では、日本のアパートを韓国語で何というかというと…
そもそも韓国には日本式のアパートはないので、ぴったりの言葉はありません。
三省堂国語辞典では、
アパート:一つの建物を、貸家式に分けて設備をした住宅。木造や軽量鉄骨のものをさす。
マンション:設備のよい中高層の〈集合/分譲〉住宅
韓国の標準国語大辞典では、
アパート(아파트):共同住宅の一つ。5階以上の建物を階ごとに複数の家で一定に区分けしそれぞれ独立した世帯が生活できるように作った住居形態。
では、4階以下の共同住宅はなんというのか。ビラ(빌라villa)と言う人が多いですが、マンション(맨션)と言う人もいたりするのでややこしい。
木造や軽量鉄骨2階建ての、いわゆる日本式アパートは、韓国には存在しません。
アパートの対概念は一戸建てで、こちらは単独住宅といいます。ほとんどがコンクリート製で木造は少ない。これは暖房設備(オンドル、床暖房)と関係があるのかもしれません。
なお、単独住宅よりアパートのほうが「格上」であるところも、日本とは逆かも。
なお、単独住宅よりアパートのほうが「格上」であるところも、日本とは逆かも。
私の4女は、スウェーデン人の夫が日本入国後、隔離が解けて、新居を探す間、一時的にマンスリーマンションに住んでいますが、数日前、賃貸マンションを契約したそうです。
「古いけど、利便性を重視して決めた。外国人入居可の物件が少なくて…」
場所は日本橋といいますから、都心です。二人の職場までの通勤時間はそれぞれ30分以内。うらやましい。
「古いのに、けっこう高かった」
「しょうがないでしょう。その場所じゃ」
「友達が六本木のアパートを買ったって。いくらしたんだろう」
「すごいね! アパート経営を始めるんだ?」
「えっ? 自分で住むんだよ」
「じゃ、アパートじゃなくて、マンションだろ? アパートを丸ごと買ったのかと思ったよ」
「アパートとマンションって、同じことでしょう?」
「…」
どうも、4女のアパートに関する言語感覚は、韓国語の影響が強いようです。
私たち家族が韓国に引っ越したのは、1996年。そのとき4女は1歳でした。家族は韓国で9年間いて、2回引っ越しましたが、いずれもマンション暮らし。
そして自分たちの家を韓国語式にアパートと呼んでいました。周囲の駐在員たちもみなマンションをアパートと呼んでいたので、日本に帰ってからも、マンションとアパートを区別してこなかったようです。
そして自分たちの家を韓国語式にアパートと呼んでいました。周囲の駐在員たちもみなマンションをアパートと呼んでいたので、日本に帰ってからも、マンションとアパートを区別してこなかったようです。
しかし、日本に帰国したのが2005年ですから、16年経っています。
それなのに、これまでアパートとマンションを区別せずに使ってきたなんて…。
子どものころに身につけた言語感覚は、簡単には直らないようです。
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