去年同様、選手権の人たちもゆっくり目でスタート。
予想していたとおりだ。500m泳いでも全然ばらけない。密集状態で泳ぎにくい。前に20人くらいだろうか。
選手権の部の黄色キャップがほとんどだが一般の青キャップが前に2人いる。一人は1500m17分ちょいの現役。長崎のOWSでは2年連続であの節政さんに勝っている。もうお一人は某競泳強豪大学OB。競泳日本選手権出場経験ありの唯花と同い年。おそらくこのお二人だと思うが1000m地点で10m程前にいる。
姫が上がってきた。なぜか集団ではなく一人で単独で泳いでいる。最短コース重視だな。
まだペースはゆっくり目だ。これなら5kmもちこたえられる。相変わらずの密集地帯でぶつかりまくる。一人タチの悪い奴がいて、足を触るとか手が当たるというのはどうでも良いがこいつは足首をつかんで引っ張っている。なんだこいつは。ここで俺と同じ所にいる現役男子なら全く大したことない泳力だ。どんな奴だと見てみると、「んっ?」黒? キャップが脱げたのか?
あっ、膝裏つかみやがった。足が攣りそうになる。畜生っ! ちょっとペースを上げて振り切る。
これだけ多いとコースがわかりやすい。余力を残したまま1周目終了。前の二人が遅れてきたか? 差が縮まっている。今日の俺が追いつけるということはあのお二人では無いのか?
古賀さんが上がってきた。かなり併泳が続いた。これで少しピッチが上がり前の二人に追いついた。顔もナンバーも確認していないので分からない。
もしあのお二人なら一般の部でトップだ。
相変わらず姫は後にいる。姫のさわり方はすぐ分かる。他の人が足に触ると少なからず足を沈められるが、姫の場合触れた瞬間に手首の固定を緩め邪魔にならないようにしてくれているから。(笑)十分余力はありそうだ。
ゆっくり目に来たはずだが体の奥底に鈍い痛みが蓄積されている。
一番奥の船を周ってラスト1300m。
選手権の部の女子選手たちのグループで泳いでいたが、な、なんだ?ラスト900m位でいきなりみんなのペースが上がった。とてもついて行けない。こんなにも余力を残していたのか。10ストロークごとのヘッドアップで前方確認するたびに2m離される。
おそらくは集団の先頭で最後のブイを目指す。ラストで後から上がってくる姫たちに対応できるだろうか? こ、怖い。怖くてたまらない。後に何人いるのか分からないが、みんながラストスパートを仕掛けたとき自分にだけついていく力が残っていないという恐怖。
ラストの船を周りラスト500m。左からとうとう姫がスパートしてきた。いや?違うぞ! 男子だ。はっ速い! あっという間に並ばれて前に出られた。
まっ負ける! 負けるのか? ちくしょう!
無理してペースを上げる! 体!動け。もうすでに上腕三頭筋に痛みがある。
残り300m! 力はもう残っていない。それでも無理矢理ピッチを上げる。左の選手がだんだん視界から消えていく。
ゴールの近くのオレンジブイが近づいてきた。コーナーを回ってフィニッシュゲートへ。
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勝ったぁ。ゲ、ゲート下から動けない・・・。