バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

農業は紐がポイント!?

2017-04-19 08:39:38 | NPO法人アルファバドミントンネットワーク
 NPO主催のハイブリッドスターライスプロジェクト、種まきを終えた。
 JAに務める卒業生に、種まきやるんだと言うと、「はしゅですね」と言われた。星野さんにいただいた作業スケジュールに『播種』と書かれていたが、そうかあれは「はしゅ」と読むんだ。
 田植え体験、稲刈り体験、そして収穫した際のわら有効活用でしめ縄づくり体験は多くの団体がやっている。しかし、播種からやるところはそう多くはないでしょう。
 播種はたいしたことやらないから少人数で来るようにと星野さんから言われていたので、陸上部3名、バドミントン部3名、計6名の精鋭達で行うことになった。
 競技が違うとこうも体型違うのかと感心するほど、ギュッと絞られた無駄のない骨格をした陸上部員達。無駄がないのは体だけではなく、口数も表情も。最初に発した声は返事の必要ないところでの「はいっ」だった。

 播種作業とは、苗床に土を敷き、水をかけ、種をまき、かぶせ土をする。この一連の作業は機械がやってくれるのだということが現地で初めてわかった。この作業での隊員の仕事はトレーをベルトコンベアに乗せること。出てきたトレーを台車に乗せること。そういえば最初の打ち合わせの時に、星野さんが「人手がいるのはハウスに運ぶときだけかな」って呟いていたな。
 とはいえ隊員はこうして来た以上は何か仕事をせねばと右往左往し、それぞれの持ち場を各自見いだし役割分担していった。ベルトコンベアによる流れ作業でトレーが動くと言ってもそれは工場のライン作業のように高速移動ではなく、非常にゆっくりとゆったりと進む。だから隊員達もその動きに合わせゆったりトレーを手渡し、置き、受け取り、運ぶ。少ない仕事に全力でとりかかろうとするから、とても丁寧な動き、手さばきとなった。こうして少し汗ばんできた頃、陸上部員の表情が緩やかになり、透明感のある笑顔が出るようになってきた。
 丁寧にモサモサ動く我々の周りを星野さんご夫婦はさりげなく先へ先へと歩を進めていた。
 星野さんが奥からガーッと出してきたのは、トレーをハウスまで運ぶ為のリアカーみたいなカート。これでハウス入り口まで移動し、並べる。
 ただ並べるのではない。整然と隙間なく、曲がらず並べる。そのために星野さんが目安となる紐を張った。「農業は紐がポイントなんだ」とチャーはしきりに感心。さらに、農業とは知恵と科学と化学とテクノロジーの融合だ!とかなんか小難しいこと言っていた。

 ようやく仕事らしい仕事ができると全員でトレーを運ぶ。
 運び終え振り向くと、いつされたのだろうか、銀色シートが被されていた。アルミホイルのようなこのシートは優れもので、保温力があり、光を通すのだそうだ。これで10日ほどで苗がびっしり出揃うらしい。途中温度管理や水やりについて質問したものの、管理は星野さんにお任せになってしまう。

 こうやって作業する間にも、肥料や種を買い求めに農家の方がやって来た。
「おっ、兵隊達いっぱいいて、いいな」
 やって来たおじさんはしばし高校生と談笑していった。

 一通り作業を終えお茶飲みながら、次は田植えだねってスケジュール確認していると、「手が空いた何人かは炊き出しやればいいよね」って星野さんが言った。
 星野さんの一言に一瞬心がざわりとした。
 そうだ、炊き出しやるんだった。言い出しっぺなのに、炊きだしのこと心の隅に追いやっていた。田植え当日は高校生と一緒になって泥いりじするイメージばかりが膨らんでいた。小学生の時に学級園での田植えで男子にミミズや蛙投げられた雪辱戦カムバーックの図ばかり拡大し、炊き出し業務に張り付く自分がどこかへ行っていた。
 田植えの前に炊き出しリストアップ、買い出し、下準備せねば。






桜の花びらが舞う夜

2017-04-15 16:03:36 | ライフスタイル
 4月からNPO新年度会計に入り、新規入会だけでなく、会員の皆さんからぽつぽつと2017年度会費の納入がある。
「振り込みました」との連絡がメールで入る。入金確認してお礼メールを送る。なかには直接事務局に持参いただく。
 会員となってアルファの活動を支援する方々なのだから身近な方が多いのだが、意外と直接会う機会は少ない場合もある。
 会費持参し、「お久しぶりです」ということになる。

 昨晩もそうやって会費持参がてら古い仲間が訪ねてきたのをきっかけに、夜遅めの食事会となった。
 以前はこうやって毎晩集まっていた仲間。お互いに「懐かしいね」「あの時はよかった」を連呼する。そうやって屈託のない人たちと大笑いしているうちにふと気づいた。

 あの時はもう二度とやって来ないということを。

 当たり前のことなのに、言葉ではわかっていることなのに、実感した。
 しばし席から外れソファでくつろぎ少しは哲学的な顔をしていたのか、その表情に気づいた夫が「んっ?」って顔でこちらを見ている。

 あの時と同じ今は絶対実現しないということに気づいた、だから今は……、とこの場でわざわざ口に出して言うことでもない。でも夫は何か言葉を求めているから、ぴったりな言葉は見つからないなりに、だいたい言い当てているから、「人生は片道切符って言うじゃん」と言うと、「そうだな」と実感のシンパシーが返ってきた。表現はどんぴしゃりではなかったけど、伝わったようだ。

「明日早いから」でお開きになった。
 以前ならこの時間では終わらないメンバーだった。
「またやろう」と口々に見送ると、夜空に桜の花びらが舞っていた。
 



わいわいする,ワクワクする。

2017-04-03 15:13:19 | ライフスタイル
昨日のビフォー・アフターはさだまさしさんの詩島改造。
依頼主のさださんは、潮風にあたり、放置され朽ちてしまった管理棟やバンガローを改造したいとのこと。
島で気のあった仲間とわいわいやりたいと宿泊できる施設が備えられ,数年前までは管理人さんまで住み込みでいたらしい。

改造を始めるにあたりまず建物内の片付け手伝いにとボートで駆けつけたのは、さださんの高校時代の同級生達。
そして改造が始まった。
リビング、寝室、バスルーム、洗面所、トイレ等改造進めるが、その際のポイントは常に来客が快適に過ごせるかどうか、みんなでわいわいできるかどうかに置かれていて、普通のお宅の改造とはちょっと違った。

いつものことながら、工夫と努力で予算内で素晴らしい建物ができあがった。
完成後はきっと先ほどの同級生達がやって来て打ち上げするんだろうな、とほくそ笑んでみていると、案の定皆さんボートでやって来た。片付けの時より人が増えている気がする。

何のために改造するのか。
友達といっしょにわいわいするため。
そのためにお金をかける。

これだなと合点がいった。
何のために働き,何のために金を使うか。


ふむふむとおかしさ、楽しさがこみあげ、これからの道に思いを馳せていると卒業生から電話があった。
自営業を営む彼曰く、

「俺も45になったし、自分が楽しめてワクワクすることを仕事にしてもう一がんばりします」
さらにこう続ける。
「ドーンとやって、うまくいったら体育館建てて寄付しますから」

いいね、その心意気。「3面以上でお願いします」

ぞくぞくっとくる高揚感が伝わってくる。
春っていいね。

つられて何かしたくなる。
大きな事業始めるような甲斐性ないから、せめて庭に花の苗植えるか。
家建てた時に植えしばらく楽しんだけど、いつの間にか枯れてしまったユキヤナギをもう一度植えることにした。ついでに花壇用の花やハーブの苗を買いそろえた。
あとは植える時間を捻出するばかり。




職員室の片付け

2017-04-01 17:42:24 | バネ
新しいコピー機入れるために,バネ職員室片付けていろんなモノが出てきた。
その中の一つ。
こうやって通常じゃ出会わないものに出会ったのだから、コピー機新調で費用かかったけど,悪いことばかりではないね。

これは20年前,バネ始めた頃のイラストFAXだと記憶する。
訪ねてこられた仲人さんに送ったお礼メッセージ。

この絵の様子だと娘は2歳くらいで、転がり込んできたばかりと思われるデブネコのエリがいる。

コピー機入れるために今ある棚を新しいモノに入れ替える。
コクヨのカタログ広げ,
「この棚に入れ替えるから,今ある棚の撤去手伝ってもらえますか?」
と営業さんにお願いすると、すぐさまカタログの品番メモし、
「それはこちらで用意します」
だって。もちろん新しい棚の搬入や組み立てもやっていただけるとのこと。

年度末で急いでいるという先方の事情に忖度し一緒になって急いで対応したけど、自分の事情じゃないからこそ無理が利いてがんばれちゃうんだよね。自分の都合なら、「ここの片付けはこの次にしよう」となり、結局やらないで終わったことでしょう。だからこそこうやって引き出しにしまい込まれたものは、20年前のものなので、こんな忙しい,特に春期講習中で毎日立て込んでいるこの時期に片付けするなんてあり得ないでしょ。
放り込まれていたのは「なつかしー」ものばかりで、保存するか処分するか悩みながら資料を半分にすることができた感あり。

捨てられないものの置き場所、どうするんだー。