犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

金賢姫の著書

2009-01-18 00:35:37 | 韓国雑学
朝鮮日報1月6日の記事です(→リンク)。

「金賢姫は北朝鮮工作員」
自叙伝代筆した小説家、でっち上げ説を一蹴

 1987年に起きた大韓航空機爆破事件の実行犯、金賢姫元死刑囚(46)の自叙伝『いま、女として―金賢姫全告白』を代筆した小説家ノ・スミン氏(58)=女性=は、一部でささやかれている「大韓航空機爆破事件でっち上げ説」を一蹴し、「金元死刑囚は明らかに北朝鮮工作員だった」と語った。

 金元死刑囚の自叙伝に関し、「ゴーストライター」としてメディアへの露出を避けてきたノ氏が、金元死刑囚の実像について公に言及したのは、これが初めてだ。

 ノ氏は5日、本紙との電話インタビューに応じた。インタビューに応じる気持ちになった理由について、ノ氏は「前政権で繰り返し行われた大韓航空機爆破事件に関する再調査で、金元死刑囚が胸を痛めているという話を聞き、わたしが知る金元死刑囚の実像を伝えたかった」と説明している。

 盧武鉉政権時代の2005年に組織された「真実・和解のための過去史整理委員会」は、大韓航空機爆破事件が最高裁判所判決を受け、国家情報院の真相糾明調査が終了しているのにもかかわらず、でっち上げ説があることを根拠に再調査を行った。

 ノ氏は「国家安全企画部(安企部)の仲介で自叙伝を代筆することになったとき、1992年ごろまで約2年間、金元死刑囚と一緒に暮らした。彼女が北朝鮮工作員だったことを確信したのは1回や2回ではない」と証言する。

 確信したエピソードの一つは次のようなものだ。「金元死刑囚の講演会に同行し、全国各地を歩き回ったとき、一緒に銭湯に行ったことがある。わたしが湯船に入ると、金元死刑囚は「お湯の中に入ってもいいのですか。(手おけで)お湯をすくって使わなければならないのでは?」と聞いた。公衆浴場に一度も行ったことがなかったのだ」。

 さらに、「屋台では食べ物だけを売っていると思っていた金元死刑囚は、わたしが焼酎を注文すると驚き、「不思議」と言った。演技している様子は全く感じられなかった」と振り返る。

 ノ氏は「当時の安企部関係者が「金元死刑囚が本当に(思想)転向したのかどうか、調べてほしい」と言ったことも、金元死刑囚が北朝鮮工作員だったことを示している」と言う。また、自叙伝を代筆した経緯については「1990年に「金賢姫の自叙伝を書いてみるか?」と依頼を受け、ソウル市内の世宗文化会館で安企部関係者二人に会った。数回行われた面接では、当時安企部に所属していた鄭亨根氏(その後、国会議員になったが昨年5月落選)に会ったこともある。最後に当時安企部部長だった徐東権氏から自叙伝代筆の依頼を受けた」と語った。

 何をいまさらという感じですが,判決が「確定」している事件について,再調査するというのは,本当に三権分立しているのか疑わしくなります。

 1990年以降,韓国関係の仕事をするようになって,私も上の本を読みました。金賢姫自身が書くことはありえないので,たぶん安企部の職員が書いたのだろうと思っていましたが,実際は小説家が書いていたのですね。どうりでうまく書けていました。

 本の中には安企部の担当官も出てくるのですが,相当に厳しい取り調べが行われたはずなのに,みな情のある好人物として描かれていたので,思わず笑いそうになりました。

 こんなふうにすべてを白状してしまって,祖国に残されている家族はきっと殺されるだろうな。それを覚悟でしゃべったんだろうなあ,と思いました。

 その後,恩赦で死刑を免除された金賢姫。クリスチャンになり「愛を感じるとき」を出版。

 さらに,自分の教育係だった李恩恵(田口八重子さん)を,初めて実名で言及して救出を訴えた,「忘れられない女(ひと)-李恩恵先生との二十カ月」を出しました。日本政府が拉致問題に真剣に取り組むことになる大きなきっかけになりました。

 確か,印税はすべて田口さんの救出のために寄付すると書いてあったと記憶します。

 あの2冊もノ・スミン氏が代筆したのでしょうか。

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2 コメント

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ノムヒョン (スンドゥプ)
2009-01-19 08:28:02
彼の言動や行動は理解できないことが多い。
本当は何者なのだろうか?
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旧官が名官 (犬鍋)
2009-01-21 00:50:33
若者とは言えない世代までも,やっぱり李ミョンバクよりはノムヒョンのほうがマシだったなどと言い始めているようですね。
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