バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

[モルディブ共和国バドミントン協会女子ジュニア選手育成支援事業] 準備編②

2015-11-28 08:56:38 | NPO法人アルファバドミントンネットワーク
モルディブというのは暖かい国なので、11月下旬に日本にやってきたらさぞ寒いでしょう、ということで保護者の皆さんが滞在中の衣服を用意してくれた。
空港に着いてジャンパー渡すだけでなく、「きっと、もっと寒がる」って言って手袋、マフラーを買って用意してくれた。
さらには、学校滞在時は高校生のクラスに入って一緒に過ごすからと、卒業した子から制服を調達してまでくれた。
その制服を見て、「テンションあがるー」って喜ぶS理事。「これ見たらきっとあの子たち喜ぶよ!」って、そうだねよ、そっちだよね。
この制服着て、学校でお勉強するんですよってナビとナバに連絡したら、「私たちは何の勉強をするのでしょうか?」と少々不安を抱えたかなってメールが返ってきた。you'll studyじゃなくて you'll enjoyにしておけばよかったかな。

モルディブの方たち、豚肉とアルコールはご法度であることは知っている。しかし犬がだめだなんて!犬がダメって、それはもちろん食用としてではなく、ペットとして家にいることです。しかも家の中に。
2月にこの話が立ち上がった当初から、我が家がステイ先の一つであった。しかし、かなり近くなってS理事は「あっ、そういえば」で話を切り出し、「犬、だめでしょう」と夜は犬が家の中にいる我が家を指して言うのでした。「え?いまさら!」感はぬぐえないものの、「バンをどこかにステイさせて」ってもっと無理な話になるので、急きょムスリムご一家であるお宅にステイをお願いした次第なのです。

S理事にとっては、モルディブの人は犬はダメであるはあまりにも当たり前のことで、リビングで夜を謳歌しているバンをたびたび見ているのに、「言わなくてもわかっていること」とスルーしてしまったのでしょう。文化とか価値観はそこにいると頓着するものではなく、異文化に接して初めて意識するものだ。実にどっぷりモルディブなS理事が抱いてきた事業が、ついに明日始まる!

送別会を予定しているホテルレストランから昨日メニュー表が送られてきた。
今回は主賓がムスリムの方であることへの配慮から、すべてハラール料理を提供してくれることになった。そのメニューを眺め、今から早く食べてみたくて仕方ない。彼女たちが滞在中の食事会は、どこのレストランも特別にハラール対応してくれるとのこと。会に参加する私たち、関係のみなさん、視察先の仙台の高校生を含めたみなさん、交流する筑波の学生さん達もこれを機会にハラール体験できますね。



【モルディブ共和国バドミントン協会女子ジュニア選手育成支援事業】準備編①

2015-11-20 09:12:07 | NPO法人アルファバドミントンネットワーク
2月モルディブ共和国バドミントン協会からムーサ会長が来日し、「うちの選手、めんどうみてくれない?」なんて話が出て、じゃホームステイでやりましょう、「いいよ」「いいねー」で話がまとまった「ココス会議」から9ヶ月。いよいよ、本当に選手がやって来る。

「いいよ」と言ったあの時、パーッと広がった夢。
それは、20年以上も前に選手として野田にやって来た今の会長が、今度はその教え子を連れてやって来る。その子たちは2020年東京オリンピックを目指している。そんな子たちと交流できたら、きっと野田の子どもたち楽しいだろう。目線が世界に向かうだろう。オリンピックが身近なものに感じられ、中高生たちが彼女たちと一緒にオリンピック目指すなんてのも悪くない。そしてもし本当に、モルディブの選手が東京オリンピックに出場したら、みんなで応援に駆けつけることだろう。そんな祭りの日々が思い描かれた。

5年前の夏、カナダから一人の少女がやってきた。彼女は真っ赤になりフーフー言いながら西武台で練習した。世界に行くなんてほど遠いと思える少女だったのに、その子が先ほどカナダを代表して世界ジュニアに出場したのだから。今回来るモルディブの子たちにもそんな日がやってくるかもしれない。

とはいうものの、引き受けを実現するために具体的にプランニングすると、どんどん暗くなっていった。何より頭を痛めさせたのは、ステイ先と資金の確保。
NPO理事会でこの事業はやるのやらないのと話し合ったあげく、まずはマイナス面から話を詰め堂々巡りしたあげく、最初に描いた「夢」に戻り、「これをやったら、きっと楽しい!」という当初の明るいイメージの力が事業化に向かわせた。

モルディブの選手、ナビ・ナバが滞在するのは11/29~12/14の16日間。
準備を進めているうち、この前半10日間は外務省主催スポーツ外交事業となった。
「スポーツ外交」そう私たちが描いた夢の一部を難しい言葉に置き換えると「外交」。準備している時が楽しかったなんて後になって言うことあるけど、言葉が難しくなったのに比例するかのように準備の難しさも増し、やりつけないことを四苦八苦し、それはそれで自身の進歩の日々であるのだけれど。

さて準備とは書類上のことだけでない。
大事なのは彼女たちの滞在をどのようにサポートし、どのように交流し、どのように楽しむか!
モルディブはムスリムなので食事をはじめとした生活習慣が異なる。そのあたりをどう対応するか、快くホームステイを受け入れてくれた家庭のお父さんお母さんに集まってもらい、先日勉強会を開いた。
ハラール対応食品の見分け方に始まり、滞在中の彼女たちの冬服のチェックなどした。常夏の国からやってくるのだから、半そで短パンで成田空港に降り立つかもしれない。まさかそれほど極端ではないにしても、彼女たちが冬用ジャンパーなど持っているわけない。ということで、部活の保護者の皆さんが防寒衣類から用品を一式寄付で準備してくれた。それを丁寧により分け、二人分セットしたものをチェックする。トレーニングウェアや普段着をこうして広げると、急速に彼女たちの滞在が現実味を帯びてくる。

来日まであと9日。




千葉県最北端αゾーンサイクリング 本番の巻

2015-11-06 13:49:22 | NPO法人アルファバドミントンネットワーク
先日のアルファゾーンサイクリング、小雨だったらやるかやらないか主催者は英断せねば!という悩ましい事態は起きず、朝から快晴。
飛び入り参加があるかもと予定出発時刻まで待ち、我々は定刻に出発した。
スタート地点の西武台千葉高校正門まですでに15キロ自転車に乗って来た人もいるし、通学に自転車使っている人もいるから、今ここでこぎだしたペダルに格別な思いはないかもしれない。自分にとってチャリは非日常だからそう思うのかもしれないけれど、自転車の隊列は踊るようにルンルンと正門を飛び出して行くのでした。(そう見えた)
通行は一列で!って言ったのに、プログラムにも注意書きしたのに、我先にと進みたいみんなは前の人の脇に広がろうとしてる。ちょっと、イラッ。前が見えないと気が済まないせっかちさんや、はみ出すの大好きなやんちゃ君たちを引き連れての行程、さぁどうなることやら。





雨だったら中止。休憩時の果物は前日まで買わず、またカラー印刷でコスト高になるゼッケンやプログラム印刷は天気が確認できるぎりぎりまで印刷しなかった。だからこそ、直前まで手を入れることができたのでプログラムマップは遊びながら作った。
下見の経験から、ここは犬の落とし物多いとか、野良犬に追いかけられるよとか、強烈な家畜臭が漂うよなどといくつか注意事項を描きこんで楽しいものにしたのに。
なのに、医者に行くと「昨日までここが痛かったんですけど・・・」って痛いところ探す時と同じで、本番では野良犬は出現しないし、目立つ落とし物もなく、さらに家畜の糞臭もほとんどない!
せっかく牛のイラストに吹き出しで「sorry!」と描き込んだその意味、みんなに通じないじゃん。後ろから走るチャリオ君たちが牛小屋横を通過しながら、「野田も家畜の住人です」「違うわ、家畜も野田の住人ですだろ」とイラストのフレーズ暗記してくれていたのがせめてものお慰みかな。



いざというときのために車部隊が土手脇を併走。随時先回りして写真撮ってもらった。
トイレ駆け込み組やリタイア者(自分)のために一台は軽トラ。
土手道脇をもうもうと砂埃巻き上げながら、自転車と同じスピードで走ってもらうのだから、伴走スタッフの皆さん、本当にご苦労だったと思います。
運転手は「そっちのが楽しそう」とポツリ。



第一休憩地点で少し長めの休憩。バナナ食べて、ただそのあたりでおしゃべりして過ごした。その後出発し、昼食場所になっている関宿城博物館広場に到着。

ここで女子高生2年生グループが、関宿の渡しや治水の歴史について発表を行ったのです。参加者はチャリで走ることがメインのつもりだったかもしれないけど、企画としてはこれがメインイベント。彼女たちが自分が住んでいる地域を調べ、皆に説明する。なんとも教育的な企画でしょ。野田の醤油、利根川東遷事業、関宿の由来、水閘門、龍Q館について発表した。日頃練習で忙しい彼女たちがいつまとめたのか、どうやらそれは前日の突貫工事だったようで、ご苦労様でした。
一通り発表を終え、質疑応答も行われ、そして部長はこう言った。
「昔の人たちが努力して今の地域を作ってくれた。私たちがいつも練習できる恵まれた環境があるのは昔の人の努力のおかげです。だから感謝して学校に通ったり、練習したいと思います。」(おおむねこのような発言だったかと)
こうやって書いてしまえば、当たり障りのない優等生な発言だと思えるけど、このときの発表者の真摯な瞳が放つ実感が胸を打ち、大人たちは皆大きくうなずくのでした。ちゃんと人の話聞いているのか!っていうもぞもぞ君もいたけど、参加者が「私もいつも普通に練習できることに感謝したいと思いました」(おおむねこんなこと言った)というこれまた実感のこもった感想が述べられ、すーっと心がゆるやかに広がっていくのでした。



それから昼食休憩を長めにとる。
いつもの生活ではこんな休憩時間設定しないよね、っていうくらい少々長いと感じる休憩タイム。
食事後特にやることないまま芝生広場でゆらりと過ごす。
下見の際は家から家まで、一切休まなかった。だからあれほど疲れたんだ。今回は休憩をしっかり取っているからまったくもって平気。休憩って大事だね。




関宿城を後にし、後半に突入。横に広がるなって注意しているのに、やっぱり広がる。おちょうし君なんか、ジグザグまでしている。いちいち注意しているのもストレスだからもう見ないことにしようと割り切るのだけど、はしゃぐ子たちの様子見ているうちに、「楽しそうだから、いいか」という気分になる頃には土手道も広く、ゆったりと走ることができた。
上空をセスナとグライダーが飛んでいく。



そもそもこの企画は当初「歩こう」だった。下見をチャリで行い、土手に着いた時点で「歩こうはやめよう」となったのだった。歩いたら今日中に帰れないじゃんという意見もあり、じゃサイクリングでとしたものの、サイクリングだってとにかく疲れる。最後よれよれになって帰った経験から、半分「雨降ればいいのに」という気持ちのまま迎えた当日だった。
こんなんだから、来年はやらないかもしれない、いややりたくない、絶対にやらない!と思っていた。
しかーし、ゆったりとした休憩時間のおかげで疲れは全くないことに加え、発表した高校生の姿、微に入り細に入りお手伝いしてくださったスタッフの気遣いと連携プレイ、そして何より秋空の下、みんなの開放感。

きっと来年もやります。