一週間ほど前,義父の具合が悪く,検査のために入院するという連絡が入りました。 そこで4人の娘たちはゴールデンウィークにお見舞いに行くことに。そして,買ってきたのが折り紙です。千羽鶴を折るんですね。一人250羽ずつ。 私も久しぶりに折りましたが,スピードではやはり娘たちに劣ります。せっせと鶴を折る娘たちの姿を見ながらつくづく思ったのが,「こいつら本当にヒトだなあ」ということ。あらゆる動物の中で,鶴 . . . 本文を読む
「しゃべる」というのがヒトの特徴かどうかは「しゃべる」の定義によるでしょう。「しゃべる」とは「ことばを口に出すこと」(三省堂国語辞典)。鳴き声を出す動物は多いですが,それは「ことばを口に出している」といえるのか。「ことば」の定義は「しゃべる」の定義よりも複雑です。ことば:音(オン)が一定の意味と結びつき,自分の考えや気持ちをあらわし,人に伝えるための,また,相手のそれを理解するための,手段として使 . . . 本文を読む
ヒトはとりわけ多くの病気にかかるような気がしますが,どうなんでしょうか。野生動物もそれなりに病気に悩まされているんでしょうか。 推測するに,動物の場合,ちょっとしたハンディキャップや怪我が,生存競争を勝ち抜くためには致命的な不利となり,天敵に襲われ,淘汰されてしまう結果,病気になる前に死んじゃうのかもしれません。 人間の場合,弱い体質で生まれてきたり,怪我をしたりしても,周囲から厚い庇護を受けら . . . 本文を読む
「頭がいい」ということを,当の人間が言うのもおこがましいですが,ホモ・サピエンスの意味は「知恵のヒト」。この学名をつけた人が,人間は動物に比べて知恵がある,頭がいいと思っていたことは確かでしょう。 では,「頭がいい」とはどういうことか。「頭がいい」は辞書に載っていないので,同義語の「賢い」をみると(新明解),賢い:要求される答えに対して,頭が鋭く働く様子だ。「知恵」は知恵:物事の道理が分かり,判断 . . . 本文を読む
「発情期がない,もしくは年中発情している」というのは,ヒトの大きな特徴のようです。発情:成熟した動物がその本能として一定の時期に交尾欲を起こすこと。(新明解国語辞典第4版) 動物にとって,もっとも重要なのが「個体の維持」と「種の保存」。「個体の維持」すなわち「生きること」に必要な行動は,息をすること(呼吸)と食べること(食物摂取)。「種の保存」すなわち「子孫を残すこと」に必要なのは,交尾することと . . . 本文を読む
赤ん坊がかよわい 前回,「体毛」に関連して,ネオテニー説に言及しました。 ネオテニーとは,動物が幼児の体のまま性的に成熟すること。チンパンジーとヒトは,成体は違いが大きいのに,赤ん坊がよく似ていることから,ヒトはそもそもネオテニーなのではないかという説が唱えられているそうです。そして,ネオテニーであるために,体毛が生え揃わないまま大きくなり,無毛という特異な動物(裸のサル)になった…。 今回の「赤 . . . 本文を読む
今回は,先の記事であげた最初の三つを取り上げます。脳がでかい(体重に比べて)体毛が薄い武器として使える身体部位がない(牙,鋭い爪など)の3点です。脳がでかい(体重に比べて) 単純に脳の大きさを比較すると,ヒトが1400ccで,シロナガスクジラは9000cc,ゾウは4000ccだから,人間より大きい動物がいます。けれども,体重に対する脳の大きさを計算すると,ヒトは際立って大きいらしい。 ただし,ヒト . . . 本文を読む
人類の起源をさかのぼる,と言った場合,まず問題になるのは「人類=ヒト」の定義です。古代人類の名称には,人類の特徴を表しているものがあります。たとえば,ホモ・サピエンスは「知恵のあるヒト」。ホモ・ハビリスは「器用なヒト」ホモ・エレクトスは「立つヒト」そのほか,これまでいろいろな思想家が,ヒトの本質的な特徴をあらわすためにいくつかの名称を考え出しました。ホモ・ファーベル(=工作するヒト,ベルクソン) . . . 本文を読む
現在有力な説では,現世人類(ホモ・サピエンス)は,15万年前から20万年前にアフリカで発祥し,それが全世界,津々浦々に広がったものだそうです。 それ以前にも,アフリカ大陸を出てユーラシア大陸に進出した人類がいました。たとえばホモ・エレクトス(ジャワ原人,北京原人)や,ネアンデルタール人(ヨーロッパ)などです。しかし,それらの人類は気候変化や,現世人類との生存競争に敗れ,滅亡したと考えられています . . . 本文を読む
3日前に,次のようなニュースがありました。4万8000年前のシベリアに未知の人類…現生人類と共存か国際チーム DNA解析 現生人類やネアンデルタール人の祖先と100万年前に分かれたとみられる未知の人類(デニソワ人)が、ロシア南部に3万~4万8000年前に生存していたことを、ドイツのマックスプランク研究所などの国際チームが明らかにした。現生人類やネアンデルタール人と共存していた可能性が高いという。 . . . 本文を読む