週に一度買い物に行って飴を買うのが楽しみです。
仕事中の慰み用に、一袋か二袋。
できればディスカウントスーパーで、あれこれ選びながら、
今週はこれが特価、などと値札に書いてあるとなおのこと幸せです。
あくまで気晴らし、疲れた夕方のリフレッシュが目的なので、
できれば毎週違った製品を買った方が、どれどれという気分になれて
より楽しめます。
とはいえ冒険をするほどでもなく、という微妙な線を保ちつつ、いつの間にか
定番になっていたのが、パイン飴、コーヒー飴、ハッカ飴、そしてほしや製菓のショウガ飴。
そこらへんを押さえつつ、チェルシーの新しいパッション味とかミルキー塩味とか
見つけていくのが嬉しいという算段になっているなか、この前見つけたのが、
「サクマ式ドロップ」ただし、袋入り個別包装。
昭和30年代40年代生まれなら、子供のころうちに時々置いてありませんでしたか。
10㎝ほどの高さの缶に、ちょっと開けにくいはめ込み式の小さな丸い蓋がついていて、
それをねじ開け、まるでおみくじよろしく缶をふります。
そのときの音で、あとどれくらい残っているかがわかったりして。
たっぷり入っていれば、飴同士がごそごそと身震いする程度の低い音。
少なければ、缶に小気味よく飴がぶつかる高い音。
そしてお楽しみは、一振りで出てくる飴が何色なのか。
この辺の子供のころ話は定番であり、尽きせぬ思いでであったりして、
暖かい気分の元であったりするのですが、それが「サクマ式ドロップ ただし袋入り個別包装」
になって久々に現れると、やや心に小さな波が現れて、不安定になったりするのでありました。
小さな不安定は、それはそれで楽しいので、もちろんすぐに買ってしまいました。
そして昨日、久々の徹夜明けに最初の一粒を取り出しました。
袋入りですから中身は全部見えます。好きなものを選ぶことができます。
個別包装ですから、振っても飴同士がぶつかる音はしません。
ちょっと不思議な、冷静な自分がいたりして、
みどり、オレンジ、黄、茶に白。
うんうん、あの色あの色。
確かめて、選んで封を切りました。
子供のころ一番好きだったあの色をした一㎝ほどの飴を口に入れれば、
味は記憶の中でぴったりとはまりこみました。
変わりません、そのツー、と引く甘い爽やかな味の筋。
缶を振って、出てきた粒が、白いハッカ飴だと
姉は掟破りの缶中戻しして、
私は嬉しくなりながら、姉には悟られないようポーカーフェイスを決め込んだことを
思い出しました。