
Dが自身のFacebook(英語)で事件の顛末をアップしていました。
それによると…
「お兄さん、その自転車、お兄さんの?」
「はい」
「なぜ日本にいるの? 仕事は何? 在留カード見せてくれる? あれ、アームカバーなんてしてるの。今日は暑いのに」
「ああ、すみません。私が何か悪いことしましたか?」
「君の自転車を確認してるだけだよ」
「えっ? 私のものじゃないと思ってるんですか? 私が泥棒に見えますか?」
「そうだね、カバンを前のかごに入れてるでしょう。それがひったくりをしてそこに入れたみたいに見える」
「ワォ! ほんとですか? あんまり暑いんで、かばんを背負いたくなかったんですよ」
「こんどからは、背中に背負ってね」
(えっ! 自分のかばんを自転車のかごに入れることは、悪いことなの⁈)
「お兄さんは、どこの国から来たの?」
「フィリピンから来ました」
在留カードを渡しながら、
「妻は日本人で、それで日本に住んでいます。仕事は中学校の英語の先生です。さっき通りかかったのは、私の教え子です」
警官はびっくりして、急に申し訳なさそうな態度になった。
「ああ、奥さんが日本人なんですか(ここから「ですます調」になる)。本当だ、ここに書いてありますね。配偶者ビザだって。先生なんですね。お邪魔してすみませんでした。お兄さんは日本語がとても上手ですね。日本に来て何年ですか」
「いいえ、私の日本語はまだまだ下手です。まだ日本に来て1年半ですから。でも、日本の警察はすごいですねえ。なんでこの自転車が私のじゃないと思ったんですか?」
「ああ、サドルの下のさびの位置が、前に乗っていた人と違うからです」
「なるほど! それはすごい! ということは、私の見た目で呼び止めたわけじゃないんですね?」
「そんなことはないです」
実際、そのときのDはかなり珍妙なかっこうをしていました。派手なアロハシャツ、サングラス、なぜか両手にアームカバー(その理由はこちら)。
「すみませんが、さっき言われたことが完全には理解できないんで、妻に電話してもいいですか」
「もちろんいいですけど、その必要はありません。もう自転車の持ち主はわかりましたから」
(警察は、登録番号を調べたようです)
「でも、何をおっしゃってるのか正確に知りたいんで、かけてみます」
(妻に電話するも、応答せず)
「妻は忙しいみたいです。かわりに義理の父にかけてみます」
(義理の父も電話に出ず)
「いいですよ。その代わり、あとで交番に行って、自転車の持ち主が変わったことを届けてください」
警察はほかにも、自分の理解できないことをいろいろ話していたので、警察が妻に電話して、事情を説明してほしかったけど…
(了)
警察が、サドルの下の錆の具合で自転車泥棒を見分けるというのは、流石です。
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