クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

桜ふる小説・5(坂口安吾『桜の森の満開の下』感想)

2022-03-30 | 本と雑誌

満開をすぎて

おびただしい花びらが 散るころになると

思い出すのが、

 坂口安吾の、『桜の森の満開の下』です。


それは、

桜が持つ、恐るべき・まりょく(魔力)を 読者に思い起こさせる

一冊で、

 このたび・再読したら、あまりに けっさく(傑作)なので、

夜、眠れなくなりました。

 ~あらすじ~

平安時代、鈴鹿峠に山賊がいました。

およそ悪事のかぎりを尽くしてきた山賊でしたが、

ゆいいつ満開の桜の森を通りかかると へんな気分になるので

苦手でした。

ある日、

山賊はすごい美人の人妻をさらって来ますが、

この女が おそるべきワガママで、

山賊はふりまわされっぱなし。

女の求めに応じて

都ぐらしを始めたものの、

夜な夜な、都人の殺害を 命じられる日々・・。


 女は、人間の生首をコレクションする、鬼だった。。

しかして

鬼女と山賊にふりかかる、桜吹雪のラストシーンは

い・か・に


っていうお話。

 ひとけとネオンがあっても、夜桜見物って ちょっと・こわいです

 しずしずとふりそそぐ山の桜なら、なおのこと、ぞっとするでしょう。

 みんながおそれ、幻わく(惑)される桜、、
 その花を使って、おどろおどろしい・平安絵巻を 仕立てるなんて、
 

坂口安吾の 

すごみを、かんじます。。

 凡人がマネしたら、ただの中二病になるでしょうね

 

 

【おすすめ度:

 

 

(次回は、これまた桜の怖さを見抜いて恐れた梶井基次郎の『桜の樹の下には』を 読みます

アレが埋まってるとか言うんですよね、サクラの下に・・🐻)

 

 

 

コメント (16)
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