっちはよういできてるよ!」
「こっち見て!」
「ウキウキマンボー!」
だって、言ってろよ。

燦然と輝く17枚の犬の登録シールはバンの勲章?
こうなったら20枚目指したい。

犬の気持ち

2016-03-25 12:44:56 | 川上犬
世代なのか、介護が急速に身近になってきた。
そんな中16歳を迎えたばかりのバンが急速に弱ってきて、こちらも介護に突入。
ものが食べられない。正確には食べるけど腸に降りていかない。食べても全く消化しない状態で吐き戻すことの繰り返し。
こうやって1ヶ月半が過ぎ、ついに今日から自宅で点滴をすることになった。

検査しても原因がわからないから対処方法は延命の点滴のみ。
春が来れば元気になるかもしれない、一縷の望みをかける日々。

毎日同じ時間に行くと、同じ人が同じように点滴に通っている。うちは15歳でもう1年通っているという猫を抱いた女性。その方曰く、最近はものが食べられるようになってきたとのこと。先生に「家で点滴やってみる?」と言われたけど、怖くてできないから毎日通っていると。ふー、そうなんだ。これは長丁場になるかもしれないな。

バンが具合悪くて介護状態だというと、実はうちもそうだったと高齢ペット介護経験飼い主が周りに多いこと、多いこと。身に降りかかってわかることって多いね。

犬の点滴は人間のように血管に入れるのではなく、肩甲骨の間の皮膚をつまみ皮下に流し込む。200ミリリットルが5分程度で入り、前足の付け根あたりに水の袋ができる。

「家で点滴やってみない?」と言われ、ついにこの日がきたかと思いながら、その日の先生の点滴のやり方をつぶさに見て覚えた。そして翌日は、針を刺す部分の毛をバリカンで剃ってもらい、実際に自分でやってみて、これならいけそうだということで点滴パックを受け取って帰ってきた。

さて、やるぞ。
まずバンを玄関前に出す。
点滴パックを電子レンジで人肌に温める。
点滴をクリスマスリースや正月飾りを吊す玄関フックにかける。
お医者さんが用意してくれたアルコール綿で、バリカンはげ部分を拭く、
針カバーを抜く。
針を刺す。(大丈夫、痛がらない)
バンが動かないように押さえて5分待つ。

とここまでは医者でいつも見ている一連流れであり、昨日医者で練習したとおり。
しかし、この後が違った。
バンがもぞもぞする。
ブルブルしそうになる。
手を離すとどこかに行きそうになる。
あと100ミリリットル、あと50、がんばれ!と声かけながらバンを押さえ、180くらい落ちたあたりでバンの落ち着かない感じにこれ以上は無理と思い、針を抜きバンを離すと。

一歩、一歩ふらつきながらしか歩けないはずのバンが、すたすたと小走りに庭の奥に行き、一気に吐き戻した。ここ3日分胃袋にあったものを、ドバーッと。
そして吐ききるとバタンと力尽きるように倒れた。

犬の気持ち。
今ここで吐いてはいけない、などと気を遣ったのですね。

バンとの仲良し度を測る

2015-10-05 11:55:36 | 川上犬
バンはもともとは外犬だけど、高齢なので家の中で過ごすことも多くなった。
こちらが食卓を囲んでいるといろいろ要求してくる。
最近めっきり耳が遠くなったから、いっそういけない。自分で聞こえないもんだからか、鳴き声やたらと大きい。声帯全開で訴えてくる。
唐揚げをはしでつまんで食べようとすると、
「なにそれー。オレにもちょうだいー!」
とさわぐ。(たぶん)
焼き肉口に入れる様を足踏みしながら目を光らせて
「オレも食べるー、食べるー」とさわぐ。(たぶん)
こっちが目の前で食べてりゃ、そりゃ食べたくなるでしょ。だからだいたい食事中の訴えはこんなもんだと思うけど、家の中で一緒にいる時間が長いとこれ以外にもいろいろ随所で吠える、というかしゃべる。

以前「バウリンガル」という犬語翻訳機おもちゃをレジに並んで即買いした。
これでバンと話ができる!とルンルン、ワクワクしながら装着したら、
そこに表示されたバンの言葉は、通常バンとのやりとりで十分理解できている範囲のことだった。バウリンガルというのは、蓄積されたデータを元に(?)犬の声色で気持ちを判断し日本語に翻訳してくれるというもの。犬の気持ちは声だけでなく、表情やボディランゲージによるところが多いので、何もこんなおもちゃに頼らなくも十分バンの言わんとすることはわかるぜい!と、そのままバウリンガルはその辺にほおっておいた。

家の中にいるバンは前より鳴く、というよりしゃべる。今何訴えているんだろ?という状況で判断できないことも多くなったから、バウリンガルを探してきて電池入れ直して久しぶりに装着してみると・・・。

リビングを歩き回っていると、
「ヤッホー、もりあがってきたぞ!」

洗濯物取り込みに二階に走って行くと、
「ボクもお手伝いしたい!」

唐揚げ食べているときさわぐから無視していると、
「こっち見てお話しして!」

さわぐバンをチャーが叱ると、
「涙がちょちょぎれるぜー」

やっぱ、バウリンガルすごいわ。
外犬時代はバンのボキャブラリー少なかったらたいしたこと言っていなかったけど、というか我々とのコミュニケーション薄かったからたいしたこと言う機会少なかったんだろうけど、こうして生活時間を共にしているとこんなにもいろいろ語っていたんだ、バン。

このバウリンガルのもう一つすごいところは、キャッチした声のデータから飼い主との仲良し度が表示されるという機能。これまで「なんだこれ」ってすぐにポイしてしまったからこんな機能があることに気づいていなかった。

さてそれによると本日の仲良し度は。
64%
あの、涙ちょちょぎれ事件がいけなかったね。

隙間時間にバンの絵を描く

2015-10-05 09:54:34 | 川上犬
パソコンが突然落ちた。
1年ほど前にも1回あった。そして1月ほど前にも。
それぞれそのときはすぐに立ち直ったけど、今回はそうはいかなかった。
NPOの資料を作成し、メモリーキーにも保存し、さて印刷・発送作業にとりかかろうかということろでのパソコントラブル。今回はすぐに立ち直らず、いつもの方にパソコンレスキューをお願いすると・・・。

どこか痛くなって、たとえばお腹とか、どんどん痛くなって週末我慢して、いよいよ病院行くぞと決意して、実際いくのは水曜あたりで、ようやく医者の前に座って、「昨日までここが痛かったんですけど、このあたりだったと思うんですけど・・・」などというやりとりをどれだけしたことか。

今回も同じことになった。
パソコンレスキュー隊員が電源を入れると。普通に動くし。
「突然落ちて、何度電源入れ直しても動かなかったんですよ。前にも突然落ちたし・・・。」
とその時、二人が画面を見つめる前で、突然落ちてくれた。

レスキュー隊員がその症状を目の当たりにしたことから、「これまでずいぶんがんばったのだから、新しいものに取り替えましょう」という結論になり、だったらこの際完璧にしましょうということになった。
最後の力を振り絞るかのように古いパソコンが動いているうちに、外付けハードディスクにデータ移行し、新しいパソコンのセットアップを急ぎ、後はつなぐだけという状態まで準備されたところで、また古い方のパソコンは、落ちた。
もうそれきり。うんともすんとも言わない。

というわけで今回何を言いたいかというと。
突然のパソコン故障から1週間、何とか動いているうちにデータの確保と新しいパソコンの準備を急ぎながら、こんなことならもっと早く、以前調子悪くなった時に、もっと早くに対応しておけばよかったと悔やみ、焦りながらの作業であったのです。レスキュー隊員は、「今日までよく頑張ってくれたね」と完全にパソコン擬人法で語りかけ、さらには本体をなでなでまでなさる。その様を見て、そうか、自分にはいつも相棒のように働いてくれているパソコンへの愛情が足りなかったなといたく反省。だからこれからは古いパソコンとか新しいパソコンなどと言うのではなく、○○ちゃんと固有名詞つけた方がいい。

昨日はパソコン使った仕事ができないから、ポッカリと時間が空いた。
じゃ、この時間にバンの絵を描こうと思った。

15歳8ヶ月になるバン。
今のうちにバンをたくさんスケッチしておこうと思うのに、まとまった時間がとれないでいた。
そんな矢先、ここ数日元気がない。散歩に行ってもトボトボ歩くし、鳴かない。医者に連れて行くと「季節の変わり目だからね」と言われたものの、いよいよもって急いでバンの絵をたくさん描いておこうと思う。