単身赴任から戻ってきて今日で175日。
本が多くて困っている。少々間引こうと思って、古い本から読んでいえう。そんな中、「ホームレス博士」と言う本があって久しぶりに読んでみると、依然と違った感覚を覚える。
副題は「ブラック企業化する大学院」。少子化で学生が少なくなった分、大学院生を増やして大学を守ろうってことでジャンジャン入学させる。それこそ、法科大学院を修了すれば7~8割合格させるって言っていたのに
3割程度で、合格者がいない大学院も存在することを考えると、大学院ってブラックだな~と思ったものだ。
平成21年度の日本の大学院博士課程修了者の死亡・不詳の者の割合が9.1%で、それと並べて日本の自殺者の割合0.0258%と書かれてしまうと、博士課程修了者の死者が各段に多く思えてしまう。
奨学金と言う名の借金を何百万も抱え、就職先が見つからずコンビニ店員をしている方々の話を聞くと、博士って何なのよと思ってしまう。
ただ、自身、大学院生を6回もやっていると「本当に、大学院はブラックなのか?」と思うのも事実。
大学院を修了しても教授や教員になれないことがブラックというのなら、野球で有名な高校や大学に入学してプロ野球の選手になれない球児もブラック野球部の生贄ってことだろうか?そもそも、自身の専門性やスキル、能力に依存する仕事に就こうというのなら、希望通りにならないリスクの方が圧倒的に高いはず。にもかかわらず、そのリスクを顧みず、挑戦したなら、そのことに対して後出しジャンケンのごとく非難するのはどうだろう。
進路については一部のコネや縁故や家業がある人等を除いて概ねみんな同条件。スポーツや特殊技能に挑戦する人もいれば、普通に企業に入ろうとする人もいる。スポーツを目指して体を壊す人、旅行業やブライダル業といった専門課程に進学したがコロナ禍に見舞われる人、色々夢破れて進路変更を余儀なくされる人も多々存在する。あと、年齢が高くなれば就職困難になる日本の慣行もみんな知っていることだし、学位が正当に評価されない環境もわかっているはず。一方で、多かれ少なかれ、自身の夢を叶えている人がいるのも事実。ゼロではない以上、詐欺でもなければ、悪徳商法でもない。
大学院が未来への万能パスポートと思うから「ブラック企業」って発想も出てくる。そう、それこそ「資格」と同じ。過度な期待が「裏切られた」「騙された」って思い込んでしまう。イラショナル・ビリーフだ。そんな幻想を抱くからメンタルまで棄損してしまう。
「ホームレス博士」に「なんで博士までなった人がホームレス!?」って違和感を感じるからこそ、これが本の名前になったのだろう。でも、ホームレスの人を調査すれば「元社長」「元貴族」「元地主」なんて人々もいるのではないか?博士と言う学位は1回取得すれば取り消されない限り有効だから「元博士」にならないだけ。
しかし、、、不謹慎とお叱りをうけるかもしれないが、今、テレビでウクライナの現状が放送されており、国家的規模で国民がホームレスの状況となっている。そのウクライナに侵攻している国と我が国も隣接しており、領土の問題が存在している。言うに事欠いて、政府高官が「北海道」までロシア領と発言する始末・・・
「ホームレス博士」と言い放ってみても、基本、衣食住は保証されている日本。裸で歩く人も、飢え死にする人も、外で凍死する人もまずいない。そんなイレギュラーなことが起こると、それがニュースになる国。でも、その幸せですら一瞬で瓦解し、ホームレスというレベルで全国民平等になる未来が「絶対来ない」と言い切れないのが恐ろしい。。。