ここのところしばらく韓国出張がなく、韓国のチングたちに会いたいなあと思っていたところへ、当ブログのコメンテイターで韓国在住20年のK氏から一時帰国するとの連絡をいただきました。さっそく飲む約束をしました。
前回の一時帰国のときもいっしょに飲むはずでした。それが3月11日。そう、震災の日です。あの激しい揺れが収まった頃、
「さすがに今日は中止だよね」
というメールが届いたのがラッキー。なにしろあのときは携帯がほとんどつながらなくなっていましたから。
さて、今回赴いたのは江戸川橋のやきとんの店。
前に、やはりコメンテイターのスントゥブさんから紹介していただいた店です。メニューはさまざまな豚のホルモン。焼き物も刺身もあります。まず頼んだのさしみ七種盛り合わせ。タンとかハツという定番とともに、コブクロ(子宮)、フワ(肺)、チレ(脾臓)などというマニアックな部位も混じっています。
二人の会話といえば、自然に話題は韓国のことに。
狭い店内は満員で、われわれが座っていたカウンター席もぎっしりです。サッポロ黒ラベルの杯を重ね、テンションが高くなったころ、私の左隣でひとりで飲んでいた男性が声をかけてきました。
「実は、私の娘がいまウルサンの大学に留学してまして、つい先週、韓国に行ってきたんですよ」
「そうなんですか。われわれも韓国には縁が深いんですよ」
「なんか、さっきから韓国の話をしているようなので、わりこんですいません」
「いえいえ、大歓迎ですよ」
聞けば、奥さんも韓流にはまっていて、韓国にはときどき遊びに行くそうなのですが、ご自身は今回が初めて。釜山から蔚山(ウルサン)、ソウルと親子三人で楽しんできたとのこと。記憶が新鮮なのでしょう、どこで何を食べたなんていう話が次々に出てきました。
職場や自宅から近いわけではないのに、はるばる江戸川橋までホルモン刺しを食べにくるあたり、ゲテモノ好きとみました。韓国でも、ケーブル(ゆむし)やポンテギ(蚕のさなぎ)などを賞味してきたとのこと。昨今の円高で、韓国の物価がとても安く感じられ、楽しみも倍増したようです。
ここで意気投合し、
「じゃ二次会はいっしょに行きましょう」
ということになり、池袋に向かいました。
「安い韓国バーがあるんですよ」
私が先導して、お決まりの「アガシ」に向います。
ところが…。
やっていない。店の入り口には頑丈な南京錠がかかっています。
(おかしいなあ)
財布の中から店の名刺を探し出し、店長の携帯にかけると
「この番号は現在使われておりません…」
(マンヘッソヨ?)(つぶれちゃった?)
連れてきた私の面目まるつぶれです。
「仕方がない。ここよりはちょっと高いんですけれど、別の店にしましょう」
行ったのは「くれよん」という韓国スナック。何回か来たことがあります。最初は、
(フランス語で鉛筆か、洒落た名前だな)
と思ったのですが、店名の由来を聞くと、ママさんがクレヨンしんちゃんが大好きだとのこと。
(なーんだ)
ママは韓クラ出身で、クラブで稼いだ資金を元でに店をオープンし、もう2年ぐらい頑張っているようです。今は二人のアガシもかかえている。一人は来日10カ月目の留学生。もう一人は中国人。「アガシ」もそうですが、最近は韓国系の店にも中国人の進出が著しいようです。
そこへもう一人のブログ友達、るな女史が合流。
この店、4人集まると団体割引、さらに女性は1000円引きということで、いろんな意味でうれしい合流でした。
久しぶりの再会、そして新たな出会い。やはり韓国つながりの友達とは話がはずみます。
みなさん、食べること(と飲むこと)が大好きという共通点がある。
実現するかどうかは別として、「次回は韓国で」と、再会を期して帰路につきました。
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池袋の繁華街で無許可で営業だなんて、やることがさすがに大胆ですね。
ところで、上記の文章に「スントゥブ」とあり、「はて?」と思いました。実は今まで「スンドゥプ」と書いていました。今後は「スントゥブ」で再デビューします。でも響きがなんか間抜けな感じがするので、変えるかも。
ニュースの中で「2店舗」と出ていたので、アガシもアジョシも営業停止でしょうね。
リーズナブルで楽しい店だったのに、残念です。
トゥブがいいのかドゥプがいいのかは微妙ですね。
トゥもプも語中では有声音化(濁音化)するので、スンドゥブがいちばん近いのかもしれません。
博多駅前の屋台には「スンドヴ」とありました。食べ物の名前に「ドヴ」はちょっとあれですが、屋台主は単に奇をてらったのではなく、彼の鋭敏な聴覚をして「ヴ」と書かしめたのかもしれません。なぜなら、スンドゥブの「ブ」は、有声破裂音[b]ではなく、より[v]に近い有声摩擦音[β]で発音されることが多いからです。ただ残念ながら、肝心の味のほうはいまいちで、屋台主の味覚は聴覚ほどではなかったようです。
韓国式に発音すると、진까스で食べ物の名前にはちょっとあれですが、店主は敢えて奇をてらったという話を聞いたことがあります。(果たして真相は?)
ピアノの置いてある珍しいトンカツ屋ですね。
...あ、それで「珍かつ」か。
アジョシは無許可だったが、新しいほうのアガシはちゃんと許可をとっていたものと思われます。