台東区の避難所でホームレスを受け入れなかったことが問題視されている。
台風19号が接近中の12日夜、台東区の避難所が住所不定の男性2人に対し、受け入れを拒否したと伝えられている。このうちの一人の男性は避難所に到着した際、住所と名前を書くよう求められた。住所がないと男性が伝えると、「区民対象です」と受け入れを断られたという。男性は、「『北海道に住所がある』と説明したが、『都民のための避難所です』と断られた」と話している。
この男性はこの晩、建物の軒下でビニール傘を広げて過ごした。「風が強く雨も降っていた。受け入れてもらいたかった」と語っている。
安倍首相は15日午前の参議院予算委員会でこの件についての質問を受けた。
「避難所は、災害発生後に被災者の生命身体などを保護するために、被災者が一時的に生活を送るために、設置されたものであり、各避難所では避難したすべての被災者を適切に受け入れることが望ましい。関係自治体に事実関係を確認し、適切に対応していく」と述べた。
そう述べるのは世論の手前当然ではある。
ホームレスは体臭など、周辺の避難民に不快な思いをさせる可能性がある。イヤな思いを避難民にさせたくないという現場の判断は全く理解できないわけではない。
問題は、ホームレスが避難所に来た場合の対処法を予め決めておかなかった事だと思う。
上野公園には普段からホームレスも多く、当然災害の時はホームレスの人たちが避難所へ来ることは予想できたはずである。その対応を現場に任せたことが問題である。予め、受け入れを決めておけば、現場でも決定通りの対応をしたはずである。
受け入れなかった現場の職員が非難されているが、それは違うと思う。
今年1月の厚生労働省調査によると、日本全国には現在、4555人の住所不定者がいる。うち4253人が男性、171人が女性である。
災害などの際、こういった底辺の人たちのことをいかに行政が考えていないかということである。同じ避難場所ではなく、別の場所に誘導するなど、普段から考慮していれば、対策は立てられたはずである。
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