バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

子ども達との交換日記

2017-06-27 08:46:01 | NPO法人アルファバドミントンネットワーク
アルファクラブの子ども達は,毎回練習ノートを提出する。
このノートにフォーマットはない。書くことも、提出することも強制はしていない。
子ども達は練習始まりにフロアにノート広げ裏返しにして重ねていく。
ランニング中に中身にザット目を通し,その日の話題やテーマになりそうなことを書いてきた子を一人選ぶ。
「きょうはだれがよむのー」
「わたしのはえらばないでー」
など言いながらまとわりつく子達を交わしながら,その日の発表者を決める。
きっと高学年になると,みんなの前で発表の憂き目に遭うのを避けてノート出さなくなるのかもしれないし、低学年は大きい子達の前で読むのだから,指名されたその瞬間口から心臓くらい緊張してしまうのだろう。
さりとて、ノート提出した子は、練習終了後返されたノートに書き込まれたコメントをむさぼるように読むのだから,どんな小さなことでもアクションを起こせばリアクションが楽しみなるというものです。

「○○はノート出さないからずるいと思います」
と直談判してきた子がいた。
ノート提出は強制じゃないから出したくなければ出さなくて良いと伝えると、
「えー、そうなの!?」
でもね、と説明を続ける。
「ノート出せば,コーチに何書いてもらうか読むのが楽しみになるよね。出さなければその楽しみが減るから損するよね」
「そういうことかー」
と妙に納得していた。

さて今日は何冊出ているかな?
13冊。この数ならコメント入れるのにどんなに急いでも20分はかかる。
終了30分前にフロア抜けだしテーブルでノートにコメントを入れる。
その丸テーブルでは体育館の空き待ちのおじさん達が全員無言でスマホいじっている時もあるし、母親に怒られながら宿題している小学生がいる時もある。銘々が異なる次元を見つめるフリーな空間で子どものノートとの真剣勝負に入る。

1冊、1冊とノートを読み書き込んでいくとその終盤、息をのむようなノートが出現した。遅れて来て提出ノートに後から重ねたらしく,最初のチェックで目を通していない子のノートだった。
そのノートには,これを書くために向き合ったその子の気持ちと、かけた時間が込められていた。
週1回2時間の練習に、これだけ真剣にそして楽しんで取り組んでいる子がいるというこの事実。

何かもう、好きだからやっている,やりたいからやっているだけで済まない領域に入っているのかもしれない。


週に一度のお楽しみ

2017-06-22 08:34:19 | NPO法人アルファバドミントンネットワーク
6/21(水) 大雨
どうしようか、今日のアルファクラブ。
以前川間ジュニアをやっていたとき,関東地方台風直撃の日、予報に頓着せず、外の状況にも気づかず普通に練習やっていた。
「外、大変なことになっていますよ!」
と保護者が体育館に飛び込んできて,慌てて練習中止したことがあった。
台風来ると言っているけど、みんな練習やりたいだろうから普通に練習しよう、というのりで幼児だった娘の手を引いて体育館に行くと、果たしていつも通りに子ども達は集まった。
後でわかったのだけど、「コーチが休みにするって言わなかったから来た」

リーダーたるものの判断と決断の必要性を痛感した夜だった。
それ以来天気予報には敏感になった。敏感すぎるかもしれない。

1時。
外はすごい雨。風も強く教室ガタガタいってる。
どうする。今日の練習中止するか。
ピンポイント天気予報確認すると夕方には弱い雨になるとのこと。
それに今から中止連絡流しても、気づかないで体育館に来ちゃう子いるかもしれない。

3時。
大雨。雨雲レーダー確認すると,野田市はすっぽり大雨区域に入っている。
やっぱり中止か? と迷ったそのタイミングで、先に到着した高校生から
「今着いたよ」と連絡入る。

慌てて仕度して家を出た。いつもより少し早く体育館に到着し、傘吹き飛ばれそうになりながら荷物運んでいると後ろから高校生が駆け寄って荷物持ってくれた。
体育館に飛び込み一安堵していると,子ども達がワラワラやってきた。

靴を脱ぐのももどかしく,ワーイと駆け寄ってくる子ども。
入り口で傘がおちょこになってまごついている子。
先に来ていた高校生に気づいてまとわりつく子。

始まりの風景はいつも通りだけど,今日は欠席多いだろう。この天気だし。
と思うが、集合してみたら結局いつも通りの人数だった。

いつも通りにノートが提出され,みんなで走り,トレーニングして,打って,掃除して。
やっぱり今日休みにしなくて良かった。
週に1回のお楽しみの日だものね。

6時。
体育館を出ると雨は上がっていた。冷たい風がほてった体に気持ちいい。
曇天だからいつもより暗い。
子ども達は迎えに来たお母さんにかけより、その周りをお伴の弟や妹が駆け回る。
一日が終わり家族の元に帰っていく。
この光景が好き。




同じにいかないから、おもしろい。

2017-06-20 16:40:09 | 野田市オープンサタデークラブ
野田市のオープンサタデークラブ。
年間15回程度。毎週土曜というわけではないし、1回2~3時間の拘束時間なんだけど、不定期だからこそ微妙にスタッフ確保が難しい。

それに対して子どもの参加数は年々増え続け、少ないときで60人。多いと80人を越える。

先日は自分を入れてスタッフ3人しか集まっていない。お手伝い増やそうとある程度は手を尽くしたけど、無理してまで集めなかった。それはバドミントンが教えられる人なら誰でもいいというわけではないから。むしろバドミントンは全くやったことがない人でもいい。子どもと遊べ,子どもに寄り添え、そして面倒な子どもの要求を適宜いなせる人ならば。

というわけで、「どうするー、3人で」という気持ちと、「なんとかなるだろう」と言う気持ちのままその日を迎えた。
以前スタッフ2人で60人対応したことあるし、その時はちょっとした工夫で子ども達共々達成感に包まれたクラブとなったから、「あの時と同じにやればなんとかなるだろう」という考えで会場に向かった。

いつもより早く体育館に入る。
誰もいない。
しーんと静まりかえる体育館を眺め,今日の活動シミュレーションしてみる。
最初にスタッフが3人であることを話そう。
子ども達同志で相談して練習するよう話そう。
そんなことを考えているうちに、子ども達がわらわらと集まって来た。
ラケット手に嬉々として集まってくる子達を数える。30人、40人、50人・・・。
少なくない。むしろいつもより多くなりそう。

ぞうきんがけを終え集合し確認すると、71人。

今日はどう進めるか,イメージが固まらないまま体操でスタートし,アップを兼ねたステップトレーニング、羽遊びをいつもより時間多く取りながら考える。そうやって時間稼ぎしていると、

「早く羽打ちたいのに……」
わざと聞こえるようにすれ違いざまに言う子。
そうだよね。この子達はバドミントン技術学ぶとか、体鍛えるとか、そんなこと四の五の言わず、とにかく羽打ちたいんだよね。羽打ちたくて来ているんだよね。

再度集合しスタッフが少ないことを説明。以前にもやったように子ども達で工夫して練習しようと言うと「とにかく早く打たせろ」という顔の高学年はさっさと散り適宜グループに分かれ,それなりのルール決めて打ち始めた。
低学年にはスタッフが2人付いたので問題なく練習が始まった。
さて中学年は。
それぞれの思惑があり、全てのグループが人数均等になるわけではなく、この中学年が1グループ16人になってしまった。16人の陣地はバドミントンコート半面。この子達はそこそこに子ども同士で打ち合えるけど,羽があっちこっちに飛んでしまう。そんな子達に与えられたスペースはコート半面。物理的に無理がある。
どうなるかと観察していると、16人の意見というか気持ちがまとまらずなかなか練習がスタートしなかった。一生懸命まとめようとする子、コート脇で遊ぶ子、勝手に打ち始める子。やはりこの人数で誰かしらリーダーがいないままでは無理なんだよね。
他のコートは順調に練習が進み,それなりに楽しそうにやっている。
このグループだけこのままじゃと、見るに見かねて口を出すことに。

すると「子ども同士でやるようにって言ったのに! むかつく!」と切れ気味の子がいた。しかしこのまま誰もまともに打たないで時間ばかりが過ぎるのもどうかと思い口だけでなく,手も出し練習がスタートした。

結局コーチが仕切るのかという子ども達の目線と、やっと打てるようになったと安堵する空気、そしてこの後どうやって子ども達に主導権を移すかと考えながら打ち合う自分。何となく互いにモヤッとした感じで打ち合いが始まった。

コーチが入って打つと言うことは、1対16になるということ。16人の子どもの行列ができるということ。館内はそれぞれの居場所が確保できないほど子どもがひしめいているその隙間に、16人の行列スペースを作るということ。
最初は隣のグループに迷惑をかけ,文句言われ,そうこうしているうちに邪魔にならないスペースに並ぶことが自然とできるようになった。
子ども達のイメージ通りがんがん打ち合えない今日の練習。床に座って待つ時間がとても長くなる。待っている子達の表情が気になって仕方ない。
でも子どもってすごいなと思う。順番が来てコートに立つ子は、どうしてこんなに単純に,素直にこういう表情を表に出せるんだろうと。笑っちゃうくらい、全身キラキラになってコートに立ち構える。

しばらくして流れができたのでコーチ役を子どもに譲り,自分はそのグループからフェイドアウト。

これでよかったのか、もっと別のやり方があったのではないか。
そもそも1グルー16人をいきなり子どもの自治に任せたことがミスだったし、前回うまくいったから同じように対応すれば何とかなる、という考え自体が大きな間違いだったと気づかされる。常に状況は異なる。メンバーやレベル。気温の違いも大きい。暑いと寒いでは気分も違う。何よりその状況に対峙した自分の気持ちが1度目の時とは違ったのだろう。
「みんなでやってね。お願いしますね」
という気持ちと、
「みんなでできるよね。頼んだよ」
という気持ち。

これだから難しくもあり、楽しくもある。


笑う案山子

2017-06-20 16:33:54 | NPO法人アルファバドミントンネットワーク
元気でいるか
街には慣れたか
友達できたか

で始まるさだまさしさんの「案山子」
これを熱唱して閃いてしまった。
そうだ、案山子作ろう!と。

間奏中にカラオケマイクで、「案山子作ろう!」と叫ぶと、「いいね、やろう」と返ってきた。こういうリアクションに囲まれているって幸せだなとつくづく思う。それはさておき。

中高生と始めたハイブリッドスターライスプロジェクト。稲の種まき、田植え,稲刈。
そして収穫祭として刈り取った藁でしめ縄と輪飾りを作る。しめ縄作りは近所のおじさんに講師を依頼しスケジュールを決めた。
NPOの年間イベントとしてドン、ドン、ドンと大きくプランが埋まったけど、実際のところ苗は植えっぱなしで,刈るのはコンバイン。何かもっとアクション起こしたい気分でいた。

早速案山子の作り方を調べてみた。針金ハンガー、新聞紙、ペットボトルなどを芯にするらしい。シャトルの筒も活用できそうだ。このために何か買うのではなく,リサイクルでできそう。

お前も都会の雪景色の中で
丁度あの案山子のように
寂しい思いをしてはいないか
体をこわしてはいないか

なんてセンチメンタルな気持ちは微塵も沸かない案山子になると思うけど、その脇にバン座らせようか。