コトバヲツグムモノ

「口を噤む」のか「言葉を紡ぐ」のか…さてどちらの転がっていくのか、リスタートしてみましょう。

卒業

2013-03-21 23:31:07 | PTA

長男が小学校を卒業しました。
同時に私の小学校PTA会長のお仕事も卒業です。

今まで思っていなかった様々なことを”考えさせられる”2年間だった気がします。
そんな思いを、子どもらへお祝いの言葉として、同時に大人への提言として。
そう、子どもの問題は、まず周りの大人が考え直さないと、いくら子どもが変わろうとしても大人の影響が大きいですから。
本来は、日々のPTA活動の中で伝えていきたいところですが、多くの方が耳を傾けてくれるこの機会を利用させていただきました。
事前に原稿をチェックしてくれた連れ合いからは「祝辞ではないね」と渋い顔されましたが。

私の思いとしては、子どもたちが一緒に聞いてくれているところで、大人としての”至らないところ”をはっきりと示し、謝罪することで「うるさく言うけど大人が出来てないじゃん」としらけられることなく、「大人もだめなところあるから、一緒に育っていこう」というメッセージにしたかった。

感謝するところは感謝し、謝罪するところは謝罪する。
えらそうなことは言えないので、身近な言葉で。

実際はこの原稿だけでとどめず、最後にフレンドリーな言葉でお祝いと感謝も述べましたが。

    祝  辞

 

  植物や木々の蕾がふくらみはじめ、柔らかな春の風とともに芽を出そうとしている、このよき日に、K小学校を卒業していく皆様に、お祝いの言葉として感謝とお詫びの言葉をPTAを代表して贈りたいと思います。

  まずは、今この場所で立派な巣立ちの姿を見せてくれてありがとうという感謝の気持ちです。事故や虐待、いじめや体罰に苦しんだり、自ら死を選んでしまうということが起こることもあります。こうして皆さんがここに揃っていることは当たり前のことではありません。もちろん、私たち親・先生・地域の大人たちは皆さんが揃ってこの日を迎えてくれるように一生懸命お手伝いしてきました。でも、皆さん自身が一生懸命生き続けてくれたことが一番大事です。ありがとう。

  つぎに、よい見本ばかりでなかったことに対してごめんなさいと言いたいです。もちろん、皆さんの笑顔の為に大人は一生懸命でした。しかし、時には「あなたのために」という思いが強すぎて、厳しく接したり、しつけや体罰という形で身体や心を傷つけてしまったことがあるかもしれません。思いは正しくとも手段が間違っていなかったかということを、最近の事故・事件を通じて大人たちは考え出しています。今までは間違った見本もあったかもしれませんが、これから中学生になる皆さんは、自分の目で何が正しいかを見極めて行ってください。そんな皆さんのよき手本となるよう、大人も努力を続けていきます。

  

  皆さんが、これから成長していくためにひとつお願いがあります。最近起こっている様々な出来事を避けるためにいろんなことが言われていますが、私はまず最初にひとつのことをするだけで問題解決に向かえると信じています。それは自分を大事にするのと同じように、目の前にいる人を大事にしてほしいということです。自分がこうしてもらえたらうれしいと思うことを相手にし、こうされたら嫌だと思うことをしない。そういうふうに、相手の気持ちを考えて大事にするだけで、まずは目の前の人と、クラスの仲間と、学校の仲間と、その絆はすべての人々につながっていきます。その第一歩が目の前の友達・兄弟・先生・親を大事にすることから始まります。

  

  

  保護者の皆様、お子様のご卒業おめでとうございます。

今子どもたちに話したことは、まず私たち大人が見本となって示す必要があります。あるはずがないと思っていたような出来事が続いた昨今、子どもの見本となりえているかどうか見直す良い機会だと思います。「いじめはいけない」といいながら、弱い立場のものを責めたりすることはなかったでしょうか?「暴力はいけない」といいながら、弱い立場のものに手を上げることはなかったでしょうか?「悪口はいけない」といいながら、家で他人の悪口を言ってなかったでしょうか?「大人だから」「子どもを守るために」というのはこちら側の理屈で、相手はどう感じているのか目の前にいる人を大事にするというのはどういうことか、まず大人が考えて、よりよき見本になっていたいと思います。

  保護者の皆さん、先生がた、子どもは大人の背中を見て育ちますから、こうして立派に巣立っていく子どもたちを前に、わが身を振り返る機会にしていただければ幸いです。

  

  最後に、高いところからではございますが、ご来賓の皆様に、ご挨拶申し上げます。公私ともご多用の中、卒業式にご臨席賜り誠にありがとうございます。地域の皆様のお力添えもあり、今ここに卒業式を迎えることができました。今後とも、K小学校の子どもたちに、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

  

  

  では、卒業生の皆さん、私たち大人もまだまだ学んでいきます。皆さんの手本となるよう努力していきます。ひとりひとりがお互いを大事にしあって、楽しい中学生生活を送って下さい。

    

    平成二十五年三月二十一日

   K小学校PTA会長 高橋京介

最後に 予定通り、「K小学校のPTA会長と児童という関係は今日で終わりです。これから顔を合わすことはほとんどないと思いますが、もし見かけたら気軽に元会長・高橋のおっちゃんと気軽に声かけてください」と。
これで、中学の入学式で「また会えたな ニヤッ」というネタを使えます。 

 


尊重から始まるつながり

2013-03-20 19:14:55 | PTA

明日はいよいよ卒業証書授与式。
2年間請け負ったPTA会長も、これで一旦お役ごめんとなる。
単Pの会長としてのみならず、南支部PTA連絡協議会・小学校PTA連絡協議会と所属させていただくにあたり、それまではスルーしていたさまざまな問題が、興味の中心にすえられた気がする。
会長職を離れるにあたり、最後のPTA新聞の原稿依頼があった。
おりしも、卒業証書授与式の「祝辞」を考える必要もあったので、同じ趣旨で子どもへのお祝いの言葉を軸に発するものと、保護者向けのものとに仕上げた。
せっかく考えたことでもあるので、私自身の記録もかねてこのブログにアップしてみたい。 


 日ごろはPTA活動にご協力をいただき、まことにありがとうございます。

 おかげさまで、無事2年間のPTA会長任期を終えることが出来そうです。

 その間、南支部の会長という役を同時にいただくことにより、南区にとどまらず、京都市のPTA活動、また日本全国から仲間をお招きしての「PTA全国研究大会 京都大会」のスタッフとして、さまざまな出会いを通じてPTAということを意識させていただきました。

 幸いなことにこの九条塔南小学校で報道をにぎわすほどの案件はありませんでしたが、いじめ・虐待・体罰などの事例がさまざまな話題として耳にはいってきています。その解決法は事例によって細やかなものが必要だとは思いますが、手近なところで、しかもすぐに行動に起こせることがあると思っています。

 「目の前にいる存在を大事にして、尊重する」

 平たく言えば、相手の気持ちになって考えてみて、嫌なことはせず、うれしいことはする。ただそれだけです。

 子どもが子どもへ、親が子どもへ、先生が子どもへ、立場は違えどもその構図は「相手のことを思いやることが出来ず、”あなたのためを思って”という、こちら側の理屈で行動」していることです。そのことが相手の苦痛につながっているとしたら…。

 そうです、こちら側は悪意があるのではないのですが、相手がどう思うかの想像力が足りない状態で、”善意の押し付け”をしたときに、相手を困らせてしまうのです。

 「しつけのつもり」「指導のつもり」こちら側は「あなたのためを思っている」ということなのに、そのことで死を選ぶほどの事例が実際あるのですから。直接的な暴力はもちろん、言葉かけだけでも相手を傷つけて追い込むことはあります。ぜひ、「こういう言われ方をしたら、私だったらどう思うだろうか?」ということを意識してください。そのワンステップだけで、ずいぶん関わり方が変わってくると思います。

 このことは、親同士、親と教師のような大人同士の場面でも起こります。自分の子どもを大事にするのは当たり前ですが、相手への尊重をなくしてしまうとそれは「自分の子どもを守る」ことから逸脱して「相手を攻撃する」ことに陥ってしまいます。

 子ども同士の問題を解決するためには、まず大人が見本を示す必要があります。子どもを尊重し、回りの相手を尊重することを意識して、手本として子どもに「関わり方」の大事さを伝えてあげてください。

 自分が尊重されていると感じられたら、次は目の前にいる人を尊重することがきっと出来るはずです。そのことが、子どもを育んでいくことになりますから。
 立場は変われど、まだまだ子育ては続きます。皆さん、これからも一緒に子ども笑顔を守っていきましょう。


会議と実践

2013-03-15 01:57:33 | PTA

3.11のことをお話させていただいた翌日、小P連の役割のひとつとして会議に出席させていただいた。

「子どもを共に育む「親支援」プログラム」
その活動のひとつは「ほっこり子育て広場」として、PTAの家庭教育学級などに支援員を派遣して行う、子育てにまつわるワークショップ。
そして、今回の会議で議題となった、将来子育てをすることになる「中学生」に、乳幼児に触れてもらうことで「子育て」を体感してもらうプログラム。

私自身は、今年度に初めてプロジェクト会議に参加したため、お聞かせいただいたのはすでに進行しているものの説明だったけど、その意図するところは十分に伝わってきた。
当然この取り組みには予算が割かれ、有識者による準備が行われているのだろうから、京都市のPTAとして存分に活用させていただくことが大事だと思う。
その上で、課題などをどんどんフィードバックして、よりよいプログラムを育てていければ良いと思う。


その日の夜は、偶然にも自分の小学校で「ほっこり子育て広場」を実践する日。
いくつかのテーマの中から、「ふれあう ~本当はいっぱい話したい 思春期の対応~」を。
いつもの事ながら参加者は少なく、その点は残念だが、参加してくださった方にはとてもいい時間を過ごしていただけたと思う。
いつかこのプログラムを受けられる方の為に詳細は省くが、テーマを元に少人数のグループで話し合うのはとても楽しい。

忙しい保護者だからこそ、この1時間強の時間、自分を振り返る時間を持つというだけでも大きな意味がある。
きっかけは子育ての課題となるワークショップだけれど、その内容で学ぶことより、ホッと一息つく時間を持つことと、ほかの方の意見を聞いて「いろんな考え方があるんだな」と気づくことが大事なんだと思う。

このあたりは支援員さんが上手に動かしてくださるのだが、そのいろんな考え方を否定することなく、自分の考えを責められることなく、「今の自分で大丈夫」と味あわせてくださる。
だからこそ、ほかの方の考えかたも尊重しながら聞くことが出来る。

こういうプログラムを学校で行えるのですから、ぜひいろんなPTAで採用していただければ良いですよね。
4月になったら、ぜひ年間のPTA行事計画に合わせて、このプログラムを取り込んでいただければと思います。
(京都市以外の皆様、ローカルな企画でごめんなさい)

教育委員会の案内ページ 


私の3.11

2013-03-14 10:57:32 | 日常雑感

東北の震災、津波、原発被災から2年を迎えた。

テレビのモニター越しに見た被害は、この2年間で私の中の位置づけを大きく変えていった。

2年前、私にとってはその少し前に他界した祖母の事のほうが重大だった。
あわれというも中々おろかなり

震災で命を落とした人も、寿命で命を終えた祖母も、私の目の前から消えていった人ということでは同じだ。
いや、何千人の顔を知らない人の命より、私のそばにいてくれた祖母の命の損失感のほうが大きい。
死 ということ

そのことが、逆に震災被害一辺倒の報道に嫌悪感を募らせていた気がする。

その後、仙台を訪問してきたPTAの先輩方の言葉に心振るわせた。
遠いところでのお話

身近な人による、生の言葉によって、モニター越しでは伝わってこなかった”熱”がそこに加わった。

1年後、いよいよ自分の目で見、肌で感じる機会が訪れた。
仙台訪問(PTAフェスティバル)1
仙台訪問(PTAフェスティバル)2
仙台訪問(PTAフェスティバル)3

1年前に私が感じたように、私の言葉で全部を伝えることは出来ない。
しかし、何かを感じている私が居る事はお伝えできる。
なんどか、写真をお見せしながらお話しする機会をいただいた。

そして、京都にこられていた仙台市PTA会長に再会する機会が訪れた。
また新たに、今の状態を通して東北のことを感じさせていただいた。
仙台市PTA会長のお話を聞きに行って 1
仙台市PTA会長のお話を聞きに行って 2

仙台を訪問したときに皆さんが話されていた「まだ終わっていません」という言葉、そして仙台市PTA会長の「忘れないでください」という言葉。

せめてそのことはいろんな方にお伝えしたい。
そうして、この3.11に、PTAの南支部「人権学習会」を利用して、再び仙台を訪問させていただいたときのお話をした。

そのことがどのように広がっていくかはわからない。
これだけのことで、私が何か成しえたとも思えない。
でも、ただ黙っているよりは、ほんのわずかでも”伝える”媒介となれたのならば。

少なくとも、この私は、「忘れないでください」の言葉を思い返すご縁はいただけた。
そう、私自身が「忘れない」ように、さまざまな働きかけが私に向かっている。 

無力な私は、無力なりに。

またこのことをこうしてブログに残すことで、いつかまた振り返ることが出来る。


思いをこめて

2013-03-08 00:54:27 | PTA

私が会長をする学校で、いろいろ問題が起きている。
まぁ、今年に限ったことではなく、時々耳にする話ではあるし、ほかの学校でもいろいろと問題はあるだろう。

このブログでも何度か「うわさ話」にまつわる話はしているが、今回もその辺が問題を複雑にしていた。
そこで、ちょうど2年間引き受けていた会長職を退くこともあるので、その挨拶を兼ねて文書として配布させてもらうことにした。
デリケートな問題も含んでいるので、学校としては「書面で残したくない」という声もあったが、そこは「わたし個人の思いとして、表に出ていない問題にも関わるのでぜひ文書で全保護者向けに」とお願いした。
結果、校長先生からも「学校の立場も慮っていただき、その内容に感動しました」とまで言っていただけた。

いろいろな思いをめぐらせながら、苦心して作った甲斐があるというものだ。
私自身の記録という意味も含めて、ブログに残しておこうと思った。

 

ご挨拶とお願い

早春の候、PTA会員の皆様には益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

先日の臨時総会にて来年度の会長が承認され、私はPTA会長の任を離れることとなります。まずは、2年間、若輩者を支えていただきありがとうございました。

貴重なご縁をいただき、学内にとどまらず南区、京都市小学校のPTAにも関わらせていただく中で、昨今の子どもを取り巻くさまざまな問題に取り組んでまいりました。そのような経験の中で、最後に皆様にお願いという形でお伝えしたいことがございます。

 

報道などで頻繁に目にするとおり、いじめ・虐待・体罰と、弱い立場の子どもを傷つける事例が後を絶ちません。まずは家庭で、学校現場で、すべての子どもが被害から守られるよう、細やかなチェックで早急な発見・対応を進める必要があります。加害者がどのような思いであろうと、被害を受ける側が身体に心に傷を受けるのであれば、それはいじめであり虐待であり体罰です。

学校現場には細やかな指導が入っておりますし、われわれ保護者も「自分は関係ない」とするのではなく、今一度、自分の関わり方が子どもを弱者を傷つけていないか振り返ってみてください。そのためには、普段から子どもの様子を、また学校での様子を聞き、そのシグナルを見逃さないでほしいと思います。

 

さらには、2次的な問題にも注意していただきたいと思っています。それは親同士での噂話などで、事実とは異なる情報が流れてしまうことです。

敏感な子どもらは、ちょっとした出来事でもいじめや体罰と感じることがあります。もちろん、子どもがそう感じることはしっかり受け止めてあげてください。しかし、それはその子の視線で感じていることです。事実は単純なものではないこともあります。そのことを、事実確認なしで「いじめられている・体罰を受けている」と思い込み、周りに流布してしまうと、被害者のみならず、加害者として噂される子ら・親・教職員を追い込み、新たな被害者としてしまうことになります。

子どもから聞いた話で気になったことは学校に伝えてください。親が思い込みで判断することなく、事実を確認していただいて、問題があれば対処してもらえます。

噂話の怖いところは、話を聞いた人が自分の想像を交えてまた違う人に話しをしたときに、その想像も含めて「事実」として伝わってしまうことです。子どもらのレベルでは過ぎ去ったり解決したことであっても、新たな問題・継続している問題のように話題に尾ひれがついて繰り返され、場合によっては感情が加わった状態で、事実関係がわかりづらくなり、解決に時間を要する場合もあるようです。

 

「子どもらが笑顔で学校生活を送ること」

周りの大人の願いは同じだと思います。疑い、不信を持ち、対立し裁くことで問題を明らかにすることを目的にするのではなく、それぞれの思いの違いを理解しあい、協力し合って子どもらの笑顔を守っていくことを目指していければと思います。

 

学校の中で「問題はない」とは申しませんが、困った出来事ばかりではなく、子ども同士のコミュニケーションや、先生方と作り上げるさまざまなイベントなどで、親が思っている以上に楽しんでいる事もいっぱいあるようです。

もちろん、命に関わったり、心に傷を負う事態はすぐに避けなければいけませんが、日々起こる問題に対しても、できうればゆっくりと見守り、まずはクラス内・学校内で子どもら自ら解決を図って成長できるように、大人は援助する形が望ましいと思います。

 

そのために、個々の親が動くのではなく、PTA活動などを通じて親同士に先生方を交えたコミュニケーション・情報交換によって、事実から遊離した情報に踊らされることなく、わが子や周りの子と向き合っていけば、すばらしいK小学校の生活が送れることと信じています。

 

本部役員・学級委員としての参加もお待ちしておりますが、それはあくまで窓口であり、活動はお一人お一人の保護者様によるものです。学校単位で行われるもの、支部や京都市で行われるさまざまな研修会や活動は、わが子に直結していることであり、すべての親に共有していただきたいことがいっぱいあります。ぜひ、積極的なご協力をお願いいたします。

 

私自身、PTA役員・会長をさせていただいたことで、はじめて気づいたこともいっぱいあります。会長は退きますが、PTAの一人としてまだまだK小学校におせわになりますので、一緒により良い環境を作って生きましょう。

 

ありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いいたします。

 

別に今起こっている問題があるから思いはじめたことではなく、以前から思っていたことをPTA会長の立場を利用して発信させていただいただけですが。
この考え方が「正しい正しくない」とするとややこしいのですが、個人の思いということで「そう考えるやつもいるんだな」って感じでね。

以前、このことに言及したブログはこちら。
「あなたはみたんですか」 

思い込み・誤解・想像・創造

「噂の真相」