コトバヲツグムモノ

「口を噤む」のか「言葉を紡ぐ」のか…さてどちらの転がっていくのか、リスタートしてみましょう。

冬期研修会 10回目

2007-03-19 23:32:38 | ミニカウンセリング
先週の火曜日で、冬期の研修会が終わりました。
風邪で体調が悪かったのですが、逐語録の担当でもありましたから休むわけに行きません。しかし面白いもので、始まってみると逐語の検討をしながら頭がすっきりしてきます。この”場”自体が私にとって楽な状態で居られるからでしょうか。

さて、逐語はOさんの話を私が聞いたもの。内容に関しては私が逐語録作成してますからわかっているものを追っかけていったのですが、私の聞き方を他のメンバーがどう感じているかはドキドキものです。
おおむね好評だと受け取っていますが(みんな優しいね)私の声のトーンを「落ち着いていてクライエントに沿っている優しい感じ」と受けとってもらえたのは嬉しいですね。特に意識したわけでもなく、自然体でいたことを褒められるのは嬉しいことです。

今回は最後なので、実践はせずに残った時間で感想文を書き、最後に皆で分かち合いをしました。今回も、徐々にメンバーの関係が深まってきた感じがしていたのですが、この最終回はお休みされた方が多かったので少し残念かな。何が残念て、みんながどんな感じで最後の回を迎えているのか、この10回をどう感じたのか聞けないのが残念ですね。

何人かは、明日の打ち上げに参加されるのでそれを楽しみにしましょうか。

で、私自身は特に8回目9回目でペアを組んだお二人の先生のおかげで、新たな面に触れることが出来たこと、そしてそれは一段落つかないまま、まだ課題として残っている。それが生活にまぎれてまた見失ってしまうのか、シクシクと身体に残り続けて、次の研修会で引き続き向き合っていけるのか…こうやって残っているのも面白いかもしれませんね。さて、どうなることやら。

冬期研修会 9回目

2007-03-11 02:15:28 | 真宗カウンセリング

今週の研修会が始まる前に、「今回は打ち上げはないのですか」などと尋ねてみました。いやぁ、好きなんですよね、いっしょに語り合った人たちと、お酒飲みながら違った感じで話するのが。そういう欲だけでついつい口走ったのですが、実現の方向に流れていきました。ということは世話役のSさんにご苦労をおかけするということに…。言いだしっぺなんだから、私が幹事を引き受けるべきだったかも…。あとでちょっと後悔しています。(次回は幹事役もOKです>Sさん)

今回の逐語録検討は、クライエントが私、カウンセラーがOさんです。その録音のことは以前のブログに書きましたが、実はそのあと「ちょっと録り直してもいいですか」との依頼を受け、もう一度録音しなおしたものを使いました。話の内容はまったく変わっています。私の方は前の録音で気になった「思いつくまま」ということがOさんにとって負担になったかもしれないという気持ちがありましたから、今回は「心配だった過去のことと、それが今日解消されて嬉しかったこと」ということをベースに、そこに関わるその日にあった出来事を話しました。ですから、ある程度自分の中で整理されていることを、話できたように思っていました。思ったより早口でしたけどね。

しかし、録音された自分の声って言うのはいつまでたっても違和感を感じますね。あと、話の合間に「あのー」とつける口癖とか、話しながら自分で「ウン」と確認しながら話すこととか…

皆さんに逐語を検討してもらうと、そのとき自分で感じていなかったことを客観的に教えてもらえますから面白いですね。

実践はM先生とペアを組みました。最初に話をしたのですが、「これを話そう」というのがなかった分だけ、どんどん話が流れていきました。もう思いつくまま、言葉になるままって感じです。でもそれが心地よい。安心して、湧き上がるまま口から出せる、そういう関係を作ってもらえてるからでしょうね。そうしているうちに、どんどん流れているように思えていた話の底に、一貫して流れているものが見えてきました。最初はおぼろげだったものを、先生がレスしてくださることで明確になってきます。「一区切りつけたい」という思いと、その底にある「脱皮したい」というものが見えてきました。出来事は色々ですが、不思議とその言葉にたどり着いたときに、つながってきましたね。

後半は私がカウンセラー役をしたのですが、話の中で「変わっていきたい」と聞いていて、そうレスしたところが、後の振り返りで「変わっていく実感がある」とあらためて言っていただいたところがあるんですが、大きく聞き違っていたことが判りました。自分で思い込んで聞いているんですね。「変わっていきたい」とうのは先に話した私の実感ですから、聞いていてそこに置き換えてしまった…「そのごとくに聞く」ということをあらためて大事にしないといけないと教えられましたね。

いよいよあと1回。次回は私がおこした逐語録です。テープおこしは何とか終わっていますので、あとはチェックと書式の作成ですね。


冬期研修会 8回目

2007-03-04 00:16:18 | ミニカウンセリング
いよいよ後3回です。

今回の逐語録検討は、先週のペアが交代。Oさんの話をMさんがカウンセラーとして聞きます。Oさんは最初からテーマとなる葛藤を並べて話し出し、実際の出来事を通してその葛藤の元となる二つの道、理想を目指したい道と現実的に押さえておくべき道をはっきりさせていかれます。Mさんもゆっくりと聞かれてたように思います。
Oさんの葛藤自体、よく分かるものですから私は結構楽に付いて行けましたが、その話のベースとなることになじみのない方にはわかり辛かったようです。
しかし、Oさんの感情の動きとして、葛藤が整理されたことによってポジティブに動き出そうとする変わり目が現れていくところ…ここはすごく伝わったんじゃないでしょうか。カウンセラーさんもそのあたりをしっかり押さえられていましたね。

後半の実践は、人数の都合で私はM先生とY先生とで3人組に。
最初Yさんがクライエントで私がカウンセラー役でした。
Yさんのいくつかの出来事を通じて、関わっている方の成長に触れて喜べたこと、その成長を他の仲間の方にも触れて欲しいこと、この二つが強く伝わってきました。聞かせてもらいながら「よかったなぁ」という感情が私の中に生まれます。喜びを感じている方の話には私も嬉しくなります。この時点ではそのことに問題は感じていませんでした。
次に私がクライエントでM先生がカウンセラー役になる予定でしたが、先生がそのまま交代して続けてくださいということをおっしゃってくださったので、Yさんにカウンセラー役をしていただくことになりました。
話題としては最近私に重くのしかかっていた出来事に一段落をつけられて、少しホッとしたなという話です。私がカウンセラーとして聞いていたなら、この「ホっとした」というところで一緒に喜びを感じて「よかったんですね」と「。」をつけていたと思います。しかし、Yさんは一段落のレスをすることもなく、ゆったりと聞いてくださっていました。
すると私の中から「?」マークがにじみ出てきました。「ホッとしてよかった」という気もちの奥から、なにかしら別のものが見え隠れしだしたのです。その実践の時間ではそれがどういうものかはっきりさせることはなかったのですが、「。」で終わっていない…それは確かです。同時に「。」で終わらせようとする自分の姿が浮き彫りにされました。もしかしたら、自分をごまかしにかかっているのではないか…そのすべに長けていることは自分でも知っています。これでも昔よりはごまかしでない自分も見えるようになっているのですが…

で、振り返りを通じてはっきりしたことが一つあります。話し合う中で「一段落」があったとしても、それをカウンセラーが「。」とすることは違う。まだまだクライエントの中から現れてくるものがあるかもしれない。最終的に「。」をつけるのはクライエントである。
今回、ずっと聞きつづけてくれたYさんを通じて、私の身に起こったことを通して、勉強させてもらいました。理屈では聞いていますが、こうして身をもって体感することで学べる…大きな日でしたね。