クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

蝉の鳴く小説・9(『首斬り浅右衛門人情控』千野隆司・感想)

2021-10-19 | 本と雑誌

はむろりん(葉室麟)の『蜩ノ記』

と 同じ、小説NONに

けいさいされ

人気だったという・時代げき(劇)に、

『首斬り浅右衛門人情控』という

たんぺん(短編集)が あります。

(千野隆司っていう作家さんが 書いています

「首斬り浅右衛門」というのは、

江戸時代 

牢屋の死刑執行人だった

やまだあさえもん(かんじ:山田浅右衛門)


 歴代の山田あさえもんは、徳川家の下

もっとも・人間の肉を ぶったぎっていた人間

の はずですが、

中でも

(安政の大獄の刑死者を斬った)7代目は、

小説やドラマに よく出て来ます

 本作も、「第7代山田浅右衛門」

を 主人公として

7話からなる・処刑秘話が 

そうさく(創作)されており

「蝉の音」は その最後の小話です

 

<かんたんに、あらすじ>

 小悪党の兼次郎は 処刑直前、「自分を売った人間への報復

を 口にし、

わらいながら、斬首されます

が、

数日後・・

実際に その人間が殺され

浅右衛門は(だれが手を下したのか?)

を 捜査する。


そんな内容。


 作中で、セミのことを

「生命の最期の煌めきを、鳴くことでこの世に伝えていた」

って 

書いていたから、

処刑が決まってなお

にくい相手に「最期の一矢」をむくいた・小悪党

が、

セミと重なるってことだな

読者は 気づきます

 すぐにドラマ化できるタイプの

小説でしたね



【おすすめ度: ひと通り全話読まないと入り込めないオムニバス形式の最終話のため。】

 

 

 

(次回は、荻原浩『蟬鳴くや』を レビューします。よく電車の車内広告で目にする・作家さんです

 

 

 
コメント (18)
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