バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

バネの作文

2020-03-22 16:41:26 | バネ
小6生は1月から作文に特化した授業を行っていた。
最初は「何書いてもいいよ」と原稿用紙を渡すと、たいていの子は創作文を書いた。
何でもいいよと言われ、「はいわかりました」と原稿用紙を受け取る時、一瞬ニヤリとしたあの子、あの表情からするとドタバタモノを書くとだいたい想像できた。
果たして。
やはり。
作文を書こう!と言うと、「何書いていいかわからない」と1時間経っても1文字も書けない子がいたことを思えば、こうやってツラツラ、ツカツカと一気に30分ほどで原稿用紙2枚埋めることができる、それはそれでたいしたものです。
と、ひとまずは褒めた上で…。

これじゃリアリティがない! とだめだし。
想像して書くなら、もっとリアルに想像しようよ。こんな人いるよね、こういうことあるよねと思わせようよ。その時の色や匂いも感じられるように書こうよ。と説明すると途端に創作文の難しさがわかった様子。
だったら創作ではなく、次は本当にあった話を書こう。それも映像が浮かぶように、匂いが漂うように。
更に注文は、「昨日あったことをネタにする」と限定した。

日々はネタの宝庫なり。書こうと思えば学校へ行く途中のことだって書けるよと言うと、次はニヤリとはせず、遠い目をした6年生達。
さてどんなモノを書いてくるのか。
近所の猫とのやりとり、登校中に雨をよけながら歩いた話、隣の席の子の話。
いいね、いいね、これでいいんだよ。小学生の日常が切り取られていて、いいじゃん!と褒めると、皆鼻の穴が膨らんだ。

だいぶ書き慣れたので次は意見文を書く練習に入った。
冒頭で意見をズバリ宣言する。次にその理由を具体例を交えながら説明する。反論にも触れ、自分の意見を再度主張する。
以外と意見文は皆すんなりいけた。
高校受験の作文レベル程度にはね。
例えばコロナウィルス感染症の影響で学校が休校になったことについて賛成か反対かを問うた回では、ほぼ皆「反対」であった。
なぜ反対なのか、自分なりの意見を書き連ねたが、休校になった意義を深く考えるには至らなかった。
意見を主張する前に、もっと深く考察しようと言うと、慌ててノートに何か書き込んでいた。
「深くコーサツする」とでも書いたのだろうか。

こうしていわゆる生活作文、意見文を経て、3月に入ると次の段階は「エッセイ」を書こうだった。
「へっ? エッセイって何?」と段違い眉になる子に、
日常の体験や知識から、それに対する自分の意見や考察を書くこと、と説明した。
「よくわからないけどやってみます」
さて宿題として書き上げてきたものは…。
これは意見文だねに対し、「やっぱり」とか「ですよねー」と返ってくる。
これは日常の体験談と意見がリンクしていないからもう少しがんばろうだね、となり、
以前に書いた生活作文ネタを体験として冒頭に書き、それに対する自分の考えを書けばエッセイになるよと言うと、またノート出して何か書き込んでる。
「以前のネタを使おう」とでも書いたのだろうか。

エッセイは書けないまま3月授業終了となった。

4月からは小学生高学年対象の作文教室を開くので、こちらで続きを楽しもう。
小学生が何を考え、何に心が動き、それをどうアウトプットするのか。
小学生の作文授業はこれだから楽しくてやめられない。