「ま・さ・か 後味が悪い小説だとは思っていなかった」
のに
うっかり・読んじゃった
吉村昭作品から、
ちょっと怖くなってしまった短ぺん(編)『油蝉』
を
ご紹介します
これは、吉村さんの私小説・10ぺん(編)を
あつめたうちの
ひとつで、
主人公(吉村さん?)の従姉が ガンで亡くなった時の、
「お通夜~納骨
セミは どこに出てくるか?というと、
「空襲の夜に、油蝉の鳴き声が異常に聞こえていた」
と 話す、
いとこの回想話の中に
出てきます。。
「従姉は油蝉の鳴き声を聞きながら、真っ赤に燃え盛る街を、赤ちゃんをおぶって逃げ惑ったけど、ふと見たら、赤ちゃんは息たえていた」
という・・
かなしくて、むざんな
回想の中に、
です。
(※亡くなる前に、病室で、このことが 語られます・・)
だれもが、一度以上は経けん(験)する、
「親族の会葬」・・
ここにも、
まさに、そんな
「葬儀所風景」が 淡々と 描かれているのですが、
さいごに 故人の骨をしんぞく(親族)が洗う、
めずらしい「洗骨」シーンが出て来て、
(えっ)って なるところが
ハイライト
それは、
ホネをキレイに洗ってから「骨壺」におさめる、
一部地方の
習わしだそうですが、
"骨灰に濁った水の表面に浮かぶ、意外なほど多い脂の量に、吉村さんがびっくりして終わる、、"
読者クリンは あとから、空襲の夜の油蝉のエピソード
を
ふと思い出す・・
人間の脂 × アブラゼミの油・・
で、オチる
短ぺん(編)でした。。
【おすすめ度: ・・吉村ファンなら1冊全部で☆4つくらい?】
(次回は、金鶴泳『あぶら蟬』を、レビューします実質的に☆5つだった、小説です)