新大阪のBlueblueは、昨年よく通ったバーですが、カウンターに座ると、若いバーテン(男女がいる)が話し相手になってくれます。
「犬鍋さんは、韓国に住んだことがあるんですか」
「うん」
「どのくらいですか」
「長いよ。11年」
「えっ! そんなに! じゃあ、韓国語もできるんですか」
「まあね。でも、帰国してから10年以上経ってるから、だんだん忘れてきたけど」
「韓国語、ぜひ教えてください!」
こんなふうにして、韓国語の初級レッスンが始まることもあります。たいていは社交辞令なので、真剣に勉強する気はないのですが。
K-popや韓国ドラマが好きな人は、アンニョンハセヨ(こんにちは)とか、カムサハムニダ(ありがとう)とか、サランヘヨ(愛してます)などの基本的なフレーズは知っていますね。
でも、アンニョンヒカセヨ(さようなら)を教えて、いざ店を出るとき、ぼくのほうが「アンニョンヒケセヨ」と言うと、相手は怪訝な顔をします。
「「さようなら」は、店に残る人はアンニョンヒカセヨ안녕히가세요と言うけど、帰って行く人はアンニョンヒケセヨ안녕히계세요と言うんだよ」
「へえ、韓国語って面白いですね!」
アンニョンヒ(안녕히)は、漢字の言葉で「安寧に」。カセヨ가세요は「行く」という動詞のていねいな命令形で、「いってらっしゃい、お行きください」といった意味。ケセヨ계세요は「いる」のていねいな命令形で、「いらっしゃい、お残りください」。
アンニョンヒカセヨ/ケセヨは、「つつがなくいってらっしゃい/お残りください」という、かなりていねいな表現です。
まあ、日本語の場合は、どちらも「さようなら」なので、行く人と残る人で言い方が違う韓国語は「変わっている」、と思うかもしれません。
ところで、先ごろ2歳の誕生日を迎えた孫(長女の娘)の言語能力が、一気に開花しつつあります。最初は断片的な単語を発するだけだったのが、最近は3語文や4語文など、かなり長い文までしゃべるようになりました。その様子が、3日に1度ぐらい、SNSで送られてくるのですね。
ところが、長女によれば、孫が習得にてこずっている表現があるそうです。
朝、お父さんが娘を保育園に連れて行くとき、お母さんが「いってらっしゃーい」というと、娘もオウム返しで「いってらっしゃーい」という。
「ちがうよ、いってきまーす、だよ」と言っても、理解できない様子。
「いってらっしゃーい/いってきまーす」の使い分けは、まさに、「アンニョンヒカセヨ/ケセヨ」と同じです。
一方、保育園から帰ってきたときは「ただいまー!」と言い、お父さんが職場から帰ってきたときは「おかえりー!」と使い分けられるというから、「いってらっしゃーい/いってきまーす」の使い分けができるようになるのも、まもなくでしょう。
「犬鍋さんは、韓国に住んだことがあるんですか」
「うん」
「どのくらいですか」
「長いよ。11年」
「えっ! そんなに! じゃあ、韓国語もできるんですか」
「まあね。でも、帰国してから10年以上経ってるから、だんだん忘れてきたけど」
「韓国語、ぜひ教えてください!」
こんなふうにして、韓国語の初級レッスンが始まることもあります。たいていは社交辞令なので、真剣に勉強する気はないのですが。
K-popや韓国ドラマが好きな人は、アンニョンハセヨ(こんにちは)とか、カムサハムニダ(ありがとう)とか、サランヘヨ(愛してます)などの基本的なフレーズは知っていますね。
でも、アンニョンヒカセヨ(さようなら)を教えて、いざ店を出るとき、ぼくのほうが「アンニョンヒケセヨ」と言うと、相手は怪訝な顔をします。
「「さようなら」は、店に残る人はアンニョンヒカセヨ안녕히가세요と言うけど、帰って行く人はアンニョンヒケセヨ안녕히계세요と言うんだよ」
「へえ、韓国語って面白いですね!」
アンニョンヒ(안녕히)は、漢字の言葉で「安寧に」。カセヨ가세요は「行く」という動詞のていねいな命令形で、「いってらっしゃい、お行きください」といった意味。ケセヨ계세요は「いる」のていねいな命令形で、「いらっしゃい、お残りください」。
アンニョンヒカセヨ/ケセヨは、「つつがなくいってらっしゃい/お残りください」という、かなりていねいな表現です。
まあ、日本語の場合は、どちらも「さようなら」なので、行く人と残る人で言い方が違う韓国語は「変わっている」、と思うかもしれません。
ところで、先ごろ2歳の誕生日を迎えた孫(長女の娘)の言語能力が、一気に開花しつつあります。最初は断片的な単語を発するだけだったのが、最近は3語文や4語文など、かなり長い文までしゃべるようになりました。その様子が、3日に1度ぐらい、SNSで送られてくるのですね。
ところが、長女によれば、孫が習得にてこずっている表現があるそうです。
朝、お父さんが娘を保育園に連れて行くとき、お母さんが「いってらっしゃーい」というと、娘もオウム返しで「いってらっしゃーい」という。
「ちがうよ、いってきまーす、だよ」と言っても、理解できない様子。
「いってらっしゃーい/いってきまーす」の使い分けは、まさに、「アンニョンヒカセヨ/ケセヨ」と同じです。
一方、保育園から帰ってきたときは「ただいまー!」と言い、お父さんが職場から帰ってきたときは「おかえりー!」と使い分けられるというから、「いってらっしゃーい/いってきまーす」の使い分けができるようになるのも、まもなくでしょう。
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