もうガンダムと名の付く作品を観る事はないだろうと思っていた。
SEED、00、AGEと近年でもガンダムの名を冠した映像作品が展開され続けているが、どれも僕が夢中になったガンダムとは別の作品であった。
優れているとか劣っているとか、そういう話ではない。ガンダムという作品として認めるとか認めないとかの話でもない。そのような先入観を持てるほど、自分がガンダムという作品を深く理解してるつもりはない。
ただ単純にSEEDや00、AGEに対してピンと来ない。確かに映像は進化し、モビルスーツもカッコよくなった。だが何かが合わない。決定的にだ。それが何なのか、あまり深くは考えなかった。時代が変わった、というような曖昧な結論を出して、それ以上は深く考えなかった。
先日、レンタル店でガンダムUCのOVAを手に取った時も、それほどは期待してなかった。だからレンタルをしたにも関わらず、4日間も放置してしまった。
このまま返すのも気が引ける、というだけの動機であったが、再生された映像を見た瞬間に思った。懐かしい-と。初めて観る作品に懐かしいなどと、まるで呆けているかのようであるが、そう感じたのだ。
本当に久しぶりに「ガンダム」なんだな、と。
そう、ピンと来たのである。まだ本編も何も始まってない、アバンタイトルの時点でそう思った。そういう感覚というのは話を理解するとか、観た時間の長さという経験値によるものではなく、本当に一瞬の内に起こる。
「匂い」とでも言うべきか。もちろん実際に映像から匂いがするわけではい。感覚的な匂い。あの独特でいて強烈な。
このガンダムUCは、いわゆる宇宙世紀モノとしての正統続編となっている。ガンダムと言っても、続編も多いし、派生された作品も数多くあるので、簡単に説明はできない。
僕らの世代が幼稚園~小学校低学年の頃に熱中していたガンダムがある。今ではファースト・ガンダム、初代ガンダム、などいろいろな呼ばれ方をしているが、お台場に立ったガンダムが正にそれである。
ガンダム→Zガンダム→ガンダムZZ→逆襲のシャアという流れが一般的(?)に知られているな感じだと思うが、もう少し細かく言えば、ガンダム→08→0080→0083→Z→ZZ→逆襲のシャア→91→Vガンダムが宇宙世紀(UC)としての作品である(他にもあるはずだけど、とりあえず)。
このUCは逆襲のシャアの後の物語となっている。作中で「一年戦争から17年後」というセリフがあることから、UC.0096年の頃かと。
それが開けば連邦政府は壊滅すると言われている「ラプラスの箱」、その箱のカギとなる「ガンダム・ユニコーン」に主人公が搭乗するまでが1話の主な流れとなっている。
姿は見せてないと思うが、ブライトの名が出てきたり、成長したミネバ・ザビが出てきたり、30代~40代のガンダムファンの心をくすぐる。映像も良いです。主人公はもう少しヒネくれた感じの方が好きだけど、素質はありそう。これは最後まで観てみようと思います。