バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

30周年を機会に、30年を振り返ろうと思うが、

2017-10-27 11:38:10 | ライフスタイル
 バドミントン部の創部30周年記念祝賀会が10/28に行われる。

 一からスタートして30年が経った。陳腐な表現だけど、早かったなー、というのが実感。
 記念祝賀会を前に、自分なりにこの30年を振り返ろうと思うが、その言葉がなかなかまとまらない。

 30年前、スタートした部活を前に「何かすごいことが始まろうとしている」と直感し、その後紆余曲折がありながらも「この生活は人並みじゃないけど、人並み以上のものがある」と頭で理解し、その後実感し、そして今、一緒に走ってきて良かったなとしみじみ思っている。
 これをどうまとめるのか。

 10周年記念の時に文集に寄稿した。久しぶりに棚から引っ張り出して読み返した夫が、「いい文章だったよ」というので、自分も読み返してみた。そこには今と変わらない自分がいた。20年前に書いたものなのに、思いも見ている景色も今のままだということがわかった。そして他のことも思い出した。
 それは20周年記念祝賀会のこと。いきなり10年間ワープした。20周年記念祝賀会は学食でやった。当時保護者だった自分は割り当てで鍋一つ分のビーフシチューを持ち寄った。たくさん作り置きしたので家にも鍋一杯分のビーフシチューがあると言うと、祝賀会に出席していた元保護者達がダーッと家にやって来た。温め直したシチューをみんなで食べたあの日。あれからもう10年も経っていたというこの事実に愕然としている。想い出に浸るというより、10年前のことがつい先日のこととしか思えない事実が胸に響く。

 30年前に、必死に食らいつこうとしている部員を前に鳥肌が立ったあの日、何かすごいことが始まろうと直感したあの日、遠くに延びる道が見えていた。その道がどこまで続くのか、ゴールはどこなのか、ゴールまで何があるのか、それは全くわからないがとにかく1本の道が延びていた。今もまだその道の途中にいる。今辿り着いているここからも、前に見たのと同じ景色が見える。同じ様に道が長く延びている。

 始まりではないし、終わりでもない今。
 一区切りとして30年を振り返ろうと思うが、歩き続ける足を止めることなく、今日のこと、明日のこと、来年のことを気にかけている自分がいる。









旅は道連れ世は情け

2017-10-10 10:54:34 | 旅行
ノボさんを機内で読破できないまま松山の人となった10/6。

松山二泊三日の旅だけど、国体応援のために行くのだから旅ではない。
でも国体って団体戦だから,個人戦みたいにみっちり試合が詰まるわけじゃあないから,観光もそれなりにできそうなのでそれなりのスポットを事前リサーチしておいた。

1日目体育館到着したときは,体育館前駐車場満車により坂の下にある町役場に駐めることになった。去年日本リーグ観戦に来たときに買い出しスタッフが坂を歩いて移動しているのを見て「こりゃたいへんだな」と思いながら脇を通り過ぎた道をこれから上ることになるんだ、と思いながら駐車場誘導スタッフの指示に従い坂を下りた。

パンプスを鳥取のワールドウィングで買ったBIMOLOシューズに履き替えたから、坂は苦もなく上ったが、そんなんだから車気楽に取りに行けず試合の合間に出かける気にはならず,千葉県男子の試合が終了する夜8時過ぎまで体育館缶詰。



さて、2日目、試合前に子規記念博物館に突入。ここは1泊目のホテルからほど近くにありホテルに車を置いたまま行けちゃう。
今年は子規、漱石生誕150周年記念ということで特別企画展も開催されていて,常設展と企画展セット券購入し音声案内ゲットしいざ入館。JAF割引でちょっとお得になった。JAFってお世話になることないけど、こうやってちまちま割り引き利用できるからそれはそれでいいね。




やはり予備知識があるとないとで展示物の楽しみは数倍違うぞなもし、と館内反芻しながら歩を進め,子規ってキャラだけじゃなく顔までチャーにそっくりなんだという大発見をし、一人ほくそ笑みながら堪能すること1時間。展示出口でまだこれは常設展のみだったことがわかると同時に、試合の予定時刻を12時と午後2時を勘違いしていたことに気づき、少し焦り、でも20分間の映像案内に参加し,駆け足で企画展を通り抜けようとしたその時、一人の女性に声をかけられた。

「俳句はお詳しいのですか?」

にわか子規ファンなのでたいしたことは知らないので、「えぇ、まぁ」ぐらいにお茶を濁し,お土産に子規日めくりカレンダーを購入し試合会場へと向かった。



2日目のホテルのチェックインしたのは夕刻。
何回か松山に来ているのに行く機会がなかった松山城に今回は行くぞな。

歩くか、ロープウェイで行くか迷いながら天守閣入場とロープウエイ往復セット券購入。ここはJAF割引はなかった。
リフトとロープウエイどちらでも好きな方がチョイスできるというので,リフトは乗り降りで失敗しそうだからロープウエイに向かうと、
「この時間ならリフトをお勧めします。帰りにロープウエイされたらどうでしょうか?」
と案内のお姉さんに言われ,ではそうしますとリフトに行くと,結構高齢者もチャレンジしていた。

右手をバーに回ししっかりつかみ,左手で荷物落とさないようにギュッと握りしめて乗る。
しばらくして落ち着くと、向かいから下山する人たちはバー捕まっていなかったり足ブラブラさせている様子に気づき,バーに回す腕からそーっと力を抜く。



そこからは松山城天守閣を延々と目指す。
石段を登り,場内は狭い階段を上りてっぺんに到着。



てっぺんの天守閣は風がスーッと抜け気持ちいい。
山も海も同時に楽しめる景色と松山の風をしばし堪能し階段を降りると、「あれ、もう出口?」ってくらい楽に外に出た。往路、復路の体感差、ハンパない。リフトのあれと一緒だね。

次は道後温泉別館を目指していたので,とっととロープウエイ乗り場に向かい歩き始め前を歩いていた女性を追い抜きざまにチラッと見ると,一瞬「ん?」となった。あれ?と思ったけど,私は人の顔を覚えるのが苦手だから人違いかなと思いスルーすると、その女性は駆け寄ってきた。

「さっき、子規でもお会いしましたよね?」


やっぱり、そうでしたか。
歩きながらべちゃべちゃしゃべると、その方は家族の国体応援に一人旅で新潟から車でやって来たのだという。観戦は終わったけど一人気ままに松山をもう何日も旅しているのだという。
その女性はしきりに「ご縁があるのかもしれない」と繰り返していた。

車を下の駐車場置いているから次の目的地道後温泉まで送りますという展開になり、お互い一人旅で困るのは夕食ですよねと意気投合し二人で居酒屋に入り、温泉もご一緒することに。
ジワリジワリと通りすがりの人が道連れの人になった。

オープンしたての道後温泉別館を目指していたが、居酒屋で相席になった人が、「関東のスパと変わらないよ」と二人声をそろえて言うが、せっかく来たのだからと1階だけ入ってみるかと入ると、確かに設備は関東のスパ風だけど,湯は本物。汗出る。じゃんじゃん出る。


「こんなにゆっくりお湯につかったことないのですよ」
という同行の女性にホテルまで車で送っていただいた。
別れ際に「明日のバドミントンの応援行くかもしれませんよ」
と言っていたとおり,翌日本当に応援に現れ,飛行機の時間まで一緒に過ごした。

松山空港は太った人でごった返していた。
相撲競技の人たちだった。
空港アナウンスはしきりに,今日は混雑しているから早めにチェックインするようにと言っている。
トイレに行き,試合結果をメールで送り,洗面所で歯磨きしている時またまた搭乗手続きを急がせるアナウンスが流れた。
さて、自分のフライトは何時だったかな?と確認しようとスマホと探すが。
ない。あれ?
バッグの中身を一つずつだし,脇ポケットを確認し、あれ?
と焦り始めたその時、

「トイレにスマホが・・・」

ダーッとさっき出たトイレに戻ると,ペーパーホルダーの上に,メールを打ち送信した状態のスマホが置かれていた。

私の直後に入った女性はスマホを持って追いかけたけど,途中で断念して同じ場所に戻し,洗面所でバッグ広げている私に声をかけたのだった。

スマホ置き忘れていたことの実感がまだなかったけど、その女性は「よかったー、よかったー」と自分のことのように涙ぐんで繰り返した。

もしスマホ見つからなかったら、まず飛行機乗れない。搭乗券出せない。そんなこと以上の大変な事がジュワーこみ上げてきて、涙ぐむ女性に何度も礼を言い、最後に大失敗せずに済んだ。

機内は太った人で混んでいた。
3人掛けの席の二人は太った人。
互いに二の腕が触れあうから暑いとしきりに言う。

今日重量オーバーにならないのか?とちょっと不安がよぎるが、ノボさん続き読んでいるうちに無事着陸。

帰宅すると,リビングには卒業生たちが集まり食事会が開かれていた。私が留守の間一人で食事していたうちのノボさんは、数日ぶりに大学生たちに囲まれ大勢の食事でご満悦だった。
こういうところもノボさんらしいぞなもし。


子規記念館で買った日めくりカレンダーを義父に届けに行くと、

「その記念館で投稿した俳句、入選したことある」

義父母は定年後日本全国を旅した。四国を回ったときに子規記念館に立ち寄り俳句を応募箱に入れたそうだ。

そうだったんだー。
そういえば入り口に応募箱が置かれ、入選俳句張り出してあった。
過去の入選句として記録が残っていたかもしれない。

とべ動物園は試合観戦後行く予定だったけど、臨時の駐車場も満車だったので断念した。
こうしていくつか足りないがあるから、また行くことになるのでしょう、松山に。




ノボさん,読書中、ぞなもし。

2017-10-05 10:35:52 | 旅行
愛媛県で開催されている国体。さぁ、応援行くぞと思い立ちまずはホテルの確保と思ったが、松山市内全く取れない。主催者が選手、関係者分を押さえているからしょうがない、そのうち開催が近くなればキャンセルが出るでしょうと,とりあえず航空券とレンタカーは確保。
さて、なかなかホテル確保できないままたびたび予約サイト確認すると、予約可能なのは、ん? マジ? と思えるほど強気価格設定しているビジホか、ドミトリーのみ。
 
ドミトリーってどうなんだろう。
袖すり合うも何かの縁と「ひよっこ」のノリで楽しめたかもしれないけれど,ちと自信がない。高速バスみたいに一睡もできないかもしれない。
しょうがない、行けば何とかなるかな。ホテル取れなければ,最悪日帰り温泉で深夜まで過ごし,車中泊でもするか、などと構えていたら、先日ふいっと適正価格のホテルが確保できたので,これにて一安心。

宿泊が確保でき安心した今すべきことは・・・。

長崎から帰ってから遠藤周作の「女の一生」を読み、これは行く前に読んでおけば良かったと痛く後悔したので,今回は事前に松山に関する本を読んでおこうと思った。

松山と言えば「坂の上の雲」でしょ。しかしこれは取りかかるにはちと重たい。
で選んだのは、伊集院静の「ノボさん」。
正岡子規の青春を綴った小説。副題が「小説正岡子規と夏目漱石」とあるとおり、漱石のことも一緒に楽しめるお話。

Kindle版でないから布団の中に潜ったり寝転びながら読めない。眼鏡がじゃま、さりとて外すとよく見えないと悪戦苦闘しながら少ーしずつ進み、ようやく上巻終盤。


バネ生にまだ上巻だと言うと「だめじゃないですか、せんせい」

そう、だめです。間に合わない。でも途中だけど十分松山楽しめそう。
それはここまでで正岡子規の人柄がわかったから。
また漱石への小説の理解も深まった気がするから。

いつも大会で出かけると体育館缶詰だから、実際はどこにも行けないかもしれないけれど,知っていてその土地に行くだけでも違うぞなもし。