バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

子どもと遊ぶ

2013-10-05 18:58:01 | 野田市オープンサタデークラブ
「あー、今日は疲れた」とあちこちで声があがる。
 今日のサタクラ、こども達がはじけっぱなし。
 集合する。
 前期最後だから成果チェック的なイベント入れようといろいろ策を練ってきたけど、集合からしてぐちゃぐちゃ。何か一言話すと、すかさず上手から突っ込みが入る。適当にかわすと、たたみかけるように下手から突っ込みが来る。さらにその突っ込みに別の突っ込みが入る。多分最初にこんなやりとりを笑ったのがいけなかったでしょう。こども達に自由スイッチが入ってしまい、今日はあちこちでコーチの手を煩わせてる。
 大きい声張り上げるから皆「喉いたくなった」とまで言ってる。
 でもなんだかみんな少し楽しそう。

 最初、こども達が突っ込んできた時に「こういうのゆるさまじ!」っていうオーラがこちらにないどころか、「こいつ、おもしれえ」って思っちゃったんだから、そんな気持ちがこども達に伝わったのでしょうね。だから子どもがはじけても致し方なしですね。
 実はしょっぱなでコントみたいな子どもとのやりとりをしながら、以前野田ジュニアにいた子を思いだしていたのです。
 当時のその子は、あーいえば、こーいう。こうでれば、こう来る。やんちゃ坊主だったのです。そのやんちゃ君は中学生になったらきちんと挨拶するようになったし,今や立派な社会人になろうとしている。最近あー言うやんちゃ坊主減ってきたなと思いながらそんな彼の成長物語と重ね,今目の前の「おちゃらけ君」で遊んでやろうという気になったのでした。

 


待てるようになったかな

2013-10-02 08:41:20 | バネ
 子どもが成長するということは、できないことができるようになること。
 一人では歩けない子が歩けるようになる。一人で食事ができ、話せるようになり。
 その逆に、老いるということは、できていたことが一つ一つできなくなるということ。
 細かい文字が見えにくくなった昨今、一つ一つできなくなるとはこういうことをいうのだなと実感し始めた今日この頃。

 バネの小学1年生。この子の成長が著しい。
 ちょっと一人では無理かなという文章問題を出した。にもかかわらず、その間ほんの少し席を外す。別室へ。すると先生が横に居ない事にふと気づいたその子は、「あれ,どこ行ったの?」と叫ぶ。すぐ戻りプリントを見ると、なんと2問もクリアしていた。横に居なかったのに。一人だったのに。これはすごい、と言うと残りの8問を前にして、「先生,もう一度あっち行ってて!」と命令調。しばら別室で身を潜めていると、「せんせー、どこ行ったの?」と大きな声。どれどれ、と覗くと、全問クリア、全問正解。丸付け最中イスにふんぞり返ってドヤ顔しているし。
 つくづく、この子は成長したなと思う。4月にはまず目を見て話す事から始まったではないですか。45分間をどう料理するか、どうしたら飽きさせないか、そんな試行錯誤の連続だったのに。
 こんな話しを中3クラスで披露すると、「先生、すごいですね」とこれまた人の気持ちに寄り添う言葉をかけてくれる中学生。

 老いるとできなくなる事がひとつひとつ増えるというけど、できるようになった事がある。
 それは、「待つこと」。
 せかさず、見放さず、ゆったり待つ事ができるようになってきたのかな、と思う。



作文教室パンセ

2013-10-01 14:38:59 | バネ
 例えばこの問題、小学生はよく間違えるし、ひっかかる。

 1.15でわると3あまる数を小さい順に3つ書きなさい。

 2.15をわると3あまる数を全て書きなさい。

 1は15の倍数に3足した数を小さい順に3つ答える。ひっかけは、最初の数は3であるということ。多くは18.33.48と答える。
 2は12(15-3)の約数を書き出せば良い。この問題の引っかけは12の約数から3以下の数字を除くこと。

 こういう問題に取りかかる子達には、ワンひねりあるよと最初に伝えておく。でもひっかかる。そして「あーやっちまった」となる。問題の横に、赤字で大きく『最初は3から』と書き込んでいる。それでもしばらくしてもう一度やるとまた間違える。2回目の時は、「あー、またやっちまった。いかん、いかん」となる。前回より進歩しているのは、また引っかかってしまった自分を反省している点。そして3度目に挑戦し、見事正解となる。

 何も説明しなくてもできる子がいる。説明すればできるようになる子がいる。何度かミスを繰り返してできるようになることがいる。この子良くできるな、と思った子でもたいていは説明は必要。多くの普通の子は、何度も繰り返しが必要。
 最近はこの一部始終を横で確認する作業が続く。脇でノート見ていて、間違えていることを見つけてもあえて何も言わない。自分で「あー、またやっちまった。いかんいかん」と思わせなければ進歩はないから。

 が、もうちょっと手強い状況もある。
 そういう状況に出くわす度、うーん、ちょっとそれは手強いねとつい言ってしまうと、「手強いって?」と子どもは聞き返してくる。手強いというのは、先の設問の意味がわからないパターン。
 そういう子には、15でわるとの「で」と15をわるとの「を」の違いに着目させる所からはじめ、これで何もピンと来ない場合は「で」は倍数、「を」は約数と覚えてもらうしかない。

 こういうこども達の状況を打開するために、要するに日本語力を養うために始めた読解力、作文トレーニングの水曜クラス「パンセ」。
 「パンセ」では4月から読解、作文トレーニングを続けている。
 そのために今年の前半はまずテキストに沿った読解と、作文練習を積み重ね、読むこと書くことへの抵抗をなくすよう演習してきた。作文を書くことをたいていの子は、いやがる。原稿用紙前にして1時間経っても何も書かない場合が多々ある。まずこの作文アレルギーを何とかしないといけない。へたくそでもとにかく書く。こうするうち40分ほどで原稿用紙2枚くらいが埋まるようになってきた。内容は二の次。とにかく書くこと。

 後半に入り、前回から次の段階へ入った。
 お話を作る。
 原稿用紙10枚程度のショートストーリー作り。
 そのための練習としてキャラ立て作文をやった。
 身近な人、お母さんを取り上げ、その人の性格がわかるような出来事を書く。こちらの意図がくみ取れないのか、例文をつけなかったからいけないのか(例を出すとそっくり作文になるから避けたかった)、お母さんのキャラが浮き彫りになるような出来事を取り上げている子は少なかった。あなたのお母さんはどういう人?と質問して発想を引き出したが、こども達は日頃お母さんを客観的に見ていないからなのか、お母さんのキャラを上手く捉えられていない様子。そこで次回テーマは「友達」。友達の一人を取り上げ、その人の性格がわかるような出来事や台詞をいれて作文を書くこと。これを宿題にした。これができたら、最後は自分について書く。こうしてまずはキャラ立ての練習。
 「友達ならかける-」って、目を輝かした子が何人かいたから、宿題のできが楽しみですね。