今日は仕事の関係で、市内の三ヶ所に書類を届ける必要があった。
ちょっと曇り空だが、自転車(といってもママチャリ)で出かけることにした。
車だと停めるのも厄介だし、ガソリン代も高いしね。
10時ごろ南区の事務所を出発。
携帯にイヤホンをつないで、BEATLESを聞きながらのサイクリング。
まずは油小路を北に上がる。
新幹線・JRの高架をくぐると前方に大きな屋根が見えてくる。
あいにく一番大きな屋根は工事中だが、手前に興正寺、奥に西本願寺。
伊藤康善師は真宗興正派の僧侶だったし、華光会館が前の建物の頃は、仏教青年会の宿泊行事などはよくこの興正寺の施設を利用させてもらったものだ。
西本願寺は浄土真宗本願寺派の本山で、なんどもお参りさせてもらっている。
今日はお寺には寄らずに、手前の信号で塩小路通りを東へ。
西洞院通りを北進し、七条を超えると今度は東本願寺の塀にたどり着く。
東本願寺は真宗大谷派の本山。
そのまま壁沿いに東進し、烏丸通りを渡ってから北進。
大きな烏丸通りを避けて、くねくねと裏道を走る。
仏具屋の多いところを抜けて東洞院通りにでるとまた大きな塀。
渉成園(枳殻邸)というところで、庭が綺麗な東本願寺の飛地境内。
昔、聞法旅行で京都めぐりをしたときに拝観させてもらった。
当然、今日は前を通るだけだが、ちょうどBGMが「アクロス・ザ・ユニバース」で不思議な雰囲気を味わっていた。
そのまま東洞院通りを五条まで走ると最初の目的地で、用事を済ませる。
五条を渡ってなおも北進するが、このあたりに来ると古い町屋は少なくなり、あってもわざわざ町屋風にしたレストランだったりする。
しばらく走ると右手に大きな伽藍が見える。
それは仏光寺で、真宗仏光寺派の本山
四条を越えるとますますその傾向は強くなってくる。
六角通りまで進み、烏丸側に西進すると六角堂がある。
とりあえず素通りして、烏丸で二件目の用事を済ませてから、もどりしなに立ち寄る。
去年もここに来た。
ビルなどに囲まれたところにひっそりと佇む六角形のお堂。
まわりはずいぶん綺麗に、公園風に仕立てられているが、暗いお堂の中には荘厳さが漂う。
比叡山で修行していた親鸞聖人が、ここに通い聖徳太子の夢を見て、法然上人を訪ねるために下山を決意されたという場所。
今は天台宗の寺だし、聖徳太子も奉ってあれば、水子供養もしている。
お堂の前で真言らしきものを称えてお参りしている人もいた。
私はもちろん、遠慮せずに南無阿弥陀仏と称えさせていただく。
時々、真宗の門徒ならば真宗の寺以外をお参りするなどナンセンスなどという方が居られるが、別によその神や仏を参っているのではなく、そこにあるものに手を合わせるご縁で、本願にふれることが大事なのだ。
親鸞聖人も最初から浄土真宗を開くためにここに来られたわけでもなく、この六角堂をご縁に、聖徳太子を通じて菩薩に出会い、法然上人を訪ねられている。
私も、華光の先生方や親鸞聖人がお目当てなのでなく、それら先達を通じて弥陀の本願に出会わせてもらっている。
所属や派閥など便宜上のもので、本願の前では何の足しにも障りにもならない。
その刹那刹那に出会っている人間的なご縁を通して、立ち返らせてもらうだけだ。
そんなことを考えながら、3件目の用事のために東へ向かい、寺町御池で用事を済ませる。
ちょっとCD SHOPに立ち寄った後、鴨川の堤防に降りて南へと帰る。
「私が死んだならば、この体は鴨川に流して魚の餌にしてください」と親鸞聖人がおっしゃられた鴨川だ。
いけるところまで川沿いでと走っていたら、塩小路の橋で一端行き止まりで、橋を渡って反対側でまた川沿いに下りる。
結局その道も十条の橋を越えたところでお終い。
仕方なく十条どおりを西に向かって、事務所へもどった。
時刻は13時半。
やっぱり、京都はゆっくり走るといろんなものに出くわせて素敵だ。
もっと、そういうゆとりを持って過ごしたいものだが…