クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

桜ふる小説・3(太宰治『葉桜と魔笛』感想)

2022-03-27 | 本と雑誌

 亡くなった日に「桜桃忌」の名がつく、さくらんぼ作家・だざいおさむ(太宰治)・・

 彼の手になる・「最高の桜小説」といえば、、

『葉桜と魔笛(はざくらとまてき)』でしょう


(※うちのチットが高校生のころ、国語の教科書で出会った、乙女小説です

 ~甘ずっぱい・ストーリー~

日露戦争中の1905年、

島根県のあるまちに住む主人公(ハタチの女性)には

病気の妹が いました

18歳になる妹は寝てばかりでしたが、

どうやら病にたおれる直前に 別れた男性がいたようで・・

 妹の部屋から、男性が送ったラブレターを30通も見つけてしまっ

お姉ちゃん(主人公)は、

妹がもう処女じゃない、ということを知って

ドキドキしながらも、

(・・この子、病気になったから捨てられたんだ。)

と、

妹を ふびんに思いました


そして、
一計をあんじます。

 別れた男になりすまして、妹にラブレターを書いたのです

ごめんね、僕が弱かったばかりに、、君は全然悪くない。愛しています

って 書かれた、

なぐさめのラブレター・・。

余命いくばくもない妹は その手紙を読んで、、


(以降ネタバレなし


 若々しく、せんさいな、桜の花のごとき小さな物語


これを、

男性が、

しかも、太宰治みたいな人が書いたという事実は

何か、ステキないたずらでしょうか、、


 どんなに・こわれた「毒男」でも、この作品のつくり手であるかぎり、

太宰のつみ(罪)は 

すべてゆるされる・・

4月の教室で、気持ちよく読んだのを 
ずっと忘れない。」

って、

うちのチットが 言ってました


【おすすめ度:


(※次回は歌野晶午の、『葉桜の季節に君を想うということ』をレビューします

コメント (15)
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