コトバヲツグムモノ

「口を噤む」のか「言葉を紡ぐ」のか…さてどちらの転がっていくのか、リスタートしてみましょう。

子どもを取り巻くサイバー犯罪の現状と対策 ~家庭教育学級~

2014-02-23 19:28:27 | PTA

先日、うちの中学校の家庭教育学級、下京南支部PTAの家庭教育学級共催の研修会がありました。
講師は京都府警サイバー犯罪対策課の近藤氏

よくネット犯罪の検挙に「京都府警サイバー犯罪課」と出てきますが、京都を基点に全国のネットがらみの犯罪を取り扱っておられます。

過去、特に今年度はいろんなところでの「ネット端末」に関わる研修会を受講してきましたが、アカデミックな視点、関連会社の取り組み視点とはまた違った形で、その危険性を教えていただきました。

いろいろと書きたい気持ちもありますが、今回お話を聞いたことを箇条書きで記しておくことで、「どういう危険があるか」だけでもお伝えしておきたいと思います。
実際は、その見出しだけ見て「あぁ、この危険性なら知ってるよ」と思われるかもしれませんが、その深さ、広がり方は思っている以上の速さがあり、「知ってるつもりが実は知っていない」という気持ちでこういうお話を聞くことが大事だと思わされました。

● カード請求問題
子どもが使用しても契約者に請求が来るし、回線契約を止めた古い端末を子どもに貸し与えて、中にカード決済の情報があれば、その端末で課金やネットショップすることで請求される事例

●個人情報漏洩問題
写真をアップする時、最近はそこに位置情報が埋め込まれているので、知識あるものが見れば位置を特定できる。それは近所の店やランドマークでわかるだけではなく、室内で撮った写真にも位置がわかる情報があるということ。また、書き込みの中に「近所にコンビニがオープンした」とか「○○中学校で」とかの文字情報から、家を特定されることもある。

●男女による危険性の違い
男子 ゲーム・アダルト利用 → 高額請求・依存
女子 リア充アピール → 個人情報・出会い系

●リベンジポルノ
最近ニュースになったやつですね。あらたな問題です。

●既読スルー
LINEいじめなどにつながる問題です。

●新サービス「スマ○○」(逆に宣伝になるといけないので伏せておきます)
新しいコミュニケーションツールですが、まったく不特定の「同じアプリを入れている他人」が、近くに居るかどうか知ることが出来て、その個人宛にメッセージ(ナンパ・援助交際につながる)を送るアプリだそうです。今までは何度かやり取りして「会いましょう」というものでしたが、外出先で思い立った時に「出会い」をすることが出来る…無茶苦茶怖いですね。

●SNSでの不用意発言
軽い気持ちの言葉(悪口含む)が、簡単に拡散されるし言葉が証拠として残る。やがて不登校に追いやられることも。

●動画サイトのいじめ投稿
わざわざ動画にとって面白がって投稿する。小学生をいじめた動画を撮って投稿し、映っていたいじめた学生は補導、動画を撮っていた学生も補導、周りではやし立てていた学生も補導はされませんでしたが、加害者として追及されたようです。
 また、これに波及して「この学校の制服だ!」と誤認された学校に、”善意の一般者”が次々問い合わせをしたり、その学校に関わる個人情報をネット上に開示したりして業務が妨害されるという事案も発生したようです。

●愉快画像
最近話題になった、バイト先や客として訪れたお店で、衛生的に問題のある行動をし、画像をツイッターなどにアップする事案ですね。閉店や廃業に追い込まれた店もありますし、模倣犯も多く発生しました。

●友達にID/パスワードを教えて、アイテムを搾取される
ゲームなどで集めたアイテムを、ネット上で盗み取る…立派な窃盗ですね。ここでは13歳の学生が主犯として補導された事例を聞きました。


ほんの1時間半の研修で(しかも前半は統計的なお話)これだけの事案を聞きました。
怖いのは、被害にあわないため…だけではなく、「お子さんが加害者になりえますよ」ということ。

先生のお話で、「ぜひお子さんに教えてあげてください」ということのひとつが「インターネットは匿名ではないですよ」ということ。
匿名だと思って安易に加害者になっているかもしれませんが、上記のように必ず犯人は突き止められます。
このことだけでも、お子さんのブレーキになるかもしれません。

そして、もうひとつの大事なお話。
「何かあったときに話し合うのではなく、普段からいろんなことを話し合える家庭作りが大事です」ということ。
私たちに出来る、またしなければいけない一番のことは、ここにある気がします。