一時は、中国に次に感染者数の多かった韓国の新型コロナウイルスが、一足早く終息に向かいつつあると伝えられ、韓国の人々の生活も、日常に復しつつあるようです。
一方、日本の感染者数は増加を続け、当分収まる気配がありません。そのような隣国の状況を見て、ほくそ笑んでいる韓国人も多いとか。
中央日報は、コラムで、そのような韓国人をたしなめています。
中央日報日本語版2020年4月14日
【時視各角】日本のコロナ感染拡大、喜ぶことか(リンク)
ただ、「喜ぶべきではない」理由を見ると、「人道主義」以外に、
「在日同胞が60万人、日本への留学生が1万7000人もいる」
とか、
「日本経済の深刻な沈滞によって韓国経済も大きな被害を被る」
とか、
「日系金融機関からの借入金が莫大だ」
などという、自国本位の理由を並べ立てているのはいただけません。
最後は、1350年、百年戦争中だった英国とフランスが、ペストの蔓延を理由に休戦した故事を持ち出して、日韓も「今は戦いをやめる時だ」と述べていますが。
私は、3月の春分の日に帰省して以来、大阪の単身赴任先で在宅勤務を続けていますが、帰省時に自宅の本棚から持ってきた本の一つが、『ペスト大流行』(村上陽一郎著、岩波新書、1983年刊)。
そこに面白い一節がありました。
そこでは、14世紀のイギリスにおけるペストの大流行を伝える史料が紹介されています。
この(1349年の)大惨禍がイングランドを席捲している間、スコットランド人は、自分たちがイングランド人に対して抱く野望はすべてかなえられるぞ、と喜んだ上に、神に対して冒涜の言葉を吐く場合に、純粋の悪意から「イングランドの奴らの悪しき死にかけて」などという文句を使うのを常とするようになった。しかし、このような悪意に満ちた喜びには、踵を接して悲しみがやってきた。ようやく神の怒りの剣はイングランド人の上を離れ、イングランド人を腫張とできもので苦しめたように、スコットランド人を癩で苦しめることになったからである。
一方翌年、ペストはウェールズに到り、ついには、いわば船出をして、アイルランドに向かい、その地に住むイングランド人の人口を激減させたが、山間部や高地に住む純粋のアイルランド人には、1365年までは、ほとんど手を触れなかった。1365年になって、もう大丈夫と一安心したのを嘲笑うかのように、どこに住んでいる人でも、アイルランド人も除外することなくあらためてペストは恐ろしい禍をもたらしたのだった。
イギリスとアイルランドの仲の悪さは、IRAのテロ活動などでよく知られていますが、今はイギリスとひとくくりにされるイングランド、スコットランド、ウェールズの間の不和も、歴史的に根深いものがあります。
14世紀のペスト大流行のとき、スコットランド人が、イングランドでの感染の広がりを「喜んだ」という事例なのですね。
隣国の不幸を喜ぶという悪しき傾向は、時代を問わずに見られるようです。
一方、日本の感染者数は増加を続け、当分収まる気配がありません。そのような隣国の状況を見て、ほくそ笑んでいる韓国人も多いとか。
中央日報は、コラムで、そのような韓国人をたしなめています。
中央日報日本語版2020年4月14日
【時視各角】日本のコロナ感染拡大、喜ぶことか(リンク)
ただ、「喜ぶべきではない」理由を見ると、「人道主義」以外に、
「在日同胞が60万人、日本への留学生が1万7000人もいる」
とか、
「日本経済の深刻な沈滞によって韓国経済も大きな被害を被る」
とか、
「日系金融機関からの借入金が莫大だ」
などという、自国本位の理由を並べ立てているのはいただけません。
最後は、1350年、百年戦争中だった英国とフランスが、ペストの蔓延を理由に休戦した故事を持ち出して、日韓も「今は戦いをやめる時だ」と述べていますが。
私は、3月の春分の日に帰省して以来、大阪の単身赴任先で在宅勤務を続けていますが、帰省時に自宅の本棚から持ってきた本の一つが、『ペスト大流行』(村上陽一郎著、岩波新書、1983年刊)。
そこに面白い一節がありました。
そこでは、14世紀のイギリスにおけるペストの大流行を伝える史料が紹介されています。
この(1349年の)大惨禍がイングランドを席捲している間、スコットランド人は、自分たちがイングランド人に対して抱く野望はすべてかなえられるぞ、と喜んだ上に、神に対して冒涜の言葉を吐く場合に、純粋の悪意から「イングランドの奴らの悪しき死にかけて」などという文句を使うのを常とするようになった。しかし、このような悪意に満ちた喜びには、踵を接して悲しみがやってきた。ようやく神の怒りの剣はイングランド人の上を離れ、イングランド人を腫張とできもので苦しめたように、スコットランド人を癩で苦しめることになったからである。
一方翌年、ペストはウェールズに到り、ついには、いわば船出をして、アイルランドに向かい、その地に住むイングランド人の人口を激減させたが、山間部や高地に住む純粋のアイルランド人には、1365年までは、ほとんど手を触れなかった。1365年になって、もう大丈夫と一安心したのを嘲笑うかのように、どこに住んでいる人でも、アイルランド人も除外することなくあらためてペストは恐ろしい禍をもたらしたのだった。
イギリスとアイルランドの仲の悪さは、IRAのテロ活動などでよく知られていますが、今はイギリスとひとくくりにされるイングランド、スコットランド、ウェールズの間の不和も、歴史的に根深いものがあります。
14世紀のペスト大流行のとき、スコットランド人が、イングランドでの感染の広がりを「喜んだ」という事例なのですね。
隣国の不幸を喜ぶという悪しき傾向は、時代を問わずに見られるようです。
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