犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

自転車泥棒と疑われ…②

2023-07-03 23:45:23 | 日々の暮らし(2021.2~)

 Dが自身のFacebook(英語)で事件の顛末をアップしていました。

 それによると…

「お兄さん、その自転車、お兄さんの?」

「はい」

「なぜ日本にいるの? 仕事は何? 在留カード見せてくれる? あれ、アームカバーなんてしてるの。今日は暑いのに」

「ああ、すみません。私が何か悪いことしましたか?」

「君の自転車を確認してるだけだよ」


「えっ? 私のものじゃないと思ってるんですか? 私が泥棒に見えますか?」

「そうだね、カバンを前のかごに入れてるでしょう。それがひったくりをしてそこに入れたみたいに見える」

「ワォ! ほんとですか? あんまり暑いんで、かばんを背負いたくなかったんですよ」


「こんどからは、背中に背負ってね」

(えっ! 自分のかばんを自転車のかごに入れることは、悪いことなの⁈)

「お兄さんは、どこの国から来たの?」

「フィリピンから来ました」

 在留カードを渡しながら、

「妻は日本人で、それで日本に住んでいます。仕事は中学校の英語の先生です。さっき通りかかったのは、私の教え子です」

 警官はびっくりして、急に申し訳なさそうな態度になった。

「ああ、奥さんが日本人なんですか(ここから「ですます調」になる)。本当だ、ここに書いてありますね。配偶者ビザだって。先生なんですね。お邪魔してすみませんでした。お兄さんは日本語がとても上手ですね。日本に来て何年ですか」

「いいえ、私の日本語はまだまだ下手です。まだ日本に来て1年半ですから。でも、日本の警察はすごいですねえ。なんでこの自転車が私のじゃないと思ったんですか?」


「ああ、サドルの下のさびの位置が、前に乗っていた人と違うからです」

「なるほど! それはすごい! ということは、私の見た目で呼び止めたわけじゃないんですね?」

「そんなことはないです」


 実際、そのときのDはかなり珍妙なかっこうをしていました。派手なアロハシャツ、サングラス、なぜか両手にアームカバー(その理由はこちら)。

「すみませんが、さっき言われたことが完全には理解できないんで、妻に電話してもいいですか」

「もちろんいいですけど、その必要はありません。もう自転車の持ち主はわかりましたから」


(警察は、登録番号を調べたようです)

「でも、何をおっしゃってるのか正確に知りたいんで、かけてみます」

(妻に電話するも、応答せず)

「妻は忙しいみたいです。かわりに義理の父にかけてみます」

(義理の父も電話に出ず)

「いいですよ。その代わり、あとで交番に行って、自転車の持ち主が変わったことを届けてください」

 警察はほかにも、自分の理解できないことをいろいろ話していたので、警察が妻に電話して、事情を説明してほしかったけど…

(了)

 警察が、サドルの下の錆の具合で自転車泥棒を見分けるというのは、流石です。

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