以前にミニカウンセリング研修のときに話した話題で、「コミュニケーションを失敗しちゃうことはわたしにもありますよ」ってお話。
この話に関心を持ってくださった方がいたので、一度文章化しておきたいと思いながらズルズルと。
ちょっと時間が経って心境の変化はあるけど、このまま風化させるよりは今の時点の思いとして、ね。
次男はいわゆる「空気が読めない」といわれるタイプ。
これまでも「なんでこのタイミングでそのことを言うのかなぁ」ということが多々あった。
なので、こちらも「そういう考え方をしちゃう子だ」と対応する。
それはあるときは”配慮”として現れるんだけど、時としては”思い込み”になってしまうという例。
いつも夕食時になると「今日のおかずは何?」というのが日課のような息子。
あるとき、「そろそろ出来るから、食卓の上片付けといてな」と私。
「はぁい」と返事して、兄と一緒に散らかした食卓を片付けてくれる。
「お膳拭いて、取り皿とお箸用意しといてな」
「はぁい」
というやり取りを繰り返す。
で、お膳拭きを台所にもって来て「今日のおかず何?」と。
「食卓の準備を頼む」→「もうすぐ食卓におかずが並べられる」→「聞かなくてもすぐに答えがわかる」
これが因果関係を把握できる思考の流れ(一例だけど)で、こう感じてほしい。
同時に、それがこの子には困難だということもわかりつつ。
しかし、連れ合いが仕事で遅くなると連絡してきて、お腹をすかした子らのために急いで用意をして…
気持ちに余裕はなくなってる状態。
なので出てくる言葉は「もう用意できてるって言ってるやろ、すぐに何がおかずかわかるやろ」
一応、怒鳴ることはなく諭す口調だったけど(連れ合いによると、静かに言うときのお父さんの方が怖いらしい)フレンドリーさは全然ない。
一瞬黙りこくる息子。
ところが次の瞬間思いもかけない言葉が返ってきた。
「ドレッシングとか何がいるのかなって思ったから…」
こちらはいつもの癖のようにたずねている言葉、状況を把握せずに思いのままにいっている言葉だと”思い込んでいた”。
しかし息子はお手伝いの延長で、おかずの種類によって用意するものが変わるから、そのことを考えるために「今日のおかずは何?」と。
(あぁ、思い出して言葉にするだけでも涙が出てくる)
ほんとうに申し訳ないことをした。
「空気が読めない」という特性を理解していないよりは理解している方が良い。
そういう特性があるのなら、配慮してあげて丁寧に一件ずつ事柄を進めてあげられるのが良い。
ただ、そうやってあげることが「こちらがしてあげている」と、思い上がると怖いことになる。
間違っちゃうこともある。
それはお互いに起こる。
お互いでしんどい思いを抱えながら、手を取り合って、抱き合って、共に育たせてもらうしかない。
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